龍王鉄銀がほしいの
妖精さんの案内で森であればごく普通の風景の場所。
そこで妖精さんがいっぱい出て来てアンブロージアの花を咲かせてくれたの。
一つだけ千切ると、後三十分で消えちゃうって云われちゃった。
私と御主人は急いでお城に戻ってアリアに手渡した。
花の中からドッキリ―って出てきた妖精さん。
アリアはその妖精さんを掴まえて魔力を搾り取るんだって。
それでベノム達の状況を知り、ワイトロウの居る断罪峠に向かったんだよ。
「うおおお、これは銀、それにこっちには金がまじっているぞ!」
「それだけじゃない、こっちには宝石の原石がゴロゴロだ。これだけでも当面の生活費は心配しなくてもすむぐらいだ!」
と、入り口の方では色々見つかっているっぽい。
でも私が欲しいのはそういうのじゃなくて龍王鉄銀っていう物なの。
それを見つけない限りは掘り続けなきゃなんだよ。
「たあああ!」
そのまま続けていたんだけれど、
「モモ殿、一旦手を止めてください。こちらの手が足りません。このままでは洞窟が詰まってしまいます!」
ワイトロウの付き人であるワニの人が声をかけてきたの。
(モモ、一度戻って向こうを手伝おうよ)
「うん、そうするよー」
あっちの瓦礫の中にもあるかもしれないしちゃんと調べてみないとね。
一旦手を止めて瓦礫を砕いたりしていたんだ。
皆が云う通りに色々な物が出てきたんだけど、目的の物は中々見つからないよ。
私達はちょっと休憩して久しぶりの蛇肉を御馳走されたの。
とっても美味しかったけど、途中で天気が悪くなってゴロゴロピシャ―って雷が鳴り始めちゃった。
「ワイトロウ様、大変です、この近くに雷竜が向かって来て居るという情報が!」
そして見張りの人がこの場所に慌ててやって来たんだ。
「なに、雷竜が出ただと? 何故こんな辺鄙なところに、とにかく至急対策するのだ! ここに下りるならば追い払わなければ!」
とワイトロウが云っているけれど、
「ねぇねぇ、私、雷竜の角が欲しいんだ。手を貸してもらってもいい? 龍王鉄銀とそれが要るんだよー」
(お願い!)
私と御主人は自分の意思を伝えといたよ。
「……雷竜は強敵、怪我人が多くでるかもしれない。それでも恩人に報いるべきだと俺は思う。お前達もそれでいいか?」
命令口調じゃなくて頼み込むような言葉。
皆が頷いて採掘作業は一旦中止されちゃった。
それでね、雷竜を迎え撃つ準備をしたんだよ。
「御主人はここで待っていてね」
(うん、帰ってくるのを待っているよ)
私は拠点に御主人を残して外で待っていると、ビシャーン、ドカーン、ゴロゴロって雷の音が近づいてくる。
その音を鳴らしているのは雲の中に居る蛇みたいな黄色い体のやつだ。
あれ、でも近くにあるこの気配ってもしかして?
「うおおお、そろそろ倒れやがれ!」
この叫び声、やっぱりベノムのものだ。
じゃあこの雷竜が狙っていた奴なのかも。
「ベノム、こっちに連れてきてー!」
とにかく声をかけてみようって大きな声で叫んだの。
「あ!? お前モモか、何でここに。って聞くまでもねぇか。丁度良い、お前も手を貸せや!」
「はーい!」
私は飛べないから攻撃するのはちょっと大変だ。
キャットスレイヴを構えて一気に伸ばしてみたよ。
でも剣が到着する前に雷竜は移動しちゃうし、ドンドン重くなって持ちきれなくなっちゃった。
何か倒れそうになっちゃったから元の剣に戻したの。
うーん、跳んでもあそこまでは届かないよね?
これじゃあどうにもできないかも。
「ねー、全然届かないよー!」
「はぁ!? じゃあ俺がどうにかするしかねぇじゃねぇか! 分かった、直ぐに倒してやるからそこで待ってろや!」
それでベノムが雷竜に接近して攻撃したりしているけれど、雷竜は全然落ちてこないんだ。
他の皆も指をくわえて見ているしかないの。
矢も届かないんだよ。
うーん、他に方法はないのかなぁ?
あ、そうだ。
手で持てないなら足場にしちゃおう。
私はキャットスレイヴを地面に突き立てギュイーンって伸ばしてみたよ。
ドンドン雷竜に近づいて行くけど、雷の波動が剣に伝わってビリビリするの。
直撃したら焦げ焦げになっちゃいそう。
タイミングよくジャンプしていたらなんとかならないかな?
