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 真っ赤なカーペットが敷かれたロビーの、人気のないグランドピアノの陰を選んで、そっと潜り込む。

「ここなら音楽も聴こえるし。間違えても平気」

「は、はい……。その、よろしくお願いします」

 彼は微笑んで、恭しく手を差し出し。

 その仕草がワインのように気分を乗せて、わたしは演劇部時代を思い出して、お姫様役の子がやっていたようなお辞儀をしてみせたりして。




 抱きしめられるように囲われるのは。

 身体を揺らされるのは。

 なんだか本格的に、酔ったような心地になるもんだ。




 小さく、顔を寄せてくる彼に、訊いてみる。

「あの。あたしちゃんと踊れてるかな」

「……」

 あれ。

 はっと我に返るような声がする。

「すみません。その。少し……見惚れていました」

「……」

 だからそのさりげなくぶっこんでくる甘ゼリフ、やめろ……。




「とても、上手ですよ。主様」

「フフフ。ハーヴェイはいつだって、あたしを嬉しくさせるのが上手だね」

「俺は心からの言葉しか口にしたことはありません。素敵です。……ずっとこの時が続けばいいと思ってしまうほど」

「——」



 不覚にも今、同じことを思った。


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