わらわらとゾンビ出現中
ディズ(ベノム)の気配を探って長ぼそい建物に到着した。
その建物から丁度出て来たから下りて話しを聞きいたよ。
リュネの父親が魔道具を作る部署で働いていたと知らされてディズはお城に潜入するんだって。
私は待っているように云われたけれど、次の日のお昼になっても帰ってこなかったんだ。
やっぱり行ってみなきゃってお城に向かったらちょっと変な感じがしたの。
正門にも誰も居なくて見張ってる人もほとんど居ないみたい。
丁度良かったから窓から侵入してみると、中はゾンビで溢れかえっていたんだ。
よく分からないけれど、とにかくディズと合流しなきゃ。
奥に進んで行くと、エントランスホールみたいなところでゾンビの大群に出くわしたんだよ。
千を越えそうな大量のゾンビが我先にと私に向かってくる。
でもあんまりにもギュウギュウ詰めだから、バタバタと倒れたり二階から落ちてくるゾンビに潰されたりと中々カオスな状態だよ。
そんな中に私は足を踏み入れたんだ。
「多すぎるよー」
本当に多いけど、私は全然大丈夫。
一気にジャンプして長く伸ばしたキャットスレイヴを支柱にして足場にしたの。
そこから飛び出る無数の刃がほとんどのゾンビをバラバラにしたんだよ。
余った奴も軽く倒したんだけど、やっぱりウニウニ動いて復活しちゃいそう。
うーん、剣じゃ死なない感じなのかな?
弱点を調べてみるのもありなんだけど、まあ今はいいかなー?
私はディズの気配を探ってもっと奥に進んだんだよ。
「ここかも?」
到着したのは三メートルぐらいの大きな扉の前。
気配は近いし他に行けそうな場所はないみたい。
グイっと扉を引いて開けてみようとしたけど、やっぱり鍵がかかっている?
私はまたザシュっと斬ってその中へ飛び込んだんだ。
ここは玉座がある部屋みたい。
でもやっぱりゾンビだらけ。
もしかしてディズもゾンビになっちゃったのかも?
折角知り合ったばっかりなのに、ちょっと可哀想。
まだ方法は分かんないけど、私の手でちゃんと倒してあげないと。
「ディズ、ちゃんと供養してあげるからねー!」
決意して剣を抜くと、
「おい、コラ、俺を勝手に殺すな!」
「あ、見つけた!」
ディズは部屋の上にあるシャンデリアに掴まって休んでいたんだよ。
その顔と姿はこの国の兵士っぽい感じに変わっているけど声と気配は同じなんだ。
他にも二人の生き残りが居るみたい。
派手派手なドレスを着た女の人と立派なマントと衣服を着た男の人だ。
「丁度良いぜ、来てくれたんなら手を貸してくれ。まずはこいつらを倒すんだ!」
「うん、わかったよー」
私はキャットスレイヴを振って数十体のゾンビをサッとやっつけちゃったんだ。
「倒したよー!」
「おし、よくやったぜ」
それを見てディズは一緒に居た二人を抱えて下りてきたよ。
「こんなのも倒せなかったんだー?」
「バカ云え、滅茶苦茶倒してたわ! 何度も何度も何度も何度も、数えきれねぇぐらいにな! それでも復活しやがるんだからしょうがねぇんだぜ!」
「ふーん?」
「テメェ、信じてねぇな!」
「何でも良いよ、早く帰ろー」
「そうしたいところだけどな、この城は大量に湧いちまったゾンビ対策で封じられて……ってお前どうやって入って来た?」
「えー、壁をズバって斬ってだよ?」
私は手で壁を斬るような仕草をしてみたよ。
「防御魔法を普通の剣で斬るなんざ無理だが、まさかお前、魔剣を持っているのか?」
「うーん、分かんない。でもこれ国宝なんだってー」
シャーンのお母さんから貰ったキャットスレイヴはとても便利に扱えるんだ。
「なるほど、希望が見えてきたぜ。じゃあここから脱出して……ってダメだ。下手な所に穴を開けたら町にゾンビが溢れ出ちまうぜ。まずは脱出経路の確認からだな」
私とディズが話していると、
「おい貴様達、まずはここから移動しろ。またゾンビが復活するではないか!」
「そうだ、早く移動するんだ。これは余の命令だぞ!」
一緒に下りて来た女の人と男の人が声をかけてきた。
結構偉そうな感じだからもしかして?
「ああはいはい、やりますよ。その代わり約束は守ってもらいますからね。マグナトリス様、王妃様。で、何処に行きます?」
やっぱりこの国の王様だったみたい。
「行くべき場所は決まっている! この城の祈りの間だ!」
「ええ、あそこには脱出通路がある。さあ急ぎなさい!」
その二人は私達に命令してくる。
やっぱり怖いから焦っているのかな?
