5話:使えないスキルを合成したら!とんでもないチートになった件
メニューを見たら数種類のパスタが書かれてあった。シンプルにペペロンチーノのサラダセットを注文した。店内を見るとお客さんで賑わってた。
少しするとメイド服を着た妊婦さんがパスタとサラダを持ってきてテーブルに並べた。
『お待たせしました。食べ終わる頃には、主人の手が空くと思うので……その頃にまた来ます。ごゆっくりどうぞ。』そう言って妊婦さんは仕事に戻って行った。
食欲をそそる、ガーリックの匂いがたまらずフォークを手に取った。
1口食べた瞬間にガーリックとオリーブオイル香りが鼻に抜けて唐辛子の辛味が舌を程よく刺激してベーコンのうま味が口いっぱいに広がっていく………
「何にこれ?………うまっ!!」
旨すぎて手を止めれなかったその所為で速く食べ過ぎてしまった……。悪いのは俺じゃない!!
食べ終えるのを確認した奥さんが食器を片付けに来てくれた。
『こちらのコーヒーはサービスです。すみません。あと、もうちょっと御待ちください。』
「ありがとうございます。ゆっくり待たしてもらうのでお気になさらず。」
その言葉を、聞いた奥さんは他席の片付けに向かった。
しばらくして俺以外のお客さんが帰り片付けを終えた夫妻がやって来た。店には俺と夫妻の3人だけだ。
『お待たせしました。こちら妻のミラーノです。私は今ナポリを名乗ってます。』
「鈴木です。昨日来たばかりでまだ………」
自己紹介が終われば一方的に2時間ぐらい、ほとんどのろけ話だった拷問だ!!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
のろけ以外の話では、異世界召喚には毎回実験テーマが有って、1回目は「異世界の古竜」を呼び出したが、いないものは呼べなかった。
2回目は「異世界の強い生物」を呼び出したら動物が2体と飼育の1人で力は有ったが、知識がなかった。
ナポリさんは3回目の召喚で「異世界の有名人」で呼び出された。ナポリさん以外の2人は女性で知識は有るが力がなかった。
ナポリさんが聞いた話では4回目は「異世界の………」を呼び出す予定で俺達が呼ばれた。1度召喚すると2年間呼び出せなくなるらしい。
田中さんも、戦闘力がなく俺と同じく国に捨てられ、この世界の住人ミラーノさんと出逢って今に至る。 国を出ないのはもうすぐ、子供が生まれそうだから国境まで旅はできないと。
その中でもこの、異世界に来て、1番の驚いた情報は…………………………………………………………………。
ナポリタンとオムライスが日本発祥の日本食だって事だ!!29年間俺はずっとイタリアン料理だと思ってた。
だかこの情報を異世界の人に、伝えても全く意味がないのが残念でしょうがない……!
それでお願いしたかった事と、言うのがこの世界の人は【ハーブ】や【香辛料】を使う文化がないので区別が付かないそうで………森で生えてるのを見つけて来て欲しいと。
で、今現在………片っ端から【アイテム鑑定】をして多少集まった。気が付けば夕方なので今日はこの辺で帰ろうとしたその時、後ろから…………
「あっっ!おじさぁ――――――――――――ん!!大丈夫だったのぉ?」
この異世界に巻き込んだ張本人の武田 日向がバタバタと走ってきた。その後ろを静かなのに存在感、半端じゃない上杉 美月が歩いてくるのが見えた。
「おじさん途中で、追い出されるんだもん。ビックリしたのぉ!!」
回りを確認ても俺以外に人がいないのだが………
「あなたの事とですよぉ。叔父さん。」
(……あれ?なんだろう?胸の奥がキリキリする……まさか、これが恋なのか………??それとも?……まさか??オジサンって言う異世界の精神攻撃魔法?!)
よく見るとさらに後ろに、山田 太郎が肩を落としヨロヨロと疲れ果てた足取りで歩いて向かってくる。
「ヘイボン遅いのぉ。遅すぎなのょ!」
「ホントにねぇ、何をしてもダメなんですねぇ!!」
散々な言われように山田 太郎、今にも泣きそうなんですけど!!
「じゃぁ―――おじさぁん。またなのぉ」
「それでまたねぇ。叔父さん」
山田 太郎、残して2人は、帰って行った。
………あれ、何故か?涙が頬を伝う…………
「おい、おい、大丈夫か?何があったんだ?」
『何だ、オッサンか!』
(……あれ?まただ何故か、胸の奥がムカムカする。今度こそ、これが恋なのか………?殺意なのか……?)
