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僕と異世界と主人公と  作者: ぬまろ
19/32

最初にして最後の戦い


僕とカリン先輩はひたすら戦闘訓練を続けた。あと1か月で5年生が卒業してしまうので、この1か月の総当たり戦が5年生と戦える最初で最後のチャンスだ。


「カリン先輩!みっちり稽古もしました!あとはみんなにお披露目ですよ!」


「そうだね!シリウス君!勝ったら背中に魔素流ししてくれよ!」

ぶれないですね。安心だけど心配だよ!

初めの相手は、、、槍組か。


「先輩、槍組は今回学園ナンバーズ8位のモーブ・な・ノカ先輩が出るみたいです。試合が始まった瞬間にモーブ先輩の突き出たケツアゴを鎖分銅で狙ってください。かすめるだけで大丈夫なはずです。相手がよろけたら接近して鎌でフィニッシュです」

正直1桁ナンバーズを相手するのは厳しいところがある。油断しているスキを狙っていけば問題ない。武器のリーチを活かすんだ。


「やってみるよ!」


...






...


カリン先輩とモーブ先輩が向き合う。


「槍組と連組の試合を始めます。両者構え!はじめ!」


「はあああああ!」

開始と同時にカリン先輩はモーブ先輩の突き出たアゴに向かって鎖分銅を飛ばす。魔素流しをしてある鎖分銅のスピードは初見では避けることは出来ないだろう。


「うぼあああああああ!!!」

モーブ先輩は勢いよく回転しながら吹っ飛んだ。カリン先輩は予定通り鎌を構えて追い打ちに走るが


「勝負あり!」

アーゴ先輩、いやモーブ先輩は1打目で気絶したみたいだ。これで万年最下位の脱出が確定した。おめでとう先輩。そう思いながら僕は走ってこちらに向かってくるカリン先輩に拍手した。


「勝てたよおおおお!もう馬鹿にされないですむよおおお!シリウス君のおかげだよおおおお!」

もう泣いている。まだ試合は残ってるんですが。


「はい、おめでとうございます。残りの試合も気合を入れていきましょう!」



周りからは驚いた声が聞こえる。中には疑う声もあった。

「万年最下位が急にどうした」

「不意打ちだろ?」

「いやいや、速かったぞあの攻撃」


ナンバーズ上位の人たちからは

「へー、やるじゃん」

「ふん!」

剣組所属ナンバーズ1位の人も

「ほう、たしか3年生だったろ。あの年齢で魔素流しはエクセレントだ!」


魔素流しでの攻撃だと気づいたのは実力者たちだった。


...




...


続いて弓組との試合では弓を鎖分銅で撃ち落として懐に入った瞬間に勝利が確定した。


打組との試合では相手はハンマー使いだった。大きなハンマーで1撃必殺を狙った戦闘スタイルだったため、遠距離からダメージを与える戦法で勝利もぎ取った。


これで3位以上が確定した。初めに疑っていた人たちもカリン先輩に注目し始めて思わぬダークホースの存在に試合はいつも以上の盛り上がりを見せている。


後半の試合は30分の休憩をはさんでからになる。僕とカリン先輩が話していると

「はっはっは!君にはやられたよ!」

モーブ先輩だ。


「油断していたなんてのは言い訳に過ぎないからね!悔しいよ!ただ一つ言わせてもらっていいかい!君がアゴを攻撃するからアゴが2つに割れちゃったじゃないか!!!」

もともとから割れていましたよね。そうツッコむと


「ここだよ!溝が深くなってるだろう!」

僕のアゴがさらにダンディーになったじゃないかー。はっはっは!と言って去っていった。

あれでナンバーズ8位なのだから普通に戦ったらもっと強いんだろう。


...




...


「では試合を再開します。連組と闘組の試合を始めます!はじめ!」

カリン先輩はスタートダッシュで鎖分銅を投げる。相手はメリケンサックを使用している。鶏もびっくりなトサカヘアーにサングラスでメリケンサックなのでから怖くて仕方がない。周りのヤジを聞いていると彼の名前はツッパリ先輩というらしい。覚えやすくていいね。


ツッパリ先輩は上手に鎖分銅を殴って対処しているが、カリン先輩の操る鎖分銅は不規則な動きをしているためだんだんと対処が出来なくなってきている。このままじゃ負けると思ったのか、攻撃にあたりながらも距離を詰めてくるツッパリ先輩。


その距離はだんだんと詰まっている。誰もがカリン先輩が負けるのでは?そう思ったとき、カリン先輩は鎌と鎖分銅の中間地点の鎖部分を持ち、まるでヌンチャクのように操りだした。これが接近戦での最終兵器だ。鎖分銅と鎌の部分がツッパリ先輩を襲う。魔素流しで完全にコントロールしているため、鎖が絡まることもない。


正確な攻撃が無数にあたり、ツッパリ先輩はギブアップした。

これで2位が確定した。最後は不動の1位である剣組が相手だ。さらに言うと今日参加しているのはナンバーズ1位のルクス・せ・エクスバーナー先輩だ。強敵である。


...




...


「連組と剣組の決勝戦を始めます。はじめ!」


カリン先輩が動くかと思いきや、動きが止まった。

(エクスバーナー先輩、、、スキがない。シリウス君を相手にしてるみたいだ)


「来ないのかい?じゃあこっちからいくよっ!」

もの凄い勢いで距離を詰めてくる。カリン先輩もとっさに距離を開けるためにバックステップを踏む。

無意識にバックステップが出来たのは修行の賜物(たまもの)だなあ。しかしエクスバーナー先輩強いな。


「そこっ!」

そう言いながら鎖分銅を投げるカリン先輩。しかし


「ガキン!」

エクスバーナー先輩が鎖分銅を剣で切ったのだ。おいおい、カリン先輩も魔素流しで強化された鎖分銅なのにそれを切るか。やばいな。


武器を切られて茫然としているカリン先輩の首元に剣が当てられる。

「降参です」

悔しそうにそういうカリン先輩。


「君はまだまだ伸びるよ。この1年の君の努力!エクセレントだ!」

エクスバーナー先輩が握手を求めてくる。二人の握手で今回の総合戦闘クラブ総当たり戦は幕を閉じた。



試合の勝負こそすぐについてしまったが、周りからは拍手が響いている。

「よくやった!」

「見直したぞ!」

「どうやって魔素流し覚えたんだ!」


カリン先輩はみんなに囲まれてアワアワしている。


長くなりそうなので僕は帰ることにした。



数人の人がブックマークをしてくださいました。ありがとうございます。

毎日1時間を目安に書いております。下書きもなくその場で思い付きで書いているので、文章的には至らぬ点が多いとは思いますが、楽しんでいただけたら光栄です。

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