勤務
アーサーが暗殺に行くとか言うけれど流石にそれは出来ないよ。
断ると味方の援軍が来るのを待ってお城に戻って行ったんだ。
お母さんに相談すると私とベノムに潜入捜査を頼んで来たの。
変装してバグランって町に向かったんだ。
宿のおじさんに話をすると教会で働けるように人を紹介してくれるんだって。
「おっと、宿のお客とは珍しい。冒険者か何かですかね? 今丁度大司教がいらっしゃっているんです。丁度良い時にいらっしゃいましたね。是非観光もして行ってくださいな」
宿のおじさんに声をかける観光を勧めてきたよ。
「いや、俺達は冒険者じゃねぇんだ。実はこの辺りに引っ越すことになったんだが教会での仕事ってのに興味があってな。紹介してくれるところを知らないか?」
「あんた達リディエルに興味があるのかい? それだったら紹介してやらないこともないけれど紹介料はたんまりもらえるんだろうね?」
「おう、それでいいぜ。いい仕事だったらたっぷり紹介料をはずんでやるよ」
何だか上手く行きそうな感じだね。
「で、部屋は一つでいいのかい?」
『別々でお願いしまーす(するぜ)』
それで部屋に案内してもらったら荷物を置いて早速教会の人を紹介してもらったんだ。
だけど思ったのと違ってね、掃除担当の人だったよ。
まあそれでも入れるのならってことで働くことを決めたの。
「それじゃあこの部屋を掃除してくれ。ちょっと広いからまあ一日じゃあ無理だよね。う~ん、じゃあ三日で仕上げてくれ。その出来あいによっては正式採用も考えてあげるよ。出来たら報告よろしく。場所は先ほど案内した家の事務所だよ。覚えているよね?」
「はい、任せといてください!」
「頑張りまーす!」
「頑張るのはいいけれど、くれぐれも物を壊したりしないでくれよ。もし何か壊したりしたら君達の給料から天引きさせてもらうからね。もちろん足りない分はタダ働きということになる。いいね?」
「うぃっす」
「じゃ、私は帰るから、後は宜しく」
「はーい!」
という感じで一つの部屋を任されたんだ。
ここは進入禁止にされた大きな部屋。
……というよりはほぼ普通の教会ぐらいは大きいね。
物も沢山あって掃除は大変そう。
「よし、行ったな。それじゃあ調査を始めようぜ」
「その前にお掃除しなきゃだよー。私達が居なくなったらおじさんが大変だもん」
「いやまあその通りなんだが……。これ結構時間がかかるぜ? 調査の時間も減っちまうしよぉ。ここは我慢してもらいてぇんだが……」
「大丈夫! お掃除が終われば次の場所を紹介してくれるよー!」
「あー、長い目で考えればそれもありか。……気は乗らねぇが、まあやるか」
「それじゃあ始めよー!」
で、私達はお掃除を始めたよ。
お水を含んだ雑巾をギュギュっと絞って天井から拭き拭きするの。
普通なら三日ぐらいはかかるんだろうけれど、私達ならそんなに時間はかからない。
ベノム……じゃなくってルーファスは変身中でも飛べちゃうし、私も身軽にピョピョーンっと。
三時間で大体終わらせて周りはみんなピッカピカ。
壊した物もないからね。
「ふぃぃ、終わったー!」
「結構疲れたがこれからが本番だぜ。とはいえ、このままじゃ目立っちまうな。先ずは服の調達からだぜ」
「まさか誰か襲っちゃうのー? 悪い人じゃなかったら可哀想だよー?」
「そこは問題ねぇ。掃除している時に部屋の床に収納庫を見つけてな。幾つか服が収納してあったぜ。封鎖されている部屋にあったんだ。要は使わねぇってことだろ?」
「それじゃあいっかなー?」
「ま、大儀の為ってことで納得しとけ。ほら、こいつだ」
ポーンと投げ渡されたのは真白のローブだね。
皆が着ていたのと同じだと思うよ。
サイズは合わなくてブカブカだけど、まあ小さくてキツキツよりは良いかな。
スッポリかぶって準備完了。
ルーファスもローブを着たみたい。
こっちもサイズが合っていないみたいですねの辺りが見えている。
でも気にしてはいないみたいだね。
「なるべく目立たないようにしろよ」
「大丈夫、目立ってないよー!」
お耳も尻尾も隠してあるもん。
これで大丈夫って感じで掃除した部屋から出て行くの。
大きな通路はお城と見まごうほどに広く、長く何処かに続いているよ。
私達は人の居なさそうな部屋を見て回ったんだけど、目当ての物は何処にも見当たらなかったよ。
うーん、やっぱり大事な物は厳重なところに置いてあるのかも?
