コウジエン
退屈だ…。
最近、俺は受験勉強に励むようになっていた。目的の大学に受からないと、将来も危ういし。
だが、受験勉強はそもそもテストの内容を予測しなければならない。予測してその問題を重点的に復讐しておけば、なんとか合格できるというものだ。
しかし、予測はめんどくさい。過去の問題を照らし合わせ、先輩たちにも意見を聞いて、それなりに情報をまとめなければ使えない。苦手科目はないが、全ての教科が平均的な俺としては予測に頼りたい。
どうしようかな…。
そう思いながら、ふと本棚を見ると、いつも使っている辞書「広辞苑」が、いつの間にか「コウジエン」に代わっていた。
(まさか…。)
神様が何か名案を授けてくれたのでは!?
そう思いながらページをめくると、そこには「努力」と「執念」と「合格を祈る」の三つの言葉しか載っていなかった。
しばらく俺は固まっていた。




