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delete
あぁ、イライラする
アイツさえ居なければ
眉をひそめてしまう気持ちと戦いながらパソコンに目を落とした
deleteキーが目に入る
アイツが消えちゃえばいいのに
願いながらdeleteキーをポンと押す
もちろん、アイツは消えたりなんかしない
だってアイツふてぶてしい野郎だし
こんな風に考えている自分に「ぷっ」と吹き出してしまった
ふてぶてしいアイツ
イライラさせるアイツ
アイツ以外にもあの野郎もこの野郎も
わたしの中には存在する
deleteキーで忌々しい奴等を消してしまいたい
でも、もしそんなことが出来てしまったら
わたしはその罪の重さに耐えられなくなるだろう
だから、気軽にポンと押す
それだけでいい
お陰でちょっとだけ気分が晴れるんだから
