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二週目の世界

 狼男が飛び出してレースが始まる。

 様々な世界を周りながら順位が入れ代わり立ち代わり。

 妨害されたり道が変だったりかなり大変だったけれど、一週目の最後はウィーディアの町に出たの。

 ここで負けるなんて絶対嫌。

 ピロに頼んで速度を上げる。

 パーンと飛び出して一週目は私が先頭でスタート地点を踏み越えちゃった。

 一周目を踏まえて二週目開始。

 レース場を抜けるとね、黒い雲がモクモクと広がる世界。

 これって順番が違う感じ?

 だけど冷静になっちゃえばやっていけそう。


 空からは雷から変わってひょうが降る。

 小さな物から大きな物まで色々と。

 流石に当たったら死んじゃいそうだし、とっさに妖精剣でガードして、体に炎を灯すんだ。

 当たる前に蒸発させちゃえば大丈夫!


 続く水の世界は前のよりも深いみたい。

 ビチャビチャ濡れちゃうけれど、そこまで苦にはならないよ。

 ザバンっとモンスターが飛び出してもバッサリやっちゃうもんね。


 赤砂の大地に暴風が吹く。

 飛んじゃいそうになりながらもガッチリ踏ん張って進んで行くよ。

 ちゃんと確認しちゃえば道も間違えたりしないもん。

 最悪は赤髪の男について行けばいいもんね!


 美しき世界は花舞散る。

 香りがとっても強くってクラクラしちゃう感じだよ。

 道もグネグネちょっと酔いそう。

 途中で吐いたりしながらもレース続行しちゃうんだ。


 星空の空間では隕石が振り落ちる。

 小さな弾丸となってそこら中にバシバシと。

 当たらないように気を付けながら、たまにズバッと切り裂いて前に前に。


 闇の世界は変わらない。

 コウモリ男が集まって邪魔をしまくるだけなんだ。

 だからバシッと倒してね、次の世界に進んじゃう。


 輝く世界は幻惑を見せる。

 今まで戦った強敵達や、力を合わせた仲間達を。

 皆皆襲って来るけど偽物だって知っているよ。

 だから気にせず正面突破。


 文明社会はお別れしちゃった命を教える。

 通り過ぎた背中はね、私達の大事な人。

 ちょっと悲しくなっちゃったけど、同時に嬉しくもあるんだよ。

 だからちょっぴり涙ぐむ。


 現実は魔法の世界。

 ウィーディアの町から飛び出て草原を直走る。

 引き寄せられるように現れるモンスター。

 冒険者ならあたりまえ?

 でも私はのんびりしたーい。

 長いレースでまたお腹が鳴っちゃうの。


 変わる世界。

 色々な場面。

 時間も空間も飛び越えて長いレースはまだまだ続く。

 三周目四周目。

 耐えきれずに順位を落とした人達や余儀なく脱落しちゃった人達も居るけれど、私達はまだ健在。


 五周目六周目七周。

 一緒に走る皆はライバルだけど、何だか不思議な仲間意識を感じるよ。

 それでもやりあい落とし合い。


 八周九周目。

 皆ボロボロお腹も空き空き。

 もうちょっとで終わるからご飯が食べたくなっちゃうね。


 最後はいよいよ十周目。

 周りはたったの三人ぽっち。

 狼男とヘルメット、白銀髪の少女。

 いよいよ見えるゴール地点。


 奥の手中の奥の手で、炎を使って加速する。

 ただ相手もただではやられない。

 狼男はマルフェルクと同一化して、ヘルメットは乗り方を変化させる。

 白銀髪の少女は何にもしていないけれど、そもそも軽いから結構速い。


『おおおおおおおおおおおおおお!』


 気合を込めて全員全速力で駆け抜けるんだ。


『おおおおお!?』


 神様達も驚くぐらいの熱いレースが幕を閉じるの。

 順位はほとんど鼻の先。

 見極めるのは難しいけれど、見ているのは神様だもん。

 間違えたりしないよ。


「モモさんの勝利です!」


 ウリエリアがそう告げると私と御主人でわーいって喜ぶの。

 他の神様達も拍手してくれるんだ。

 それから遅れていた選手達も続々戻ってきてね、脱落した人もこの場に転移し元通り。

 ちょっとだけ称えあったりして、それぞれの神様と一緒に元の世界に戻って行っちゃった。


「モモさん、改めておめでとうございます。叶えたい願いは決められましたか? しかし、流石にお疲れでしょうから時間を置きましょうか」


「そうだね、お腹も減ったもん」


(結構長かったもんね。僕もちょっとお腹が空いちゃった)


「それでは一週間時間を与えます。もしかしたらより良い願いが見つかるかもしれませんよ」


「うん、そうだね」


 色々考えていたけれど、もう少しだけ時間が欲しかったの。

 丁度良かったのかも。


(モモだったらここでご飯を出してもらうかと思ったのになぁ)


「えー、違うよー。私にも叶えたい願いがあるんだもーん」


(う~ん、ご飯じゃないとしたら何だろう? ちょっと気になっちゃうなぁ)


「御主人にも内緒だよー。その時になってからのお愉しみー!」


(じゃあ愉しみに待っているよ)


 大好きな御主人にほっぺでスリスリしちゃうんだ。


「あの、私もよろしいでしょうか? 少し気になっていたもので……」


(うん、いいよ~!)


