魔導の師事
イブの訓練に付き合って町の外でモンスター退治をすることに。
そこにルシフェリアもついて来たいっていうからブルースに話して許可をもらったんだよ。
あの魔導書を使ってみたいんだって。
そして何度かモンスターを退治して二人ともやりたいことをやったみたい。
でもね、空から大きな鳥さんがやって来たの。
他の皆は撤退したけれど、私と御主人は残っていたよ。
だって本の中で会ったあの鳥さんなんだもん。
下りて来ると人の姿に変わってね、お礼をしたいって言って来たんだ。
だからルシフェリアに魔法を教えてって頼んだんだよ。
イブの訓練をしたその日からルシフェリアの魔導訓練が始まったよ。
ちゃんと知りたいらしくってサラスは質問攻めにされているの。
ちょっとずつ知識が増えてデルミスの魔導書も読み進められるようになっているみたい。
新しい魔法とかを覚えてね、お城の庭で試したりしていたんだ。
前に使っていた炎の魔法とかも倍ほどには威力を増しているね。
「年の割には良い進歩だ。このまま続けてくれたまえ。私の弟子になったからには強くなってもらわなければ困る」
「魔法を覚えれば本が解読できる!」
と、二人ともそれぞれの考えがあるみたいだけれど、大体良い感じなんじゃないのかな?
別に悪意とかもなさそうだし後は二人に任せようと思ったら。
「丁度良いな。権力も金も持っていそうな君に頼むとしよう。強力な魔法には触媒が必要なんだ。君の友達の為にも一つ手を貸してくれないか?」
「うん、いいよー! それで何を取って来るのー?」
「虹のカブトムシ。将星のトカゲ。月夜見の花をそれぞれ一つ持って来てくれたまえ」
(聞いたことのない物だね)
「全部私の知らない物だよー? 何処にあるのー?」
「ふむ、魔法使いの間ではかなり有名な物なのだけれどね。それともこの百年の間に消えてしまったということもあるのかな? まあ時間指定はしないからよろしく頼むよ」
「うん、分かったー!」
約束したものは良いものの、先ずは何処にあるのか調べなくっちゃいけないよ。
カブトムシとかトカゲは普通の市場では売っていないもんね。
結界術が得意なアリアなら何か知っているかな?
そんな感じでお部屋を尋ねに行っちゃうの。
「アリア、こんにちはー!」
「ええ、モモさんこんにちは。遊びに来られたのですか? お茶の用意をしましょうか」
「わーい、お菓子も欲しいなー!」
(じゃなくって、材料集めを聞くんでしょ?)
「あ、そうだった! えっとねー、サラスに材料を集めて欲しいって云われちゃったんだよ。アリアなら知っているんじゃないかって思って。でもお菓子も食べたーい!」
「それではお茶を飲みながらゆっくりお話しを聞きましょうか」
「はーい!」
それでお茶とお菓子を用意してもらって材料の話をしたよ。
「月夜見の花ならここに一つ持っています」
アリアは引き出しに入っていた黄色く光る花を取りだした。
「貰っても良いかなー?」
「ええ、ただ他の品は持っていません。将星のトカゲであるなら魔道具屋にて購入できるかと。ただ、虹のカブトムシは絶滅したといわれています。今あるとするならば標本にされた物ぐらいしか残っていませんよ」
「それって高いのー?」
「はい、希少な物ですからかなりの高額となっていると聞きます。虹のように光るので観賞用としても人気がありますからね。ただ、買い取るにしても簡単には手放さないでしょう。無理難題を云われたり小国の予算並みの請求をされるかもしれません。手に入れるのはほぼ不可能でしょうね」
「そうなんだー? うーん、困ったねぇ」
「生き残っているものを捕獲できれば良いのですが、それもかなり骨が折れるかと。そもそも見つけられないから絶滅したといわれている訳ですからね」
「誰か知っている人は居ないかなぁ?」
「でしたら昆虫学者の先生を御紹介しましょう。もしかしたら知っていることがあるかもしれませんよ」
「ありがとー!」
それで私はアリアからファブル・コンチューンという人を教えてもらったの。
町の方に住んでいるっていうことだから将星のトカゲを買いつつ一度行ってみたんだ。
探すのは大変で夜になっちゃったけれど、無事に到着したんだよ。
中にはちゃんと人の気配。
寝ては居ないようだから呼んだら出てくるかも。
「こんばんはー!」
(こんばんは!)
ココンとノックしてみても中の気配は動かない。
気が付かなかったのかなぁ?
