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御主人が狙われている!?

 私とイブレーテはお勉強で疲れきっていた。

 そんな時に現れるシャーンとルシフェリア。

 私達を遊びに誘ってくれるみたい。

 かくれんぼしようということになって、イブレーテが鬼に指定された。

 十分後に捜すということで、それまで私は隠れる場所を探しながらシャーンとルシフェリアが奴隷にされた話しを聞いた。

 イブレーテを嫌わないでという言葉に私は頷き、遊びを再開する。

 でも私は直ぐに見つかっちゃったから御主人が活躍するのを見届けたんだ。

 

「ふう、見つかっちゃったわ」


「意外と早かったね」


 ルシフェリアとシャーンが椅子の下から這い出てくる。

 そんな場所もちゃんと掃除されているから汚れたりはしないんだよ。


「私にかかれば二人の居場所ぐらい簡単に……と言いたいところだが、この猫のお陰なんだ。ふがいない私を許して欲しい」


 イブは時分の手柄にはしなかった。

 ちゃんと御主人の手柄だってみとめてくれたよ。


「あら、御主人偉いわ。誉めてあげる」


「うん、御主人さんすごく頭がいいよね。普通の猫とは違うみたい」


(えっへん!)


 御主人は二人に誉められて満足気だ。

 私もちょっと撫でてあげよう。


「それにしても本当に頭のいい猫だ。この猫の名前は?」


 イブが二人に聞いているけれど、先に私が答えちゃおう!


「御主人だよー!」


(いや、ヒロだけどね)


「ふん、妙な名前だな。私がもっと相応しい名前を付けてやろうリッヒスタイナーとかはどうだ。かっこよくてスタイリッシュな名前だろう」


 イブレーテは御主人を抱っこして誘惑している。


「御主人は御主人だよー」


(いや、ヒロだけど。ってイブレーテには聞こえないんだよなぁ)


「そうだ、私の部屋に住まないか? もっと美味い物や贅沢をさせてやるぞ」


(えー、それはちょっと悩んじゃうなぁ)


 御主人が誘惑に負けてしまった!?

 私の下から居なくなっちゃうの?

 折角異世界まで一緒だったのに。


「わーん、御主人に捨てられるー!」


 私はちょっと悲しくなって涙が出てきたよ。


(いや嘘、今のは冗談だから。行かない行かない。ごめんごめん)


「イブお姉ちゃん、モモお姉ちゃんが可哀想だよ」


「イブ姉様、意地悪はダメ! ちゃんとモモに謝って!」


「うっ、悪かったよ」


 イブレーテはシャーンとルシフェリアに詰め寄られてちゃんと謝ってくれたんだ。


「それじゃあ友達になってくれるー?」


 私はこの機会に提案してみたのだけれど、


「そ、それは……」


 まだ抵抗があるみたい。


「イブお姉ちゃん!」


「イブお姉様!」


「わかった、なる、なればいいんだろ!」


 それでも二人に怒られて、私とイブレーテは手を繋いだ。


「よろしくね、イブレーテ!」


「イブでいい。そう呼べモモ」


「うん、宜しくねイブ!」


(よろしくね!)


 まだぎこちないけど、ちゃんとしたお友達として認めてくれたみたい。

 今後はちょっとずつ仲良くなれたらいいかなぁ。


 イブと友達になって時間が経った。

 向うからは全然誘ってくれないけど、シャーンとルシフェリアが来たりするとよく一緒にくるんだよ。

 もう二人を取られるなんてことは忘れてくれたみたい。

 ある程度気を許してくれた感じになったかな? 

 そんなのんびりした時間に、私にお客さんが来たって報せが届いた。

 キャットパラダイスからノラが来たんだって。

 私と御主人は直ぐに客室に向かったよ。


「よう、久しぶりだニャ」


 部屋の中には長椅子にごろんと寝ころんだノラがいた。

 その首には制約の首輪がつけられていて、まだ子供達全員を見つけられていないみたい。

 やっぱりまだ時間がかかるよね。


「ノラ、久しぶりー!」


(こんにちはノラ)


 私と御主人は元気に挨拶した。


「早速だがお前達に頼みがあるんだ。この国に子供を買った奴等が居るらしい。ほんとは俺一人でニャりたいんだが、この国で動く条件をつけられちまったんだ。お前に手を貸してもらえってよ。俺のために了承しろ!」


 ノラは私にお手伝いを頼みたいらしい。

 前に関わった事件だし、やっぱり放ってはおけないかな。


(まあ元犯罪者だし、信用はないよね。モモ、手を貸してあげたらいいんじゃない?)