「ありがとうございます」


 ニッコリとウリエリアも満足するまでなでなでしたの。


「ふぅ、何だかホカホカしてしまいます。御主人さんはとても良い感触でした」


(えへへ!)


 御主人も嬉しそう。


「そろそろ送って行ってあげましょう。先ずは……」


 ウリエリアの力で私の体がピカンって光る。

 ボロボロの衣服が元通りにピッカピカ。

 ううん、元よりも綺麗に感じちゃう。

 御主人の首輪も綺麗になったよ。


「これは付き合ってくださったお礼です。少しだけ防御効果も付与してありますよ。並みの攻撃では破れることもないはず。もし傷がついたとしても自動修復機能で元通りです」


「わー、すごーい! ありがとー!」


(ありがと~!)


「どういたしまして。では元の世界にお送りいたしますね」


「はーい!」


 ボロボロの服や体を綺麗にしてもらったらお城に送ってもらったよ。

 戻って来た時間はあの時のまま。

 朝日がちょっと眩しいかな。


「あー、疲れたー!」


 ぱふんって自分の布団にダイブしてぬくぬく気分。

 ちょっと眠りたい気分だけれど、お腹はまだすっきすき。

 ご飯を沢山食べたいよ。

 まだ朝が来たばっかりだもん。


「御主人、食堂でご飯を食べに行こうかー!」


(そうだね、何時もの皆も集まっているんじゃないかな!)


「それじゃあしゅっぱーつ!」


 まずはアリアのお部屋を訪ねて元気に挨拶。

 三人一緒に仲良く移動。

 ウリエリアや神様達のことは秘密なんだよね。

 それ以外のことは楽しくお喋りしちゃうんだ。

 ゆっくり到着したお城の食堂。

 今日も賑やかで誰もがガハハと笑っているよ。

 気取った料理も美味しいけれど、こういう雰囲気が自分に合っているんだ。


「ようモモ、今日も元気だな!」


 ベノム達ブレードバード隊の皆も結構来ていたりするんだよね。

 合流しちゃって皆で乾杯!

 いっぱい盛り上がって満腹になったんだ。

 お勉強はちょっと苦手だけれど、アリアと一緒だから何とか頑張っているよ。

 お昼になったらお出かけしよう。

 今日はすっごく天気がいいもん!


「ねぇねぇ、二人で散歩に行こうよー!」


(そうだね、たまにはいいかもね!)


 そんな感じで御主人とお散歩中。

 のんびりお店を見て周り、ギルドにも顔を出そうかな。

 ほら看板が見えて来たよ。

 ここも何時も通り騒がしくって食堂と同じ感じ。

 エルフの姉妹リーズとカリン。

 ここに居るかなぁ?


 キョロキョロ見回したら……。

 あ、のんびり食事をしている二人を見つけたよ。


「リーズ、カリン!」


(二人ともこんにちは!)


「あ、モモじゃない。久しぶりね。今日は何かあった?」


 こっちが槍使いで姉のリーズで。



「モモさん、お久しぶりです」


 こっちが魔法使いで妹のカリン。


「会いたくなったから来ただけだよー。何か用事があったかなぁ?」


「いいえ、見ての通り隙な状態よ」


「お城の仕事もしていますからね。実はあちらの仕事の支払いが良いんですよ」


 と、カリンは小声で伝えてきたよ。


「ふーん?」


「まあでも私達は冒険者だからね。何かしら仕事はしたいわけ。いい物があればだけど」


「二人規模で丁度いい物があればいいんですけれど……中々上手くは行きませんね」


「だったら私達がお手伝いしてあげるー! 御主人もいいよねー?」


(うん、もちろんだよ!)


 御主人も嬉しそう。


「モモが居てくれるのなら大体の事はやれそうね。それじゃあ何か探してみましょうか」


「はーい!」


 四人でギルドの掲示板を見に行くの。

 そこには多くの依頼が貼り出されていて様々な冒険者達が吟味しているんだ。

家猫のモモ

異世界に転生して人間となる。


御主人ごしゅじん(ヒロ)

人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。


エリオ・ジ・エイグストン(モモの従者)

レマ・トマトン(旅の同行者、料理人)

ナヴィア・ドライブズ(旅の同行者、馬車の運転手)

リシェーリア・パラノイア(プリスターの司祭今は味方?)


ゼノン・ハイム・ディラーム(ラヴィーナの従者)


王子シャーン(元気少年)

王女ルシフェリア(元引きこもり)

王女ラヴィーナ(格闘が得意)

王女イブレーテ(妹弟ラブ)

王子パーズ(恋焦がれる男の子)

王女アンリマイン(泣き虫)

王女マーニャ(派遣王女)


シャーンのお母さんテルナ

ウィーディアの女王。


グリフ・リスマイヤー

シャーンやテルナの付き人。


フルール・フレーレ

ラヴィーナの師匠で格闘家。


青鎧のブルース・グライブス

教育係アリア・ファイリーズ

モモの教育係。


赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)

桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)

冒険者、エルフの姉妹。


ベノム(ブレードバード隊、隊長)


ルーカ(孤児)

プラム・オデッセイ(里帰り中)

ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)


クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)

シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)


剣と魔法の世界 ミドレイス

翼の生えた子供 ウリエリア

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