通販
僕はいつものように騎士達に捨てられたのだが、今回捨てられた場所は、また違う場所だった。
神様や第三王女の行動は、繰り返していても、ほとんど一緒なのに、騎士達の僕を捨てる場所だけが違うのは何故だろう?
僕は手足の縄を切ってから、精霊に現在地を聞いてみる。
『ここも深淵の森内ですが、例のエルフ族の村まで近いですね。人族のカノンは攻撃されるかもしれないけど、行ってみますか?』
「え……攻撃されるのは嫌だな。人族とエルフ族って、そんなに仲が悪いの?」
僕としては、攻撃されないのならエルフの村に行ってみたいな。
『理由はわからないけど、人族とエルフ族は仲が悪いです。好物の果物があれば攻撃されないかもしれないですが、たぶん深淵の森にはないメロンという果物ですからね』
「エルフ族はメロンが好きなの?」
『そう聞いていますよ』
「メロンかぁ……そう言えば、【通販】にメロンとかあるのかな?」
僕は神様よりもらった新Sスキルの【通販】を発動する。
【通販】を発動すると、何もない空間が開き、パソコンみたいな機械現れる。
パソコン画面にはカミゾンと書いてあり、キーボードを使って調べたいモノを探せて、神気を消費して買い物が出来る便利スキルだ。
【通販】は使ってみて思ったが、まさに禁忌指定スキルだなと思った。
だって、地球に売っていた商品がたくさんあるのだ。
メロンだって50種類以上ある。
とりあえず、僕はカップ麺を15sで購入してみる。
すると、すぐに何もない空間からカップ麺が現れる。
「おおおお!! カップ麺!」
森の中では叫んではいけないんだけど、久しぶりのカップ麺に思わず叫んでしまった。
そして、精霊魔法でお湯を作り、3分たったらすぐに食べ切った。
うめええ!!
マジでカップ麺が美味しすぎて、涙が出てきた。
これが15sだけで買えるなんて、安すぎないか?
僕の神気は530万あるから、35万個も食べられる。
しかも神気は体内で増やせるから、使い切らなければ無限に神気は使えるなんてすごい。
まあ、精霊の湖から神気を吸えなくなったのはショックだけど……。
【通販】があったなら、精霊の湖から離れなかったんだけどな。
「メロンは僕のスキルでいくらでも出せるから、エルフ族の村に行ってみようかな」
『えっ!? メロンがあるの!?』
「うん」
僕は精霊にも【通販】についての説明をしたんだけど、地球育ちじゃないと、パソコンとかネットの理解すら出来ないから、精霊がわかるように話すのは大変だった。
『それじゃあ、エルフ族の村に案内するね!』
【カノン】
固有スキル
EX無限増殖Lv1 《残機無限》
S通販Lv1
A鑑定Lv4
A魔眼Lv5《魔術眼》《魅了眼》
《精霊眼》
スキル
BテイムLv45《眷属召喚》《眷属同期》
《眷属念話》《眷属収納》
神気運用法
神気…5,397,164ss
眷属
蒼スライム《スラリン》超再生
白銀スライム《リラ》思考加速
漆黒スライム《ヴィラ》暴食
中級精霊《16体》
下級精霊《574体》




