表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

1

 宇宙生命体ルガーの来襲により未曾有の危機に陥った日本。

 混迷極める時代に、突如として巨大な城が現れた。

 緊張状態が続く中、ゆっくりと城門が開かれ、そこから漆黒のドレスに身を包んだ幼女が登場した。


『えー、諸君共。我が名はアルル。我はこの世界を救いに来た。このままではこの世界は滅びるだろう。しかし、我に忠誠を誓うのなら救いの道を示してやってもよいぞ』


 アルルが声高々に宣言すると、国民は彼女を神と崇めた。

 アルルは超常的なパワーを持っていた。

 彼女は見た目こそか弱そうな幼女であったが、彼女が行使する力は本物であった。

 さらには、彼女の傍に常に侍っている異形の魔物達。

 魔物達は主人の傍で睨みをきかせ、人々を威圧した。

 やがて、人々は畏怖の念を込めて彼女をこう呼んだ。


 "魔王様"と――。




「くくく、それにしても容易いのう。少しばかり力を使って脅してやったらあっさり降伏しおったわい」


 豪奢な椅子に腰掛けたアルルは相貌を崩した。


「流石です、魔王様」

「"先の戦"では不覚をとったが、この世界では本気を出さずとも天下を取れそうじゃ」

「お言葉ですが魔王様、油断は命取りになります。この世界、どんな敵が潜んでいるかも分かりません。それに……」

「なんじゃ、言い淀んで」

「魔物達の餌が必要です」

「なんじゃ、そんなことか」


 アルルはつまらなそうに頬杖をついた。


「まあ……七日に一度ほど狩らせたらよいじゃろう」

「何をです」

「その辺にいる人間じゃ」





 光が満ちる空間で、八人の少女が円形で向かい合っていた。


「なになに、あの騒ぎ。今度は宇宙人でも来たの?」

「宇宙人っていうか、魔王だって」

「宇宙人だか魔王だか知らないけど、挨拶もなしに日本の敷居を跨ぐなんて礼儀がなってないよね」

「その魔王ってやつ、なんか悪いこと企んでるっぽいよ」

「それは鼻持ちならないよね〜」

「鼻持ちならないよね〜」

「正義の名のもとに退治しないとね」

「そうだね。正義の名のもとに!」

「正義の名のもとに!」

「「鉄槌を!」」




 宇宙から突如飛来した怪物ルガー。

 それらはたちまち攻撃活動を開始し、日本の文明を崩壊寸前にまで追い込んだ。

 そんな時、彼女達が現れたのだった。

 彼女達は日本屈指の聖域である大日照神社の遣いであり、数々の奇跡とも言える超能力を行使した。

 その力でもって忽ちのうちにルガーを殲滅すると、彼女達は英雄として持て囃された。


 やがて人々は、羨望と敬意を込めて彼女達をこう呼んだ。


 "魔法少女"と――。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