御主人はどうするの?
お父さんを護送中、兵士達全員が襲い掛かって来る。
私はそれを防ぎ戦うも、皆は全然諦めてくれないの。
これが死んだ家族の為になるって本気で思っているみたい。
日をまたいでも移動しても何度も何度も襲ってくるから、私は天使様に願ったの。
この人達を助ける方法はないのかなって。
その願いは届いたみたい。
新しい召喚をして皆に家族の幽霊を呼び出してあげたんだ。
彼等の説得で涙する人達。
全員剣を手放したんだ。
そして護送が完了し、お城に戻った私は云われた通りお掃除を頑張ったよ。
またルシフェリア達のためにコッソリ会いに行かせなきゃ!
「お久しぶりですお師匠様、実はちょっと頼みがあるんですけど、聞いて貰えませんか?」
と、私の部屋にやって来たのは前に色々教えてあげたプラム・オデッセイっていう女の子だよ。
ちょっと前に兵士達の新人トーナメントで優勝した子なんだ。
私はブレードバード隊に入っちゃったから、違う隊のプラムとはあんまり会う機会がなかったんだけど、今日は何か頼みがあるみたい?
「なにー?」
「はい、詳しくは言えませんが、是非御主人さんを貸してほしいのです! どうでしょうか!?」
(ほえ?)
「御主人を貸すのー? 何で?」
でも御主人は大事なんだから簡単に貸したりしたくないの。
「詳しくは言えないのですが……」
「何でー?」
私はプラムの目をジッと見つめ続けたよ。
「うぅ、言ったら貸してくれるんでしょうか……」
「いわなかったら貸してあげないもーん! ね、御主人!」
(いや、僕はどっちでも。たぶん変なことじゃないんだろうし)
御主人はそれでもいいみたい。
でもその声はプラムには分からないんだよ。
私は御主人をきゅっと抱きしめながら待っていると、
「はぁ、分かりました。言いますよ、言えばいいんでしょ。その代わり絶対内緒でお願いします!」
ちゃんと説明してくれるんだって。
私がコクって頷くと、プラムが口を開こうとしているよ。
「実はですね、ブルービースト隊は主にイブレーテ様に付き従うことが多くてですね。前に私が師匠に師事していたことを知られてですね。えーっとその……自分が頼んだことを知られずに御主人さんと一緒にピクニックに行きたいってことでして」
「えー、私も呼んでくれればいいのにー」
「師匠には知られたくないんですって」
「御主人、どうするのー?」
(僕は行ってもいいよ)
もう一度聞いてみても御主人の返事は一緒っぽいの。
「私と一緒じゃないと嫌なんだって!」
(そんな事は言ってないんだけど)
私は御主人の口をムギュっと押さえたよ。
「あー、それは困りましたね。では今回の話しはなかったことに……」
プラムがちょっとあきらめ気味になった時、
「話は聞かせてもらったよ! 僕もお姉ちゃん達と一緒にピクニックに行きたーい!」
「そんなの私も行きたいわ!」
そう云って部屋に入ってきたのは、お供のグリフを引き連れたシャーンとルシフェリアなの。
「ならば合同ということで如何でしょうか。それならばこのグリフもお三方も御守りしやすいですからな。それに、イブレーテ様も御主人殿と一緒になる機会も作れましょう。プラム嬢、どうですかな?」
「あー、まあ良いのではないでしょうか……たぶん」
プラムは曖昧な返事をしている。
でも良いってことで良いんだよね?
「じゃあ明日は皆でピクニックだねー!」
『おー!』
私達はピクニックの準備を始めたの。
一番大事なご飯の用意、後はおやつ、とジュースと携帯食料、いっぱい持ったんだ。
完璧に用意して私はその時を待ったよ。
そして次の日の朝。
皆でお城の入り口に皆が集まったの。
シャーン、ルシフェリア、イブ、それとグリフとブルース、プラム、後は護衛してくれる兵士の皆。
「何故こうなった……」
「あの、すみませんイブレーテ様……」
でもイブはちょっと機嫌が悪そうな感じ。
まあでも他の皆が楽しそうだからいっかなー。
「よし、皆の者準備は出来たな。さあ楽しいピクニックに出発だ!」
グリフの掛け声で隊列が動き始めたの。
今から向かうのはユーロスの丘って場所。
強いモンスターとかも居なくて、綺麗でのんびりしたところなんだって。
私もお昼寝できそうかなぁ?