「うん、いいよー」


 私は手伝うことを了承したよ。


「それじゃあ早速説明させてもらうぜ。俺達が狙うのは――」


 ノラが喋り出そうとした時、客室の扉が開いてシャーンとルシフェリアが部屋に倒れ込んで来た。

 何かしているとは思ったけれど、私達の話しに聞き耳を立てていたみたい?


「二人とも大丈夫?」


 私は二人を助け起こした。


「うん、大丈夫」


「全く問題ないわ。話を続けてちょうだい」


 こんな状態なのに聞く気満々みたい。


「はぁ、誰だこのガキ共は。俺達は大事な話をしているんだ、早く出て行きやがれ!」


「二人とも王子様とお姫様なんだよー。えらいんだよー」


 それを聞いたノラは自分の額をテーブルにぶつけ、


「今のは冗談だ。悪かった、許してくれ……変な罰とかやめてくれ、もう捕まりたくない」


 一応謝ってくれたよ。


「別に怒ってないよ。のぞき見しちゃってたからこっちが悪いしね」


「ええ、別に罰したりはしないわ」


 二人とも優しいからこんなことじゃ怒ったりしないんだ。


「だが許さあああん!」


 と叫んだのは更に遠くで二人のことを見守っていたイブだった。


「わ、イブお姉ちゃん居たんだ?」


「イブ姉様、何時も通りね。ちょっと落ち着いて」


 シャーンとルシフェリアに宥められているけど、まだちょっと収まるのに時間がかかりそう。


「……おい、こいつは誰だ」


 それで全く事情をしらないノラが私に尋ねてきた。


「イブだよ。この子も王女様なのー」


「何でこうもポンポン王族が現われるんだよ。まさかまた出てくるんじゃニャいよな?」


「たぶんもうないかなー?」


「こっちを見ろ! 私が罰を与えてやる、決闘だあああ!」


 イブは二人を引きずるように前に出てくる。

 殴ったりするのかもしれない。


「悪いがこれ以上付き合ってられニャいぜ。モモ、お前は夜ギルドに来い。そこなら邪魔もはいんニャいだろ。んじゃニャ」


 でもそれをきらったノラは、逃げるように部屋を出て行った。

 私は夜に出掛けなきゃいけないみたい。


「逃げ足の速い奴め、モモ、私も付き合わせてもらうぞ!」


 まさか夜も付いてくる気なのー?


「怒られちゃうよー」


「安心しろ、バレなきゃ問題無い。奴に一矢報いなければこの気持ちが収まらん!」


(それダメなやつ。ダメなやつだよ)


「そうね、バレなきゃいいんだわ。ね、モモ」


 なんかルシフェリアまでイブの味方をしているし。


「ちょっと、ルシフェリアまで何を云っているの、ダメだって!?」


「あら、シャーンったら男のくせに意気地なしなのね。皆にも笑われちゃうわよ」


「そ、そんなことないよ」


「じゃあ黙っていることね」


 シャーンもルシフェリアに説得されている。


「モモ、もし私を連れて行かない気なら勝手に出て行ってお前の所為だって言いふらしてやるからな!」


「えー、それはやだなー」


「それで奴は一体何をしに来たのだ。モモ、知っているのだろう。素直に喋れ!」


「うーん、いいよー」


 私はまだ怒っているイブにキャットパラダイスで起こったことを説明した。

 ノラがどういうことをしていたのかもちゃんと伝えたの。

 でもテーブルをバンと叩いてもっと怒った表情になってるよー。


「……この国で人買いだと! そんなことが許されてたまるか! 私も絶対に同行しなければならない理由ができた。モモ、必ず連れて行くのだぞ!」


 もうノラへ罰を与える感じはなさそうだけど、これは連れて行かなきゃいけない感じ?


(イブも人買いの被害者だよね。お母さんに相談した方が良いと思うんだけど、たぶん阻止されそうだね。僕はバレないのを祈っておくよ)


 御主人も諦めちゃったよ。


「じゃあ連れて行くよー。でも誰にも見つからない道を教えてねー」


「安心しろ、私はこの城のことは知り尽くしている。隠し通路を使えば余裕で抜け出せるぞ。いいか、今夜――」


 イブに集合時間と場所を伝えられた。

 私はみつからないかビクビクしてその時間まで過ごしたんだ。

 でもお母さん達に何か云われるその時間が来たんだよ。

 私と御主人は集合場所に向かってイブと合流したんだ。

家猫のモモ

御主人ごしゅじん(ヒロ)

王子シャーン

王女ルシフェリア

王女イブレーテ(長女)

シャーンのお母さんテルナ

グリフ・リスマイヤー

青鎧のブルース・グライブス

教育係アリア・ファイリーズ

赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)

桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)

ルーカ(孤児)

プラム・オデッセイ(ブルースに頼まれて特訓中)

ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)

クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)

シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)


剣と魔法の世界 ミドレイス

翼の生えた子供 ウリエリア

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