山田 太郎は俺の左側に来て、肩を組んできた。
『オッサン聞いてくれよ!あいつら、強すぎて俺も敵も全然、相手にならないんだよ。今さっきだって攻略に1週間かかるダンジョンを1日でクリアしてよ。付いていくだけでも、こっちは精一杯なんだよ』
「そうだったのか……お前も大変だな」
『オッサン分かってくれるのか………?オッサン良い奴だな……あっ!そうだいい物やるから手貸して』
俺の左手を取って、銀色の腕輪を手につけた。次の瞬間、腕輪が俺の手首にピッタリと吸い付いた!!ゾッとして全身に鳥肌が立った。
「おい。何だよこれ!!」
『それねダンジョンで見つけた《SSR》の腕輪、呪い付きだけど……』
「えっ?呪い??」
慌てアイテム鑑定してみた。
【反転封印の腕輪】《SSR》【呪い】
《スキルは自分自身にしか使えない》
【呪い】(装備は体の一部になり外れない)
ポケットから下級ポーションを取り出して見た。瓶に付いてたラベルが読めなくなってた……。【鑑定】・【分解】しても╳表示が出て使えない………。
腕輪を外そうとしても外れない…………。
「どうすだよこれ?何も使えないじゃないか!」
『ハッハハぁ………オッサンその顔、マジウケるぅぅ!』
……#……##……プチン俺の中で何かが弾けた……。
気付けば山田 太郎を殴っていた。だが殴った筈の右手に激痛が走る!?その姿を見た山田 太郎はニヤニヤしながら俺を豪快に殴りつけた……。
ドゴツッッ……鈍い音を立てと5メートル後ろの気に叩きつけられた。ステータスの差が違いすぎる!
『気持ちいい……オッサン、ストレス発散付き合ってよ。』
1歩……また1歩……と近づいてく来る…………… ヤバい…… このままでは……殺される……!手にした下級ポーションを飲み干し、必死に考えた。
俺があと使えるスキルは自分を、中心に使うスキル【全てを不幸にする者】《SSS》しかない……だが何が起こるか分からない!迷ってる暇もない。決意を固める!
姿勢を低くしてタックルそのまま抱き付いて【全てを不幸にする者】を発動させた!!自分を中心に50㍍ぐらい黒い煙が広がりすぐに消えた!えっ?それだけ??
黒い煙がすぐ消えたのを確認した山田 太郎は何も無かったかのようにまた、俺を殴り付けた。
バシ……バシ………あれ?
2発殴られたが、普通に痛いだけでそれほどダメージがないから!殴り返した。普通に殴れて手も痛くない!
何が起こったのか?山田 太郎も不思議な顔でこちらを警戒してる!お互い距離を取り………
『「ステータスオープン」』
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【名 前】スズキ・カイト (30歳)
【種 族】人間 (男)
【職 業】不幸な異世界人
【レベル】1
【魔 法】風魔法・闇魔法
【耐 性】風耐性・闇耐性
【スキル】
《N》
◾全てを不幸にする者(自分を中心に全てを不幸にする)
◾異世界言語(全ての言語を理解して覚える)
◾異世界収納(異空間に対象物を収納する。入れた対象物は時間停止・容量無限)
◾アイテム調合 (ランクN以内: アイテム・アクセサリーを分解・合成出来る)
◾アイテム鑑定 (ランクN以内: アイテム・アクセサリーを鑑定出来る)
【装 備】
◾【旅との服】《N》E
◾【反転封印の腕輪】《N》【呪い】
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『なんじゃこりゃゃゃゃ!!苦労して上げたレベルが1にスキルも《N》なってるじゃねか!』
えっ?レベルも?元々レベル1なので俺には関係無いがスキル・装備のランクが全て最低になってる!!これがスキル【全てを不幸にする者】効果なのか。!
真っ赤な顔で山田 太郎は右手を俺に構えて……
『炎の精霊よ。我が声に応え。敵を撃て。【ファイヤーボール】』
炎の固まりが、俺の体にぶつかり服を、燃やした。地面を転がって火を消したが……レベル1同士でも魔法はヤバい……俺、使い方知らないし。
『炎の……』
マジか!また魔法唱える気か!左手を胸に手を宛、何かないか探した……スキルを確認していたら。【異世界言語】に触れると【分解・合成】表示が現れた慌ててた、俺は【分解】の表示を押して分解してしまった……。
《C》
〘全て〙〘言語〙〘理解〙〘覚える〙
さらに慌てた、【合成】は、最高で3つ以内なのに4つに別れたからだ……考えてる暇はない。取り敢えず、3つ合成してもう一回、残りの1つを合成してみることにした。
慌ててる俺は適当に〘全て〙〘理解〙〘覚える〙
を選択して、【合成】した。
体、全体が光初めてどこからか声が聞こえた。
《《SSSSスキル》【全てを学ぶ者】を獲得しました。》
「えっ?………………?ホォースって何?」
気が付けば今にも、魔法が………
『………敵を撃て。【ファイヤーボール】』
焦ってた俺は炎の固まりを手で払った。するとまた……。
《【火魔法】を習得しました。【火耐性】【魔法耐性】を獲得しました。》
(えっ?えっ?何?)
困惑しながら辺りを見ると、世界がよく見える。
<【魔力感知】【魔力操作】【気流感知】【気流操作】【重力感知】【重力操作】【温度感知】【温度操作】【法則感知】【法則操作】【自然感知】【自然操作】【…】【…】【…】……………習得しました。スキルオーバーの為、全てを統合します。
《《SSSSスキル》【創造主】を獲得しました。》
ふとナポリさんとの会話を思い出した。
…………俺達が4回目に異世界召喚される事となった召喚テーマが……「異世界の神」だったらしい。
巻き込まれたんじゃなく、俺が巻き込んだのと気付いた…………
最後まで読んでくれて。ありがとうございます!
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