ゴトゴトゴトゴト馬車に揺らされてお昼寝する前に眠っちゃった……。
(モモ、到着したみたいだよ。起きてモモ)
「ふええ……?」
御主人に起こされると、けっこう大きな丘が見えていたの。
こんもり盛り上がっているけれど、なだらかな小さなお山って感じの場所で、周りは日差しの通るような林があるよ。
視界もそんなに悪くないし、何かあればすぐ分かるんじゃないかな?
「やっと着いたね、じゃあ皆でご飯を食べよー!」
(まだ着いたばっかりだよ?)
「大丈夫だよ、私お腹空いているもん!」
ご飯のカバンを取り出して。
……あれ、無い、どうしたんだろう?
あ、そうだ、荷物専用の荷車に載せているんだったね!
私は馬車の中から飛び出し、持って来た荷物の下に向かったんだけど、
「何でないのおおおお!」
せっかく用意してあった私のカバンが何処にも見つからなかったんだ。
詰め込み過ぎてボールみたいになっていたからコロンっていっちゃったのかなぁ?
周りを見渡したけど、近くに落ちている感じはない。
それに今まで寝ていたから何処を通って来たのかサッパリだったよ。
折角作ったご飯が全部台無し……すごく悲しいの。
でも、まだ大丈夫!
私には天使様が付いているんだもん。
いつも助けてくれる天使様、私にご飯を用意してください!
美味しいご飯をお願いします!
そんな感じですっごく必死にお願いすると、心の中にピカッと輝くものを感じたよ。
それでね、空からまん丸い物が落ちてきたんだ。
かなり大きい、お弁当かなって受け止めようとしたんだけれど、自分の体が全然動かなくなっちゃった。
迫ってくるあれは……。
(あ、タライだ。何でタライ?)
「いたーい!」
ゴーンって頭の上に落ちて頭がグワングワンしちゃったんだ。
「えっと、モモお姉ちゃんは一体何をしているの?」
「さあ、遊んでいるんじゃないかしら?」
シャーンとルシフェリアは心配もしてくれないよ。
「おや、このタライに何か書いてありますな」
「えー、なにー?」
グリフが見つけた文字を見ると、私用に使ってはいけませんって書いてあったの。
うーん、天使様に怒られちゃったみたい。
これじゃあご飯が食べられないよー。
(えっと、モモ、大丈夫?)
「大丈夫じゃないよ、すっごく痛いよ!」
こうなったら現地調達するしかないよね。
「御主人、探しに行こう!」
(え、何を?)
「ご飯を探すんだよー!」
私は周りの気配を感じ取って食べられそうな物を探すの。
これも違うし、あれも違う、ハッ、あれならいけそうかも!
「それじゃあ行こうよ御主人!」
私は御主人に手を伸ばそうとしたんだけれど、
「何処へ行くモモ、リッヒスタイナーは置いて行ってもらうぞ!」
「あー、お師匠様、そういうことなんでお願いしたいんですけど」
それをイブとプラムが止めて来たんだ。
そういえば御主人と遊びたいって云っていたんだっけ。
うーん、本当は嫌だけど仕方ないから貸してあげようかな。
二人ともお友達だもんね。
御主人が良いのなら!
「御主人は私と一緒に行くよねー?」
(えーっと、どうしようかなー……)
即答してくれると思っていたけど、ちょっと迷っている感じ。
「来ないのー!?」
(いや、行かないとは言っていないけど……どっちも断り辛いというか……)
「どうやら行きたくないようだぞ。もし私と来るならば美味しく優雅で豪勢な食事を提供してやるぞ! さあ、私の下に来い、リッヒスタイナー!」
「えー、私と狩りに行くんだよー。新鮮なお肉をガブッてやろうよー!」
(……僕、決めたよ、イブについて行く! だって生肉とかあんまり食べたくないし!)
「わーん、御主人の意地悪!」
(ごめんね、今回だけだから)
うー、御主人に見捨てられてしまった。
こうなったら美味しい獲物を捕まえて見返してやるしかないよね!
「じゃあちょっと行ってくるねー!」
私は林の中に入って行ったの。
サッと見渡しもう一度気配をさぐると……あ、見つけた!
手頃な大きさでピョンピョン飛び跳ねているよ。
見つからないように移動して、
「獲ったよー!」
「きゃあああああああ!?」
獲得した兎っぽいものは大きな悲鳴を上げちゃったんだ。
家猫のモモ
御主人(ヒロ)
王子シャーン
王女ルシフェリア
王女イブレーテ(長女)
シャーンのお母さんテルナ
爺
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




