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僕と異世界と主人公と  作者: ぬまろ
10/32

合格発表 - after


「シリウスさま。夕飯の時間ですよ」

マリリンが肩を揺すって起こしてくれる。どうやら眠っていたらしい。


「みなさん準備出来てますので早く準備してください!今日はホワイトタイガーのお肉ですよ!」

そうだった!双子ちゃんもびっくりなスピードで準備する。


「いくぞマリリン!」

マリリですってば~。そう言いながら後ろをついてくる。ホワイトタイガーか、、、楽しみだっ!


「おはよー!」

おはようじゃない!遅い!アホ!と聞こえてくる。だれだアホって言ったやつ。


「主役が来たところで始めようか。今日はシリウスの学園合格を祝って豪華にしてみたよ。じゃあシリウスからひと言たのむよ」

父さんが話を振ってくる。ひと言なんて準備してないんだが。


「え~、ご紹介に預かりましたシリウスです」

知ってる~!固いぞ~!アホ!と聞こえてくる。おい料理長、アホって言ったのお前か、あとで覚えとけよ。


「皆さんのおかげで無事学園に合格できました。これからもよろしく!」

みんなから拍手が巻き起こる。


「じゃあ挨拶も終わったし食べようか。神と自然に感謝を」

「「「「「「神と自然に感謝を」」」」」」


みんなひと口目からホワイトタイガーだ。なんだこのプルップルした肉にも関わらずしっかりと弾力があってかつ柔らかい。ユートピアはここにあったぞ!


父さんと母さんはやっぱり美味しいわね~と話している。

サリウス兄さんは柄にもなく頬っぺたいっぱいに肉を食べて幸せそうにしている。

双子ちゃんは二人そろって頬っぺたに両手をあてて「「おいひぃ~」」と言ってる。

ソリウスは小声で「んま~」と言った。ご飯を上げていたマリリンが驚いている。僕は思わず

「ソ、ソリウスが「んまっ」って言った!喋った!!」と叫んだ。


それからはみんなソリウスに付きっ切りだ。もう一回喋って!この肉あげるから!


3日天下ならぬ3分主役だった。ソリウスに持ってかれた。そう思いながらも僕もソリウスがもう一度喋らないかなと思って肉を上げた。喋らなかった。ただ肉を損した気分だ。残りは自分で食べることにする。


ある程度落ち着いてきたらみんなで談笑した。

王族と五大貴族すべてそろっていること。いい友達マルフォイができそうなこと。いろいろ話した。

入学まであと3か月か~。すごい楽しみである。


...






...

美味しいもの食べて気分がいいのかホワイトタイガーの肉の魔力のせいかはわからないがみんなテンションが高く、剣の稽古をすることになった。なぜだ、おいしいご飯食べて寝るでいいじゃないか。僕は母さんと見学でもしておこう。


ちなみに父さんはソロでAランク。母さんとペアを組んでからA++ランクまで上がったらしい。父さんは剣が得意で前衛。母さんは魔法が得意で後衛でバランスがよかったらしい。


父さんとサリウス兄さんが打ち合いをしている。

「ほらサリウス。足が止まっているよ。ほら軸がずれた、ただ動けばいいわけじゃないからね。」

的確にアドバイスをしていく。


「次はシリウスやるかい?」


「合格者特権を使ってパスします!」

父さんは肩をすぼめながらも許してくれた。


「じゃあスリウスとセリナやろうか」

父さん。双子ちゃん同時相手はきついぞ。そう僕が思っているうちに双子ちゃんは

「「はーい!」」と言って剣を振りかぶる。


「なっ!?」

あちゃー。身体強化を禁止にするの忘れてた。父さんがびっくりしている。でも元冒険者だけあってしっかり対処している。経験の差と体格の差がある分父さんのほうがまだ強いみたいだ。

でも父さんも身体強化を使っている。10分ほど打ち合って父さんが

「これぐらいにしておこうか」

といって切り上げた。さすがの父さんも疲れたみたいだ。双子ちゃんの才能を見てサリウス兄さんが張り切っている。そこで落ち込まないあたり流石だと思う。


...





...

風呂に入っていると父さんが入ってきた。

「スリウスとセリナに身体強化を教えたでしょ」


最初は口笛で誤魔化そうとしたけど湯舟にいたせいか空気を吐くしかできなかったので降参した。

「あの二人は才能がえげつないからね。将来英雄になるかもよ」


その二人に教えれる君も大物だよ、、、と父さんがぼそりとつぶやく。

「身体強化以外にもいろいろ教えていくつもりだよ。僕の学年は王族と五大貴族もいるし将来よくないことが起きる気がするんだ。だから何にでも対応できるように双子ちゃんは強くするよ。あの二人ならS++ランクも行けるよ」


(そこまで考えてるならいっか。確かに1つの学年に揃うのは何かある気がする。僕も気を付けないと。最悪うちの家族だけでも守れるように鍛えなおさないとな)

「いろいろ考えてるのはわかった。多分だけどシリウスは既に僕よりも強いんじゃないかな?」

驚いた。冒険者の感かなにかなのかと思っていると。


「これでも父親だからね」

ああ、親にはかなわないな。


「シリウスは僕より強いかもしれないけどそれでも僕は君の父親だ。なにかあったら相談してね。」

学園合格おめでとう。そういって風呂を出ていった。


風呂を出ていく父親の背中はすごく大きく見えた。





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