邪悪な妖精
火災から助けた子供のお母さんに事情を聞き、炎の妖精を捜してみることに。
私はリーズとカリンのことを紹介してベノムと一緒にギルドに向かったんだよ。
そのギルドで丁度お昼ご飯を食べてたから一緒に食べながら手を貸して貰えるように説明したんだ。
お腹いっぱいになったところで手を貸してくれるって云ってくれたよ。
そして人捜しの法って魔法を使って居場所を発見したんだ。
私とベノムは南にある造りかけのお屋敷に向かい、妖精が居る部屋に突入した。
だけど、その妖精は部屋の中を溶岩みたいにして待ち構えていたんだ。
逃げ場まで塞がれそうだったけど、キャットスレイヴを使って捕まえることに成功したんだよ!
妖精を捕まえてもドロドロの部屋は元には戻らない。
支えを失ったように崩れ始めた。
こんなの浴びたら火傷しちゃうし、早く脱出しないとだね。
「おいおいおいおい、部屋が崩れるぞおい! 逃げるぞ、掴まれ!」
慌てたベノムが私を連れて開いた場所から脱出したんだ。
後ろを見ると部屋が完全に崩れて火の手が上がっているよ。
置いてきた御主人がちょっと心配だけど、たぶん大丈夫だと思う。
融けてたのはあの部屋だけだし、窓も全部開いてるもん。
直ぐに助けに行ってあげたいけれど、キャットスレイヴが持てないぐらいに熱くなったんだ。
だから私は剣をポイっと投げ捨てた。
何も無い地面に落ちたから何か燃えることはないかな。
「お前、それ国宝だろ!? 簡単に投げ捨てるな!」
「でも持てないんだもん」
「そりゃそうかもしれんけど……。まあやったことは仕方ねぇな。あの妖精死んでないだろうな?」
と、私達は地面に下りた。
籠のようになったキャットスレイヴがぼうぼう燃えているよ。
「ま、騒ぎを聞きつけた誰かが鎮火しに来てくれるだろう。今はコイツのことが重要だぜ」
ベノムは閉じ込められた炎の妖精を見下ろしている。
でも私はそんなことより、
「私、御主人を迎えに行ってくるね!」
待たせていた御主人を連れて来ないと。
「待て待て、お前が離れたらこの剣、元に戻ったりしねぇだろうな!?」
「たぶん大丈夫だよー!」
私は適当に答えると、気配を辿って走って行く。
でもそこに着く前に、御主人が近くの窓にピョンと乗って出て来たよ。
やっぱり無事だったみたい。
(モモ、ここだよ。怪我がないみたいだね、無事でよかった)
「うん、バシッとやっつけちゃったよ!」
私は胸で受け止めて御主人をスリスリしたんだ。
フカフカでいい感じ。
(あれ、ベノムは?)
「あっちに居るよ、捕まえた妖精を見張ってるんだ」
(そっか、じゃあ急がなくちゃね)
「うん!」
戻ってみるとベノムが妖精が居る場所を触ろうとしている。
でも熱くて触れないみたい。
「やっと戻ったか、早くこれを運んじまうぞ」
「……うーん、どうやって?」
こんなの手で掴みたくないよ。
「そりゃお前……気合を入れてだな。ガッと掴んでダッと行けば何とかなるんじゃねぇのか?」
「そっかー、じゃあお任せするねー」
「……分かった、別の方法を探そう」
ベノムは直ぐに諦めちゃった。
「まあ火に直接ふれなきゃ木でもいけそうだとは思うが。壊れた家に何か良い残骸でもねぇかな?」
「うん、探してみるね!」
私は屋敷の壊れた部分に落ちていた木材を拾って自分の爪でサッと引き裂いてお箸を作ったんだ。
同じ感じで同じ長さの綺麗なお箸だよ。
我ながら上手く作れたと思う。
これで挟めばたぶん大丈夫!
御主人が使っていた所を見た事あるもん!
(モモってお箸使えるんだっけ?)
「うーん、こんな感じ!」
ビシィッと持ってみたものの、先端がVの字になってぐちゃぐちゃだ。
これは思った以上に難しい。
もう一回やってみても無理みたい。
(これ無理じゃない?)