「ここじゃダメだな。リスクもあるがもうちょっと奥に行ってみるか」
「そうだねー」
そのまま色々な場所を探したんだけれど、この建物はちょっと広すぎだよ。
部屋もいっぱいあって迷路のように複雑なんだ。
「こいつはちょっと時間がかかりそうだぜ」
「うーん、迷っちゃいそうだよね」
ちゃんと確認しなきゃ同じ所に入っちゃうかも。
「俺達は地理に明るくねぇからな。しかも標識さえないんだから困っちまうぜ。仕方ねぇ、地図でも作るか」
「お願いねー!」
だからささっと移動して紙に描き込んだりして地図を作って一日目が終わっちゃった。
一度宿で休んでね、二日目は今度こそって感じで頑張るの。
「このままじゃあ何時まで経っても終われねぇからな。昨日重要そうな場所に当たりをつけておいたぜ。そこを重点的に探しちまうぞ」
「はーい!」
それで教会の最上階から探索を始めるんだ。
だけど重要なところだから警備も万全だし、人が居ないところでも扉にも鍵がかけられていそうな感じ。
まずは人の居なさそうなところから。
「どうやって開けるのー? 壊しちゃう?」
分厚くて頑丈そうだけれど、シュバっと爪で引き裂けばバラバラにしちゃえるよ。
「いや、後々見つかったら厄介だからな、こんな時のためにピッキングセットを用意してあるぜ。こいつでちょちょいっと開けちまえば鍵穴にしか傷がのこんねぇ。……モじゃねぇ、アリアは人が来ねぇか見張っていてくれや」
「分かったー!」
見張っていると後ろからカチャカチャ音がしくるの。
だけど苦戦しているのかな?
三分経っても開かないよ。
あ、こっちに向かって来る気配があるよ。
「ルーファス、そろそろ誰か来るよー?」
「待て、もう少しで開きそうなんだ。もうちょっと……。よし、開いたぜ。中に隠れるぞ!」
「はーい!」
急いで部屋に潜り込むと中にはトゲトゲの痛そうな物とか、クルクル回りそうなまん丸な道具とか、ギロチンみたいな物とか、古い道具類が設置してあったんだ。
壁にはペンチやムチや色々な小道具がかかっている。
ちょっとだけ待っていると人の気配が通り過ぎて行ったよ。
「もう行ったっぽいよ」
「そうか。とりあえずここはハズレだな」
「なぁにこれ?」
回るのは遊び道具に似ているからちょっと気になっちゃう。
「こいつは拷問道具だな。用途は……まあ説明しなくてもいいだろ? 今のところ使われてはいないようだが、リディエル信教が何のために集めていたのかが疑問だぜ」
「使われていたってことー?」
「可能性は激高だ。昔からそういうことをしていたんだろうよ。先代の頃には使われていなかったと思いてぇがな。とにかくここには無いぜ。別の部屋へ行くぞ」
「だねー」
外のタイミングを見計らって別の場所へ移動して行くの。
二つ目三つ目って探したけれど、目当ての物は見当たらない。
やっぱり人が居るところなのかな?
これからはちょっと難しくなるかもね。
「次だ次!」
「じゃあ、あそこかなー?」
少し先に二つの扉が右と左にあるみたい。
二つの扉の前にはそれぞれに二人立って見張っているよ。
どっちかが当たり?
それとも両方間違っていたり?
「全員を説得するのは無理だな。倒すのは容易いが……。よし、俺が囮になってやる。アリアは残った奴をどうにかして部屋を調べてくれや」
「ここで見つからなかったらお尋ね者になっちゃうよー?」
「心配すんな。俺には変身魔法があるからよぉ。居もしない誰かに変身しちまやぁ逃げ切ることも簡単だぜ」
「ふーん、じゃあ任せるね」
「おう、行ってくるぜ」
と、ルーファスの顔が変化する。
今までとは全く違う眉毛が太くて目力が強い男になったんだ。
家猫のモモ
異世界に転生して人間となる。
御主人(ヒロ)
人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。
エリオ・ジ・エイグストン(モモの従者)
レマ・トマトン(旅の同行者、料理人)
ナヴィア・ドライブズ(旅の同行者、馬車の運転手)
リシェーリア・パラノイア(プリスターの司祭今は味方?)
ゼノン・ハイム・ディラーム(ラヴィーナの従者)
王子シャーン(元気少年)
王女ルシフェリア(元引きこもり)
王女ラヴィーナ(格闘が得意)
王女イブレーテ(妹弟ラブ)
王子パーズ(恋焦がれる男の子)
王女アンリマイン(泣き虫)
王女マーニャ(派遣王女)
シャーンのお母さんテルナ
ウィーディアの女王。
爺
シャーンやテルナの付き人。
フルール・フレーレ
ラヴィーナの師匠で格闘家。
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
モモの教育係。
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
冒険者、エルフの姉妹。
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