「俺達はその場所を知りませんから、案内はよろしく頼みますよ」
「当たり前だ、余の安全のためなのだからな!」
「早くしなさい!」
「へいへい、じゃあ行きますか」
それから私達はこの部屋を出て祈りの間っていうところに向かうことになったよ。
うろうろしているゾンビを倒しながら奥へ、奥へ。
その間に聞きたいことを聞いてみようかな。
「ディズ、何であの部屋から出なかったの?」
「元々あの部屋にはゾンビなんていなかったんだよ。助けた奴の数人がゾンビに咬まれていてな、周りの奴に襲い掛かってドンドン増えちまったって訳だ。助けられたのはこの二人ってことだぜ」
「ふーん」
私は後を歩いている二人をチラッと見た。
「ふん、余と妻を助けるのは家臣の務めである。死んでも本望であろう」
「ええ、そうでございますね」
二人はそんな感じで笑っている。
こんなのを護って死んだなんて、ちょっと可哀想だと思っちゃうよ。
「で、このまま真っ直ぐでいいのかよ?」
「うむ、突き当りにある部屋を抜ければ直ぐだ。さあ行け、早く進め!」
それで突き当りの部屋の前。
扉が閉まって何かが動く気配も感じないけど、警戒はしておこうかな。
「じゃあ開けるぞ」
ディズが扉を開けたんだ。
ここは部屋の中に小さな池が作られてその中にガーゴイルの像がある小さな部屋。
他には窓もなくて煉瓦の壁だけだよ。
奥には扉があるけどここにはゾンビは居なさそう。
でも周りからは声が聞こえてくる。
ここも安全じゃなくなりそう。
「おし、じゃあ入るぜ」
「待て、余と妻が先に入らせてもらう」
「ええ、それが宜しいですわ」
ディズの言葉を王様とその王妃が前に進んで行く。
私達も入ろうとしたんだけれど、
「ああ、貴様等、ちょっと二人っきりで休ませろ。なに、五分程度でかまわん。貴様等ならそのぐらい余裕だろう」
「ええ、気が張り過ぎて狂いそうですもの。そうさせていただきましょう」
何か勝手に決められちゃったよ。
「脱出してからゆっくりした方がいいんじゃねぇんですか?」
「バカか貴様は、無事に脱出したとしてもこの城はもうダメなのだ。これまで暮してきた思い出というものがあるだろう。それを懐かしむ時間をくれと言っているのだ!」
「はぁ、分かりましたよ。五分だけですからね」
ディズは言い方にちょっとイライラしてるみたいだけど、受け入れちゃったみたい。
「あ、やるんだ?」
「しょうがねぇだろ、王様の命令なんだからな。ま、五分程度なら何とかなるだろ」
「では精々頑張ってくれ」
王様はそう云って扉を閉めて鍵までかけちゃったんだよ。
「先に言っておくが、お前が噛まれても殺していくぜ」
「大丈夫だよ、絶対噛まれないもん」
私はキャットスレイヴを伸ばしてゾンビが入って来ない柵を周りに作ったんだ。
十メートルぐらいあるから手も届かないよ。
「……なるほど、その剣便利過ぎねぇか?」
「うん、すっごく便利だよ!」
それから五分間やってくるゾンビを倒しながら待っていると、二人が入った部屋の中からグゴゴゴゴって音が聞こえてきた。
「おい、何かあったのか?」
ディズが部屋の中に呼びかけても、どちらからの返事もなかった。
悲鳴とかは聞こえなかったけど、気配が遠ざかって行くきがするよ。
やっぱり何かあったのかな?
でも入れないように鍵がかけられているから、私はキャットスレイヴで軽く扉を切り裂いたんだ。
崩れ落ちた扉の奥には二人の姿は見当たらないよ。
「……もしかしてあれか、俺達は置いて行かれたのか?」
「そーなの?」
「ちょっと奥の扉を見てみるぜ!」
ディズは部屋に入って奥の扉を開けたんだけど、
「うおおおお!?」
目の前にゾンビが居たみたい。
分かっていたけど言えばよかったかな?
でも怪我はないみたい。
振り向いて襲われない内に急いで扉を閉めて鍵をかけたんだよ。
「こっちには行ってねぇか。じゃあこの部屋の中に仕掛けがあるってことだぜ。おい、そっちの扉に柵を作っといてくれ、俺は何かないか探してみるぜ!」
「はーい!」
私はさっきと同じように斬った扉のところにキャットスレイヴで柵を作り出したの。
その間にもディズは空中に浮かびながら天井や壁を隅々まで探しているよ。
まずは絶対無さそうな所を潰している感じかも?
このガーゴイルが怪しいと思うんだけどなー。
濡れるのは嫌だけど、ちょっと水が出ている口のところに手を突っ込んでみよう。
グッと手を伸ばすと、奥にスイッチみたいな物があった。
ポチっと押してみたらゴゴゴって近くの壁が動き出したんだ。
「あ、あったよー!」
「よし、でかしたぜ!」
でも直ぐに閉まりそうだったから、私達はその通路に入ったんだ。
家猫のモモ
御主人(ヒロ)
王子シャーン
王女ルシフェリア
王女イブレーテ(長女)
シャーンのお母さんテルナ
爺
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




