表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕と異世界と主人公と  作者: ぬまろ
15/32

クラブ見学 ~総合戦闘クラブ~



マルフォイと別れてから僕は総合戦闘クラブの見学をしに闘技場へと来ていた。


「すいませーん。見学に来ましたー」


「いらっしゃい。今日は水曜日だからクラブの総当たり戦をしているところだよ。ゆっくり見ていってくれ」

先輩が説明してくれる。総合戦闘クラブをさらに小分けにした武器ごとのクラブがある。これは授業の見学のときに聞いたことだったので特に思うことはなかったが、基本的には使用している武器 + 組 という呼び方をするらしい。たとえば剣を扱うクラブは[総合戦闘クラブの剣組]という。たしかに総合戦闘クラブの剣術クラブだと分かりにくいと思っていたので納得である。


武器の種類で分かれており、今現在では以下の武器組で分かれている

・剣組(刀剣武器) - 剣、刀、大剣、短剣など

・槍組(長柄武器) - 槍、薙刀、ハルバートなど

・打組(打撃武器) - 斧、棍棒、ハンマーなど

・連組(連結武器) - 鎖分銅、鎖鎌、ヌンチャクなど

・闘組(格闘武器) - ナックル、メリケンサックなど

・射組(射撃武器) - 弓


週に1度の総当たり戦を行う、月に4回の総当たりがありその戦績で組の順位を決めるらしい。最近の戦績は

1位 - 剣組

2位 - 槍組

3位 - 闘組

4位 - 射組

5位 - 打組

6位 - 連組


となっており、1位の剣組はここ2年間不動の1位という。剣の人気が高いこともあり実力者の層が厚いのだそうだ。


2位から5位は結構入れ替わりがあるようだ。そして6位は3年間ほど変わっていないという。今では連組は3年生が1人いるだけだそうだ。連結武器と言えばうちの双子の片割れのセリナちゃんが鎖鎌を好んで使っていたな。双子ちゃんが入学するまで2年か、、、ちょっと連組に入ってその人を育ててみようかな。そしてセリナちゃんが入ってくる頃には連組の地位を上げておこう。うん、そうしよう。


そう思っていると次の試合が始まろうとしている。片方は剣を構えている、もう片方は鎖鎌を構えている。おお!あの女の子が連組の子か。お手並み拝見ですな。


試合が始まる。剣を構えているほうは背丈もあるので5年生だろうか。子供の2歳の差はでかいので既に不利だと思う。鎖鎌少女は鎖分銅を投げるが簡単に(かわ)されてしまう。それどころか鎖部分をつかまれてしまい引き寄せられる。「ぐっ」と悔しそうな声を出しながらも体格差から引っ張られてしまい、剣を首元に当てられて降参していた。鎖分銅の使い方があかん!おじさんが教えてあげないと!


...





...


試合が終わり鎖鎌少女のところへ向かう。

「試合みましたよ先輩」


「君は?」


「新入生のシリウス・す・ホワイトライトです」


「ああ、サリウス君の弟か。私はカリン・ち・ダイナウルフだ。恥ずかしい試合を見せちゃったね」

サリウス兄さんとは同じクラスらしい。


「鎖鎌ちょっと借りていいですか?」

そういって練習用サンドバック装置の前に立つ。練習用サンドバックとは与えた威力によって色が濃くなっていく不思議魔道具である。


僕は鎖分銅に魔力を流してまるで蛇のようにウネウネと予測不能な動きをさせる。そのまま不規則にサンドバック装置を連打する。途端にサンドバック君の色が真っ黒になる。

「こうやって鎖分銅を魔力で操作しないと。ただ投げるだけなら石で十分だからね。鎖分銅という武器の一部をしっかり使いこなすんだ。今は鎌の部分はおまけ程度に考えていいと思うよ」


カリン先輩は驚いて口をパクパクさせている。5年生でもサンドバック君を黒色にするのは難しいらしい。

「し、シリウス君は魔素流しができるのかい!?」


「魔素流しって言うのか。でも難易度は身体強化と同じくらいじゃないの?魔力流すだけだよ?」

そんなわけない!と怒られてしまった。身体強化は既に流れている魔力の流れを多くするだけで済むが、武器に魔力を流して操作する魔素流しは0の物質に魔力を流してさらにそれを維持して操作しないといけないとのことで難易度はかなり高いらしい。


「私に魔素流しを教えてくれないだろうか!」

これで万年6位から脱出してやると燃えた目をしている。


「もちろんです。僕の妹が鎖鎌を使っていて連組の地位を上げたいと思っていたので」


「さっきの実力を見るに、君が入ってくれるだけで総当たり戦は勝ったようなものじゃないか!」


「いいえ、総当たり戦はカリン先輩だけでお願いします。少なくともこの1年はそうさせていただきます」


「なぜだ!君ほどの実力がありながら!」

だっていきなり俺ツエーしても面白くないじゃん。


「僕が参加すれば確かに連組の地位は上がるかもしれません。しかし!それは僕の実力であって先輩は弱いままになってしまいます!悔しくないんですか!」


「わ、わたしが間違っていたよ!わたし!やってみるよ!」

ちょろいぜ。双子ちゃんみたいに直ぐに習得はできないかもしれないけど1か月で魔素流しを教え込んでみせる。楽しくなってまいりました!





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