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死の森へ

【藤堂桃香】


 私はクラスメイトの島根鈴と杉田崇の3人と、帝国の支援部隊、第14騎士団の騎士達と死の森を移動していた。


 例の美少女は、高ランクのランダムトラップという死の森の深層のみにランダム転移するデストラップに投げ込まれたから、本来ならば何処にいるかとか、生きているのかすら分からない状態なのだが、何故か神様には場所や生死も分かるらしく、極力安全なルートで例の美少女を連れ帰るようにと神様からのお告げがあったらしい。


 神様が勇者候補として異世界転移してくれた人材を死の森へ捨てたのは第三王女なんだから、第三王女が例の美少女を探しに行けば?と言いたかったが、たぶん殺されるから、言うのは我慢した。


 なんで私達が第三王女の失態をカバーしなくてはいけないのかと思う……しかも、命懸けの。



 そう言えば、クラスメイトの島根鈴と杉田崇は勇者候補ではないが、固有スキルが優秀なので、勇者候補の予備軍という位置づけのふたりだ。


 島根鈴は、全ての能力値を多少上げてくれる【オールバフ】と小さな怪我なら完治してくれる【ヒール】、状態異常を治してくれる【キュア】を覚えてる便利な支援系で、固有スキルはCランクの【器用貧乏支援】という良いのか悪いのか判断しにくいスキルだ。


 そして、杉田崇は身体が硬くなる【剛体】と盾を上手く使える【盾術】、攻撃が一切相手に効かないマイナス効果の【攻撃無力】、【神聖魔法】をもつCランク固有スキル【プチパラディン】という【パラディン】の劣化スキルである。



 まあ、私の【魔刀召喚】よりは汎用性があるかもしれないけど、2人ともお荷物と裏で呼ばれていて、私を含めて厄介払いに使われた気がする。


 騎士団がいなければ、逃げていたんだけど、流石に死の森まで来たら逃げられない。


 まだ死の森の低層エリアだからか、出てきたモンスターは、私の【魔刀召喚】で出した魔刀で真っ二つに出来ているから、今のところは被害が出てない。


【魔刀召喚】の利点は何本でも出せる他、硬さを調整出来るのは有り難い。


 私に鍛冶の知識があれば、きっと斬れ味も劇的に変えられるんだろうけど、私には刀を振るう能力しかないから、硬さを変えるのが限界だった。





 ★


 死の森に入ってから3日目。


 死の森の中層エリアに入っているけど、すでに騎士団の半数は亡くなり、【プチパラディン】の杉田くんも治せないレベルの怪我を負い、右腕は無くなって、付いてくるのがやっとだった。


 目的地の深層へ行くには、まだ距離があり、引き返すなら今だなと思っていた。


 私と島根さん、杉田くんは引き返したいけど、騎士団の団長と副団長が第三王女に忠誠を誓っていて、引き返す気がないのが厄介だった。


 しかも、団長と副団長の強さはBランクで私が2人を同時に相手するのは厳しいから、倒して逃げる事も出来ない。



どうしようと悩んでいたら、予想外の事が起きた。

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