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私のご主人様  作者: 篠原
2/5

あなたと歩く散歩道

・相変わらずの意味不明さ

・犬って何


以上が大丈夫そうならどうぞ!

先日からご主人様は家にいない。


「聡美はね、おばあちゃんの家に行ってるの。だから帰ってくるのは明後日になるわね」


そう言っていたご主人様の母親は、久しぶりに元気のない私に少々苦笑いをしながら告げた。


散歩も餌やりも、すべてご主人様によって世話をしてもらい、寝る場所もご主人様が私に自ら進んで提供してくれた。

かわいい人形が並び、部屋を彩る小物もあちこちにおいてある。シンプルだがとてもかわいらしいご主人様の部屋は、いつもならば何てことない空間なのに、ご主人様が居ない今とても広く寂しい空間へと変わり果てた。


私はどうしてもそこに居づらくて、寝るとき意外はほかの部屋で過ごした。


ご主人様の母親がくれるご飯も、散歩も、すべてが味のない、色のないモノクロの世界のように感じ、一人の夜はとても長く感じられた。


そして次の日、昼ごろ部屋で母親の近くに座っていた私の耳に、聞き覚えのある足音が聞こえた。

すぐさま立ち上がり玄関へと向かうと、そこには


「ただいまー!!あれ、コロ。久しぶりだね!」

「あら、お帰り聡美。おばあちゃんの家はどうだった?」


久しぶりに姿を見ることができた、私のご主人様。

その姿を見た瞬間、衝動を抑えきれず飛びついてしまった私を、ご主人様はその暖かい腕で抱きしめてくれた。


「とっても楽しかった!!ん?どうしたのコロ、なんかいつもより元気がないね?具合わるいの?」

「ふふっコロはね、聡美が居なくて寂しかったのよ。散歩も餌もいつもの半分しかしてないものね」

「そうなのコロ?寂しい思いをさせちゃってごめんね」


いいえ、いいえ。ご主人様が謝る必要はありません。すべては弱い私のせい。

それでも優しく撫でてくれるその気持ちに、その手に甘えてしまって、なんと情けない。


「じゃぁ久しぶりに散歩にいこっかコロ!帰ったらしっかりご飯を食べようね」

「ワンッ!」


そう言ってリードを取り出し、首輪につないで、荷物を降ろして母親に元気よく「いってきます!」と言って、私はご主人様と一緒にいつもの散歩コースをたどる。

そこは先日のような色のないものではなく、自然たちの織り成す色鮮やかな世界を取り戻していた。






貴女が私の世界を彩る唯一の人なのです。



お題はここからお借りしました。

http://207.noor.jp/

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