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 ふしぎな同居人ができて、数日が経過したある日。

 編集部から呼び出しがあった。

「ちょっと出かけてくる」

「お供します」

 当然のように身支度を整えようとするハーヴェイを制する。



「今日はちょっと、一人でじっくり考えたいから」

「そうですか……。あまり遅くならないように注意してくださいね」

「お昼過ぎには終わるから、大丈夫」

 軽く手を振って、アパートを出た。

 電車に揺られて三十分強。

 ついたビル街を歩きながら、漠然と考えるのは生活費のことだ。



「やっぱりもう少し、仕事増やすか……」

 小説の仕事が数件。

 短時間週三日とはいえアルバイトもしているとなると、なかなかにスケジュール的に厳しいが……。

「小熊さん、お久しぶりです。すみません、わざわざお越しいただいて」

 などと考え事をしながらいつの間にか、編集部についていた。

 担当の男性が、机ごしに、なにやら用紙を手渡しながら切り出す。

「現在制作中の作品の打ち合わせに入る前に、お話がありまして。今日お越しいただいたのもその件に関してなのですが」

 ふむ。

 いつも打ち合わせは電話かネット通話で済ませているので、どうしたのかなと気になってはいた。

 何気なくプリントに目を通し――固まる。

「ほのさんがネットで連載されている、別の小説を新たに書籍化を目指したいと考えております」

「——!」



 マジか。

 頭の中が停止する。

 今現在の仕事は、ウェブ連載一つに文庫本の仕事がちょこちょこ。

 それも今の今、生活費に困っていたところなのだ。

「引き受けて、くださいますか?」

「もっちろんです‼」

 なんとしてでもこのチャンス、ものにしたい……!


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