「かも?」
(とにかくベノムに渡してあげよう。何とか使ってくれるかもしれないよ)
「そうしてみるね」
私はお箸を持ってベノムの下へ。
はいっと渡してみたんだけど、
「こうして……こうやってって、出来るかぁ! こんなんじゃ物量的に持てねぇだろうが! 指が酷使されちまうわ! もういい、誰か来るのを待ってからにするぜ!」
折角作ったお箸をぶん投げちゃったんだ。
それから暫く待っていると、
「あ、隊長とモモ殿じゃないですか! まさか二人で火をつけたんじゃありませんよね!?」
リカルドが数人の隊員を連れてこの場所にやって来た。
「ちげぇよバカ野郎! 俺はなぁ、こうして原因を退治したところなんだ!」
と、捕まえた炎の妖精を指さしている。
「私が捕まえたんだよー?」
「おう、二人でな!」
「隊長が活躍していなかったのは分かりましたが、とにかく火を消してしまいましょう」
「火を消すのには同意するが、俺だって全然活躍してたんだからな!」
『はいはい』
と、他の隊員達にまでスルーされているみたい。
「お前等、後で覚えてろよ!」
とてもいい関係なのかも?
私も上手くやって行けそうな気がするよ。
それから消火作業が行われて完全に鎮火すると、炎の妖精の運搬作業が始まった。
皆の服とかタオルとかでキャットスレイヴをグルグル巻きにして、お城まで運んで行ったんだ。
邪魔にならないお城の訓練場に下ろしたよ。
ちょっと燃えちゃいそうなこともあったけれど大丈夫だったんだ。
「先ずはコイツの炎をどうにかしないとな。おい、この中で封印魔法を使える奴は居るか?」
全員ふるふると頭を横に振っている。
そういうのは使えないみたい。
「しゃーねぇ、使える奴を呼ぶしかねぇな。おい、アリア様を呼んでこい」
「えー、アリアってそんな魔法使えるんだ?」
(ちょっとびっくりだね)
私と御主人は知らなかったから驚いたよ。
「あのな、アリア様はお前の教育係かも知れんが、王立魔法アカデミアを最年少で卒業なされた優秀な方なんだぞ。攻撃魔術に関しちゃほぼ使えないらしいが、魔導学、魔導薬学、封魔術に関しちゃこの国の誰よりも上手いんだぜ。それに俺より偉いんだ!」
「ふーん」
いっぱいものを知ってるのはそういうことだったんだね。
ということでアリアがお城の中から呼び出されてこの場所に来たんだよ。
「あらモモさん、何故ここにいらっしゃるのですか? 何時もならお部屋でゴロゴロしているはずでは?」
それで私がここに居るのを不思議がっている。
「私ね、今日この隊に入隊したんだよー」
「……なるほど、それではお勉強はどうするのでしょうか。これは陛下がお決めになったことなんですよ。サボられては困るのですけど」
「えっとねー……」
答えようとする前に、
「それは大丈夫です! 名前を置いていただくだけですから! お勉強もそちら優先で構いませんから!」
慌てたようにベノムが答えてくれたんだよ。
「あら、ベノムさん、それでは入隊する意味がないのではないですか? まさか利用するだけ利用して……」
「違います、そんな事をするつもりはありません。それよりもまずはこいつを見てください! こいつが町に出現して火災を起こす原因なんですよ。調べるためにも、この炎を早く封印をしてほしいんです!」
「……これがですか? まあいいでしょう。お話しは後でも出来ますからね。後でモモさんに詳しく説明してもらいますね」
アリアがまだボーボーに燃えている炎の妖精に手をかざす。
「邪悪なる者よ、聖天使ウリエリアの力を以て封印いたします! アストラル・シエル!」
手の平から青白い光の魔法陣が現れて、黒色のチェーンが飛び出たよ。
それが炎を包み込むように丸くなり、ギュッと小さくなって炎ごと消えちゃったんだ。
残っているのはキャットスレイヴとスッポンポンの妖精さん……というにはちょっと邪悪すぎる顔かも。
光る赤い目とかギザギザの口とか、まるで魔物みたいな感じだ。
「改めて見ると、ヤベーなこれ。こんなのが町に侵入してたのかよ。とにかく何処から進入したか調べるしかねぇな。アリア様、ありがとうございます。じゃあ行くぞ皆、早速調査開始だぜ!」
ベノムや他の皆が隊舎に帰って行くみたい。
うーん、私も行った方がいいのかも?
後ろに続こうとした時、
「モモさん、ちょっと待ってください。まだあなたの口から説明してもらっていませんよ? 是非納得のいく説明をお願いしたいです!」
笑顔のアリアが私の腕を掴んだんだ。
これは話さなきゃいけない感じ?
家猫のモモ
御主人(ヒロ)
王子シャーン
王女ルシフェリア
王女イブレーテ(長女)
シャーンのお母さんテルナ
爺
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(ブルースに頼まれて特訓中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




