第6章 執事と主様、飲み会に行く①
「主様。おはようございます」
朝の日課一、執事の優しい声にて起床。
「今日は気持ちのいい青空ですね。どうぞ、こちら、お目覚め用のローズティーでございます」
朝の日課二、執事と朝食。
「主様の髪は指どおりがよくて、心地いいですね。素敵です」
朝の日課三。主に髪を梳かれながらの化粧・身支度。
「おや、まだお仕事開始まで少し時間があるようですね。早めに起きられて、主様はほんとうに偉いです。では少しニュースでも見ながらのんびりいたしましょうか」
朝の日課四。執事とまったり。
「はぁ……」
ハーヴェイのとなりで、二杯目の紅茶を飲む至福の時。
すっかり執事のいる生活に慣れてしまった……。
ふと横を見ると、彼が楽し気に笑みを浮かべてスマホをいじっている。
こちらはこちらで、この世界のツールにすっかり慣れてしまっている。
「なに見てるの?」
覗き見たら、あっと慌てた顔をされた。
「あ、主様。これは。まだ編集中ですので……!」
編集? 気になるワードででてきたな。
あんたユーチューバーでもやるのか。
執事ハーヴェイの優雅な日常とか? 案外ありそうで怖いな。
「いいから、見せてよ」
無理やりスマホを奪って――絶句した。
ハートが二つ並んだ、フォトグラフっぽい背景。
二つのハートの一つには、ハーヴェイの美麗なイラストと。
そしてもう片方には。
「のおおお。これ……」
よだれをたらして薄ら目の三十路女が移っている……!
断じて認めたくはないが、認めるしかない。
「これ、あたし……」
ザ・公開処刑。
「勝手にすみません……。ただ、かわいくて……つい……」
こんなの誰かに見られたら……死ぬ!
推しキャラとツーショット写真編集してるなんて、イタすぎる。
「いいから即消して!」
にべもなく言うと、ハーヴェイは死刑宣告でも受けたような顔になった。
「あ、主様。それはあんまりです。せっかく、きれいにできたのに……! とくに、主様のショットが……」
どこがきれいなんだどこが!
「消さないと絶交だからね!」
「そ、そんな……!」




