そこにある危険
私と御主人は自分の部屋に帰ってアリアとお話ししたんだよ。
それでもしかしたら前に関わっていたグラファア・ズ・ドラグライムって人が関わっているんじゃないかってことで可能性の在りそうな場所を調べに行くことにしたんだ。
そこはグリフ達と行ったことのある町の奥にある穴倉の住処ってところだった。
パッと移動して探したけれど、やっぱり見つからなかったんだ。
帰ろうとした時に子供が声をかけてきたよ。
その子はビュート、前に私が呼び出した猫ちゃんを拾ってくれた子だったんだ。
その時鐘が鳴り、穴の中から人が出て来て配給される食料を貰いに行ったみたい。
チャンスだということで見えていなかった穴の中まで見てまわったよ。
そして目的の穴を見つけたんだ。
「じゃあ行くねー!」
私はアリアとビュートを抱え上げて町の大きな壁を飛び越えようとしたんだ。
「え、俺もおおおおお!?」
「ごめんねビュート、つい運んじゃったよー」
と、言いながらピョ―ンとジャンプして町の外に着地した。
「あー、ドキドキした」
「仕方ないですね。モモさん、責任をもってビュートさんを護ってあげてくださいね。もちろん私も」
「はーい!」
私は軽く返事をして御主人が来る方向を見たよ。
もうすぐ壁を越えてこの場所に到着しそうな感じ。
そのまま動きを見ていると、私達が居る地点を越えてまだ先に進む……あれ、バックした。
あ、分かれ道があったのかな、別方向に行くみたい。
何度か方向を転換しながら近くの草むらの中に入って行ったよ。
そこには小さな穴があって、
(ぷはぁ、やっと出れた! すっごく狭くて迷いそうだったよ!)
グニグニと体を揺さぶる感じで御主人が出て来たんだ。
「御主人、おつかれー!」
「お疲れ様、御主人さん」
「えっと、お疲れ様?」
すごく頑張ってくれたから皆でなでなでしたよ。
(モモ、後で体を洗ってね。この通り、土だらけになっちゃった)
「うん、一緒に入ろうねー!」
私は御主人についた土を手でパッパッと払ってあげた。
「とにかくこれで侵入経路が発見できましたね。帰ってお城に報告を……」
皆で帰ろうとした時、
「うわああああ!?」
近くに居たビュートが悲鳴をあげた。
何が起こったのか直ぐにわかった。
突然私達の周りに四匹のモンスター現れたんだ。
体が緑でグニャグニャの触手がいっぱい生えた奴だ。
パッと見は植物みたいだけれど、普通に意思を持って動いている。
そいつにビュートが捕まっちゃったよ!
「ビュート、今助けてあげるからね!」
私は胸のペンダントを変化させて剣にした。
ビュートを捕まえている触手を切り裂き助けられはしたけれど、直ぐに再生して元に戻ってしまったよ。
「ありがとうお姉ちゃん」
「うん、なるべく離れないでね」
「この辺りでは見た事のないモンスター……。やはり目撃者を消すための罠を用意していたのでしょう。モモさん、被害者が出る前に全て倒してください!」
「じゃあやっちゃうね!」
私は剣を四方向の敵に分岐させ、
「たあああ!」
頭上からビュンっと振り下ろしたよ。
これで真っ二つ!
とか思ってたけど、むしろ悪化している感じ。
「うわ、分裂しちゃったよ」
二つに割れたモンスターが普通に再生して八匹になっちゃったよ!
だったら四本の倍の倍の倍だ!
スッパリバッサリ二度三度、細かく刻んでやったんだけど、
「うわわ、お姉ちゃん、もっとモンスターが増えてるよ!?」
「えー、これでもダメなのー?」
その欠片がムニムニ再生して同じ大きさのモンスターになっちゃったよ。
八体だったものが百体ぐらいになってる感じ。
このまま続けても同じかもしれない。
もしかしたら何処かに弱点があるのかも?
でも大丈夫。
私には相手の弱点を見抜ける子を呼べるんだ。
私は二人を抱えて逃げながら心の中にある力を感じ取り、
「猫猫召喚、幸せの黒猫ちゃん!」
私は黒猫ちゃんを召喚したよ。
肩に乗ったその子はジッと敵を見つめてニャーっと声を出して消えちゃった。
弱点は炎なんだって?
「そんなの私、使えないよー」
「どうしたんですかモモさん。何かあったんですか!?」
事情が分かっていないアリアが私に尋ねてきた。
「えっとね、あのモンスターは炎が弱点なんだって。でも私そんなの出来ないんだもん」
「なるほど。……それならいい方法がありますよ。封印した妖精の力をモモさんに解放します。それを使えばきっと倒せるはずです」
妖精の力って、さっきアリアが封印した炎の力かな?
「……アリア、でもそれどうやって使うの?」
「モモさんならきっとできます。そう私は信じております!」
(まあつまり、自分で考えろってことだよね。かなりの無茶ぶりだけど、モモなら大丈夫、だと思うよ!)
「えー!」
うーん、出来るって云われてもどうすればいいんだろう?
わかんないけどやるしかない!
「ではいきます、封印解除!」
ぼっと出て来た火は空中に浮かんで燃え続けている。
でもまるでロウソクの火ぐらいに小さいものだよ。
これを当てたとしてもそんなにダメージはないかもしれない。
「たあああ!」
とりあえず何かしてみようと、その火にぶつけるように剣を当ててそのまま攻撃してみたけれど、敵が分裂して一体増えちゃっただけだったよ。
これじゃあ全然ダメみたい。
敵が増えるし攻撃は効かないしでどうしようかと悩んでいると、
「あそこだ、あそこにモンスターの集団が発生しているぜ! いいかお前等、手柄を上げるチャンスだ! 全部ぶっ潰してやりやがれ!」
『おおおお!』
見張りから聞いたのか、ベノムとブレードバード隊の皆が駆け付けたんだ。
剣を抜いて皆やる気満々そう。
「んじゃ、俺が一番乗りだあああ!」
その中から真っ先にベノムが突撃して来た。
私が止める間もなく剣でバッサバッサ倒して多くのモンスターや触手がバラバラになって……。
「うおおお、何だこりゃあ!?」
「あー、増えちゃうよー!」
さらに倍々に増えちゃったよ。
皆切ったら増えるって気が付いたみたいだけれど、襲われるから応戦してもっと数が増えていく。
「ぬぐ、こいつはちょっと天敵すぎるぜ。しかも退くに退けねぇし。どうするんだこれ!」
「ベノム隊長! どうするんですか、退いた方が良いんじゃないですか!?」
「リカルド、俺達が退いたらこいつらが町に向かうだろうが。それは無しだ無し!」
ベノムも困っている。
せっかく知り合った皆もこのままじゃ怪我をしちゃうよ!
どうにか助けてあげたい。
この火を使って何かしなきゃ!
その焦りの心が心臓を高鳴らせる。
きっと出来る、絶対出来る!
今なら何かが起こるはず。
紡ぐんだ言葉を。
心の中から出てくる言葉を!
「猫猫召喚、勇ましい虎猫ちゃん!」
私が呪文を唱えると、空中に渦のような物が現れた。
その中から強そうな虎猫ちゃんが飛びだしたんだ。
ニャオーンと力強く叫ぶと、キャットスレイヴの剣身が輝いたよ。
虎猫ちゃんが云うには剣に力を与えたんだって。
よく分からないけれど、きっとこの火を使えるやつだ。
私はキャットスレイヴの剣先に火を当ててみたよ。
剣身がボっと燃えて吸い込まれるように赤くなった。
きっと火の力が与えられたんだと思う!
だから、こんなモンスターになんか負けないんだ!
「にゃあああああ!」
バシュっと斬ってみるとモンスターの体がメラメラと燃え始めたよ。
攻撃が効くのならもう逃げる必要はないんだ。
剣をビョーンと伸ばして大きく周りを切り裂いた。
周りに炎の壁が出来て、他の奴が熱さを嫌って離れて行く。
ここは少し暑いけれど、もう入っては来ないかな。
「御主人、アリア、ビュート、ここでちょっと待っててね」
私はそこに三人を下ろしたんだ。
「ええ、モモさんお気をつけて」
「お姉ちゃん、俺、応援してるよ!」
(モモ、がんばってね!)
「うん、行ってくるね!」
それからズバットシュパッとモンスターを切り裂いてまだ戦っている皆の下へ。
敵と仲間が混雑しているけど見えているから大丈夫!
「たあああ!」
剣を無限に分岐させモンスターの上へ降り注がせたんだ。
それだけで全部燃えてなくなっちゃった。
「おお、流石俺の部下だぜ、よくやったなモモ! 今日は特別に隊を上げて歓迎会をしてやるぜ! 良い物食わせてやるから期待してろよ!」
「わーい!」
ご褒美にベノムからご褒美がもらえることになったんだよ。
どんな物が食べられるのかとっても楽しみだ!
家猫のモモ
御主人(ヒロ)
王子シャーン
王女ルシフェリア
王女イブレーテ(長女)
シャーンのお母さんテルナ
爺
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