じゃあもう一回。
『こーんばーんはー!』
御主人と一緒に大きな声と音で報せてあげたんだ。
「うるさああああああい! 人が集中しているのに大声を出すなああああああ!」
そしたら家の中から町に轟くような声が聞こえてきちゃった。
怒らせちゃったみたいだね。
うーん、今日は帰った方が良いのかも?
「御主人、一回帰ろうかー」
(その方がいいかもね。明日もう一度来てみよう)
改めて出直した次の日。
もう一度挨拶をしてみたんだけど、やっぱり同じように出て来てはくれないの。
(あんまり機嫌を悪くさせちゃったら教えてくれなくなっちゃうかもね。出てくるのを待ってみるとか?)
「そうだね、そうしようかな」
私は家の窓からジッと除き込んじゃうよ。
中には分厚い本を読み漁る気難しそうな男の人の姿がある。
まだかなまだかなって待っていると。
「何だお前、そんな所で気が散るだろうが!」
こっちのことに気が付いたみたい。
「んとね、私、虹のカブトムシのことについて知りたいんだ。おじさんが知っているって聞いたから教えて欲しくってー!」
「虹のカブトムシだと? まさか貴様も探しているのか!?」
「うん、お友達のために見つけてあげたいんだー!」
「ほう、金の為に見つけ出そうとする愚か者ではないようだ。しかしこちらも忙しいのだ。手を貸してほしいというのならば、それなりの見返りを用意するのだな」
「うーん、何が欲しいのー?」
変な物じゃなければあげてもいいけれど。
「そうだな。今後も何かと出費がかさむ。相応の活動資金などを援助してもらおうか! 具体的には金貨千……いや流石にこんな小娘には無理か……。やはり百ぐらいで……」
ファブルはうんうんと悩んでいるね。
「金貨千枚でいいよー! お部屋のお小遣いを持って来ればそのぐらいはあるしー!」
だけどね、今まで勲章とかと一緒に貰ったお金を集めればそのぐらいありそうだから良いって言っちゃったよ。
ご飯もお城で食べられるし、あんまり使い道がなかったもん。
ここで使っちゃっても大丈夫!
「うおおおお、マジか、マジなのか!? う、ううううう嘘をついたら許さんぞ!? 先払いだけしか受け付けんからな!」
「うん、それじゃあ取って来るから待っていてー!」
「まさか本当に。本当に! 本当に!? 本当にいいいいいい!?」
何だか慌てふためいているの。
信じてもらえるように急いで持って来てあげなきゃね。
私は急いで走ってお部屋に戻ったんだ。
だけど部屋に大金をしまった覚えはないよ。
今はお菓子とか買えるぐらいのお金しか持っていないもん。
「御主人、お金ってどこにしまったんだっけ?」
でもあまりに使っていなかったからしまっている場所を忘れちゃったよ。
(確かお母さんに預かってもらったかも?)
「そうだったっけ? じゃあ聞きに行ってみよー!」
(そうだね!)
直ぐにお母さんに聞きに行ってね、
「金貨千枚が欲しいと? 元々モモさんの物、別にかまいませんけれど、一体何に使うつもりなのですか?」
「えっとね――」
今までのことを簡単に伝えてみたよ。
「なるほど、あのサラスという者に頼まれて虹のカブトムシとやらを探していると。それでアリアに紹介された学者から情報がほしければ金貨をよこせと」
「研究のためにお金が欲しいんだってー!」
「流石に高額過ぎるのでは? 少し待っていてください。その学者に文をしたためます。一応お金はお渡ししますが、先ずはそれを見せるのですよ」
「はーい!」
(お願いしま~す!)
それで文が出来上がるのを待ってファブルの家に行ってみるんだ。
家猫のモモ
異世界に転生して人間となる。
御主人(ヒロ)
人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。
エリオ・ジ・エイグストン(モモの従者)
レマ・トマトン(旅の同行者、料理人)
ナヴィア・ドライブズ(旅の同行者、馬車の運転手)
リシェーリア・パラノイア(プリスターの司祭今は味方?)
ゼノン・ハイム・ディラーム(ラヴィーナの従者)
王子シャーン(元気少年)
王女ルシフェリア(元引きこもり)
王女ラヴィーナ(格闘が得意)
王女イブレーテ(妹弟ラブ)
王子パーズ(恋焦がれる男の子)
王女アンリマイン(泣き虫)
王女マーニャ(派遣王女)
シャーンのお母さんテルナ
ウィーディアの女王。
爺
シャーンやテルナの付き人。
フルール・フレーレ
ラヴィーナの師匠で格闘家。
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
モモの教育係。
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
冒険者、エルフの姉妹。
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




