01話 でかい犬と出会い
1学期も終わり夏休み初日俺は近所のファミレスからの帰路に就ていた。
夏休みが始まる少し前から付き合い始めた里奈とランチを食べに行っていたのだ。
念願のリア充の仲間入りをしたことを実感しながら、上機嫌で歩き家の前に着いたときある家にある違和感を覚えた。
「あれ、ドアが開いてる」
鍵を閉めるの忘れるのはまだ分かるがドジな俺でもドアを全開にしたまま外出することはないだろう。
親は今海外に出張しており今家に出入りするのは俺だけだ。となると考えられるのはただ一つ泥棒だ。
でも万が一今警察に通報して本当は自分で締め忘れただけでしたなんてのは恥ずかしすぎる。やはり
泥棒が家にいることを確認してから通報しよう。
念のために家の庭にある木の棒を手に取りドアの前に立ち玄関を見た時あることに気づいた。
「あれ、犬の足跡?」
空いたドアから入ったのかな?そう思いながら慎重に家の中に入る。もし泥棒に出会ったら木の棒で
やっつけてやる。そんなこと思ったとき。
「ワン!!」
「キャーーー」
びっくりしすぎて女の子みたいな悲鳴を出しながら尻餅をついてしまった。
恐る恐る声のほうを見ると白いふさふさしてそうな綺麗な毛並みおでこにはなにか変なマークがついているでかい犬がいた。
何が起きているのか分からない。犬が喋った!?
その犬は俺のことじっと見つめながらいきなり片足を地面に叩きつけた。
その瞬間、目の前に不思議なゲートみたいなものが現れ、それに俺は抵抗する間もなく明るい光に包まれ吸い込まれてしまった。