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第1話 なんだかとってもどきどきするね。(耳のところで、小さな声で。こっそりと秘密の話をするみたいに)

 ねこの耳としっぽのある世界で一番美しいめらお姫さまとおおかみの耳としっぽのある世界で二番目に美しいめら姫のお友達のがぶお姫さま。


 なんだかとってもどきどきするね。(耳のところで、小さな声で。こっそりと秘密の話をするみたいに)


 めら姫は一緒懸命きらきらと輝いている森の中を歩いていた。

 ねこになりたいって子供のころに思っていたこともあった。ねこは自由で、どこにでも行けて、好きなときにごはんが食べられて、好きなときに眠れていいなって思った。

 でも、本当に『自分がねこになってしまう』って魔法(というかこれはもう本当に呪いだと思う)をかけられてしまったときには、やっぱりねこにはなりたくないって思った。

 だからこうしてがんばって歩いているのだった。

 世界で一番美しい人は誰だと思うって聞かれたら、この国に暮らしているみんながめらめら姫さまだって言うだろうって思うくらいにめら姫さまはとても美しいお姫さまだった。

 年齢は十四歳。

 金色のふわふわした腰まである美しい髪に、白い肌をしていて、顔はとても小さくて、空みたいな青色の瞳はとても大きかった。

 お人形のような(あるいは天使さまみたいな)美しい顔をしていて、体の形も理想のように美しかった。

 背の高さは普通くらいで、足はとっても長かった。

 可愛らしいけど、どこか凛々しくて、その顔はねこっぽかったから、動物にたとえるならとても高貴な白いねこみたいだってよく言われた。(小さな子供のころはとくによくお城の中を走り回っていて自由気ままでねこっぽかった)

 そんなめら姫の頭の上には『ぴょこんと生えるみたいにして、二つの白いねこの耳があって、おしりのところには白いねこのしっぽがあった』。

 それは『ねこの魔法』で、めら姫は今、少し猫になってしまっていたからだった。

 このままなにもしないでほおっておくと、『めら姫はねこの魔法によって本当のねこになってしまうのだ』。

 めら姫は自分のねこの耳をさわってから、はぁーと大きなため息をついて、とっても悲しそうな顔をした。(なんだか泣いてしまいそうになった。なさけないけど)

 お母様からむかし、『悪いことがたくさんあったら、そうしたら今度はいいことがたくさんあるの。ちゃんと幸運と不運の天秤は釣り合っているのよ。だから泣かなくても大丈夫ですよ』って聞いたことがあるけど、本当かな?

 そんなことをめら姫は思った。

 がさがさとなにかが森の中で動く音がした。その音を聞いてぴくっとねこの耳を動かして、めら姫はその動きを素早くぴたっととめた。(その動きはなんとなく本物のねこみたいだった)

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