湖の外へ
深淵の森に捨てられて186日目。
僕は湖周辺を未だに離れておらず、ずっと精霊の【テイム】とスキル上げをしていた。
【カノン】
固有スキル
EX無限増殖Lv1 《残機無限》
A鑑定Lv4
A魔眼Lv5《魔術眼》《魅了眼》
《精霊眼》
スキル
BテイムLv45《眷属召喚》《眷属同期》
《眷属念話》《眷属収納》
神気運用法
神気…5,376,164ss
眷属
蒼スライム《スラリン》超再生
白銀スライム《リラ》思考加速
漆黒スライム《ヴィラ》暴食
中級精霊《16体》
下級精霊《574体》
湖の精霊は全て【テイム】を完了して、【テイム】がレベル40のときに覚えた【眷属収納】で全ての精霊を僕の体内にある異空間に収納している。
精霊は僕の体内に収納すると個体という概念が薄れ、集合体へと変化していき、個体でもあり、集合体でもある特殊な精霊になった。
そして、精霊を【テイム】したことにより、何故かスライムの【テイム】が出来なくなってしまい、未だに眷属スライムは3匹だけだった。
【スライムの主人】という称号があるのに、称号が仕事をしていない……。
精霊の話では、僕の身体はほとんど精霊化してしまった影響で、モンスターであるスライムを【テイム】出来なくなってしまったらしい。
既に【テイム】している3匹は、神気を食べて聖物になっているらしく、僕の眷属でも問題ないが、通常モンスターには耐えられないとの話だ。
しかも、スキルレベルもほとんど上がらなくなってしまったので、湖周辺でやれる事はなくなってしまった。
スキルレベルも、ランクが高いほど上がりにくいんだと推測する。
【無限増殖】は使ってないから、スキルレベルが上がらないのは仕方ないが、AランクスキルとBランクスキルは同じペースで使っているのに、圧倒的にBランクの方が高いから、きっとそうだろう。
そろそろ湖を離れるタイミングかもしれない。
というか、流石に草と果物だけの生活は嫌だ。
肉が食べたい!
ジャンクフードが食べたい!
塩分のあるものが食べたい!!
……ヤバい、考えれば考えるほどジャンクなものが食べたくなってきた。
『ねえ、カノン。本当に湖から離れるの? 湖の外にいるモンスターは強いよ?』
精霊が僕を心配して話しかけてくる。
うん、分かってる。
僕は弱いからね。
「それでも草や果物以外が食べたいんだ」
動物系のモンスターも食べられるらしいし、本当はスライムも食べられるらしいが、僕としてはスライムは仲間や家族に近いので、スライムは絶対に食べる気にはならない。
『そっか。私達の精霊魔法が、役に立てば良いんだけど、外のモンスターには微妙かもしれないよ』
「そうなんだ……」
僕としては、精霊魔法を当てにしていたんだけど……スライムと精霊は僕と似て弱いのかもしれないな。
僕の【魔術眼】も精霊魔法より弱いからな……とりあえず、チャレンジしてみるか。