「ベノム、来たよー!」
「中々大がかりだなおい。まあいいや、とにかくやっちまうぜ」
「分かったよー!」
ベノムが注意を引き付けるように攻撃している間に、私は足場を伸ばして接近を試みたの。
雲から現れる雷竜の大きなお腹。
雷をピョ―ンと避けて爪とキャットスレイヴの同時攻撃だよ!
ザシュって切り裂くと雷撃がバリバリって弾けたの。
体がギュッと縮みこむような感覚はちょっと耐えられない。
少しだけ動けなくなって足場から転落しちゃったよ。
流石にここから落ちたら死んじゃうかも。
でも大丈夫!
ダメージがあってもそれだけだよ。
私は頭を働かせて近くに足場を移動させようと……。
「危ねぇなおい、こんな所から落ちたら死んじまうぞ!」
「あー、ありがとうベノム!」
その前にベノムが私の手を掴んだの。
直ぐに足場に下ろされたんだよ。
それじゃあもう一回、攻撃開始だね。
私は雷竜を見定め、
「たああああ!」
って突撃したんだよ。
でもね、キャットスレイヴが途中で伸びなくなっちゃって。
「あれえええ!?」
私は足場がなくなって転落しそうになっちゃった。
「おいいい、お前は何をやってんだ!」
「うーん、これ以上伸びないのかも?」
もう一度試してみてもピクリともしないよ。
「ってことはあれか、攻撃手段がないってことだな。しゃーねぇ、じゃあ俺がお前の足になってやるぜ」
「いいのー?」
「お前の方が攻撃力があんだろうが、手ぇ貸せや!」
「はーい!」
ガシッと掴まれ浮かぶ私。
もう足場は必要ないよね。
私はキャットスレイヴを元の剣に戻したんだ。
「いいか、電撃が来たら避ける。だが無理そうならお前を手放して俺だけ避ける。まあ安心しろ、落ちる前に受け止めてやる。そしたら二人共安全だぜ!」
「えー、全然安全じゃないよー」
「しゃーねぇだろうが、二人とも食らったら地上に真っ逆さまになるんだぜ。ちょっとぐらい我慢しろや!」
ちょっとじゃないんだけれど、まあその時はその時考えよう。
「うーん、分かった、頑張るよー!」
私はそう決意して落ちてくる雷を避けながら雷竜に向かって行ったよ。
今のところは避けられているけど、攻撃したらまたビリってくるよね。
だったらやっぱり一気に角を切り落とすしかない。
「ベノム、頭に向かって」
「おう!」
ゴロゴロ轟く雲を抜け、ビュンと移動しその場所へ。
頭は見えないけれど、大きな角が二本見えている。
「私ちょっと行ってくるねー!」
私はベノムの手をグイっと引きはがし雷竜の首に着地した。
足元から静電気みたいなのがバチっとする。
吹き荒れる風、足元も不安定だけど、もう目標の物は目の前だ。
「いくよー!」
ダッと踏み出しキャットスレイヴを真横に一閃。
「グギャアアアアア!」
雷竜の悲鳴が上がり、スッパリと切断された角が落ちて行くの。
私はそれを追ってジャンプし、
「ベノム、助けてー!」
ガッチリ両腕で確保したよ。
「考えなしかおい!」
それで落ちて行く私をベノムがしっかり捕まえてくれたの。
「頑張れー!」
「見て分かんねぇのか、しっかり頑張っているわ!」
応援してみたけどなんか怒られちゃったよ。
角が大きくて重いから辛いみたい?
そんな時、雷竜の視線がこっちに向いたの。
角を切られてすごく怒っている感じ。
口を開けると中にバチバチって雷が集まってくる。
「不味い、このままじゃ避けらんねぇ。モモ、急降下するぜ!」
それでベノムが私を抱えたまま下りるというより落ちて行くの。
上からは満を持して放たれた雷竜のブレス。
ドンドン迫る地面、迫ってくる雷光。
「ここまでか!?」
ベノムはちょっとあきらめ気味。
でも私はまだまだ諦めてないんだ。
キャットスレイヴを投げ上げながら大きな盾になれーって念じたの。
バチバチってブレスが盾に当たって止まっている。
「助かっ……ってねぇぞおい。盾ごと押されてんじゃねぇか!」
「にっげろー!」
でもちょっとだけブレスの速度が遅くなったから私達は脱出できたんだよ。
家猫のモモ
御主人(ヒロ)
王子シャーン
王女ルシフェリア
王女イブレーテ(長女)
シャーンのお母さんテルナ
爺
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




