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私はこれから大掃除(四章終了)

 お父さんを助け帰ったけれど、私達は兵士達に捕まってしまったの。

 連れられた玉座の間でお母さんに怒られて、一ヶ月の掃除を命じられちゃった。

 しかもお父さんを国外追放にしちゃうんだって。

 せめて最後まで、そう思った私は護送隊に立候補したの。

 直ぐに集められた四十二人、そのままお城を出発したんだ。

 何事もなく終わるのかなって思ったんだけど、三日目の夜に騒ぎが起きた。

 馬車は静かに移動させられ、周りには四十人の兵士が剣を向けたいたの。

「退けえええ、邪魔をするなああああ!」


「こいつを殺さなければ家族が浮かばれないんだ!」


 どれだけ傷を負っても、どれだけ倒しても、何度も何度も何度も何度も、立ち上がって剣を向けてくる。

 もしも私達がお父さんを連れ帰らなければ、こんなことにはならなかったかもしれない。

 辛すぎる試練だけど、それでもここを越えなくちゃ。


「てえええええい!」


「ここを通りたければ拙者達を倒して行くがよい!」


 私とブラッククロウは、皆の体力が尽きるまで戦いを続けたの。

 剣を地面に突いても起き上がらなくなったのは、明け方を迎えてちょっと過ぎた頃だよ。


「はぁ、はぁ……ようやく終わりましたかな」


 一緒に戦っていたブラッククロウも相当辛そうな感じ。


「大丈夫?」


「全然大丈夫ではありませんが、これ以上ここに留まることも出来ないでしょう。手早く移動してしまうのが吉かと……」


「うん、そうだね」


 私達は御主人を連れてきて直ぐに馬を繋いだの。

 直ぐに離れなきゃまた襲ってくると思うけど、でもこのまま置いて行くのも可哀想だよね。

 出発の直前に白猫ちゃんを呼び出して皆の傷を回復してあげたんだ。


 でも誰も感謝なんてしてくれない。

 ただ罵倒が轟くの。

 それを聞きながらこの場所を出発したんだよ。


「モモ殿、よろしいのですか? 体力が戻ればまた襲い掛かって来ますよ」


「その時はまた戦えばいいよ。何回だって、私は勝つもん!」


 それから何度もの襲撃が繰り返される。

 不意打ち、正面から、私達に休みを与えないように何度も何度も。

 ちょっとフラフラになりながらバスカルの断罪峠前。

 撃退した兵士達が地面に倒れて私達を見上げているの。


「例え他国に引き渡そうと、俺達は奴を狙う、何度もな! サッサと消えろ、護衛如きが!」


「消えろ、消えろ!」


 この人達は何をしても絶対に諦めないみたい。

 このままじゃ何も変わらないよ。

 どうにか気持ちを変えられる方法はないのかな?

 御主人を見ても、フルフルって首を振っているの。

 分からないってことだよね。


 私は皆で幸せになりたいんだ。

 ねぇ天使様、皆を救う方法はないのかな。

 お願い私に彼等を救う力を!


「力をくださいな!」


 私は空に向かって叫んだの。

 届け、届けって願いを込めて。

 モクモク雲が流れていく。

 空は真っ青、お天気ピカピカ。

 その輝きが私の体に降り注ぐんだ。

 新しい言葉を紡げと暖かな心が叫んでいるよ。


「猫猫召喚……白黒のハチワレちゃん!」


 唱えた呪文が形となって私の前に現れた。

 この子は白毛と黒毛が合わさったハチワレちゃん。

 ニャーっと鳴くと、皆の前に大事な人達の姿が現れたよ。

 子供、親子、恋人、友人、時にはペットなんかもね。


 彼等はちゃんと意思をもって彼等に語り掛けたんだ。

 復讐なんて望まない、皆にはちゃんと生きて欲しいって。

 その声を聞き、じっくりと話しをして、その気持ちが緩和して行くのが分かったよ。

 ガランと剣を落として全員泣き崩れてしまったの。


「モモ殿、反省したとしても彼等は女王陛下の命に背きもう国に帰れぬ身。そこで一つ、提案があるのですが。今回のことは全て見なかったことにしませんか? 何も無ければ彼等は何の罪も犯していないのですから。もちろん、モモ殿が宜しいのならば、です」


「うん、いいよー!」


 私は直ぐに返事をしたの。


「ということだお前達、ちゃんと国に戻ってくるのだぞ!」


 彼等は何も返事をしない。

 ただ泣いたままなの。


(モモ、ここはそっとしておこうよ。後は彼等の問題だよ)


「うん、そうするよ」


 私は皆の傷を癒してバスカルの断罪峠に入ったんだ。

 ワイトロウに手紙を渡して事情を伝えると、お父さんの引き渡しが完了したんだよ。

 これで私達の仕事はお終い。

 でもちょっと疲れちゃったかな。

 今日はここでお休みしよーっと。


★

 お城に帰った私達。

 護送は終わったけれど、私の仕事はなくならないの。


「それではモモ様はこちらへ」


 お母さんとの約束の通り、この瞬間からお掃除に駆り出されることになったの。

 メイドや友達のルーカに連れられて色々な場所のお掃除を指示されたんだ。

 手の届かない天井とかシャンデリアの裏っかわも、キュッキュって拭いて綺麗にしたよ。


 それにね、外壁もしろっていわれたからキャットスレイヴを伸ばしてやっていたんだけど、自分の手でやらなきゃダメなんだって。

 すごく大変だけど、また皆と遊ぶためにも、このまま一ヶ月間いっぱいいっぱい頑張らないとね。

 そしてそんな掃除の期間も終わりを告げると、


「モモ、そろそろお父さんのところに連れて行って」


 今度はルシフェリアの頼み事。

 きっとバレたら怒られちゃうんだろうけど、それはもう望むところなの。

 私はもう覚悟を決めているんだ。


「はーい!」


 だからピョ―ンと跳んで返事をしたよ。

 ずっと夜だと辛いから、今度はアリアにも相談して昼に時間を取ってもらおうかな!


「あ、お母さん達もお父さんに会いたいって云ってたよ。出来ればこっそり連れて行ってほしいって」


「それはちょっと大変だなー」


 今度からはもっと大変になりそうかも?

家猫のモモ

御主人(ごしゅじん)(ヒロ)

王子シャーン

王女ルシフェリア

王女イブレーテ(長女)

シャーンのお母さんテルナ

爺(グリフ・リスマイヤー)

青鎧のブルース・グライブス

教育係アリア・ファイリーズ

赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)

桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)


ベノム(ブレードバード隊、隊長)


ルーカ(孤児)

プラム・オデッセイ(里帰り中)

ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)


クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)

シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)


剣と魔法の世界 ミドレイス

翼の生えた子供 ウリエリア

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