ティターニア修復
妖精の女王ティターニアが復活して楽しくパーティ―をしたんだよ。
それで剣を直してほしいって頼んでみたけど、大樹オベロンを使った物だから無理だって云われちゃった。
その代わり、新しい剣をくれるってことで桃色の剣身を持つ妖精剣を貰ったの。
皆にバイバイってお別れしてね、お城に戻ってお母さんに報告したんだ。
新しい剣が手に入って喜んでくれたんだけど、ティターニアも何とか修理したいみたい。
だからもう一回名工スタルズに会いに行けって云われちゃった。
買い物から戻るとスタルズがティターニアにハンマーを軽く打ち付けていたよ。
いよいよ作業が始まるのかも?
そんな感じで見ていても剣に変化は起こらない。
「ふむぅ、木材のわりに堅すぎるな。熔鉱炉へ放り込む訳にもいかぬとなると……削ってみるか?」
だからなのか木材の土台で造られた回転式の大きな砥石で刃をザリザリ削っているよ。
「ルン坊、手を貸せ!」
「はい、親方!」
でも上手く行かなかったのかな?
今度は二人がかりで力強く行っているんだ。
「これはダメだな、わしらでは歯が立たん。ほんの少しも削れぬわ」
「ですね……」
だけどそれもダメだったみたい。
ティターニアには傷一つ付いていないもん。
「スタルズ殿、諦めるのはまだ早いかと。我々も力には自信がありますぞ! 出来ることはお手伝い致しますとも!」
「私も手伝うよー!」
(あ、僕も。出来ることならね!)
「素人が口を出すな。……とも言っていられん状況だな。ならば手を貸してもらおうか。だが疲れたと泣き言をほざくなよ?」
「ハハハ、舐めてくれますなよ。数々の実践や訓練を潜り抜けて来た私が泣き言などいうはずがありませんとも。大船に乗ったつもりでドーンとお任せを!」
「私も頑張るよー!」
「ならばやるぞ、四人がかりだ!」
『おー!』
危なくないように鉄のガントレットを装着して分担してティターニアを砥石に押さえつけて擦り付けるの。
ギャリギャリバリバリ音が鳴る。
四人も居るから加減が難しいけど、皆に怪我させないように頑張るんだ。
(頑張れー!)
御主人はちょっと離れて応援してくれているよ。
そのまま十分、力の限り。
流石に疲れちゃったのかも。
ダラダラ汗をかいているもん。
「どれ、一度確認するぞ」
スタルズは作業を止めさせるとティターニアがどうなったのか見定めているんだ。
「……なるほど、単純に力が足りなかっただけのようだな。ほれ、見てみろ。ちゃんと研ぎが入っているだろう」
「あー、本当だー!」
剣の平になっているところに傷が出来ているよ。
「……しかし、そうとうな重労働になりそうだ。覚悟はいいだろうな?」
「望む所ですとも!」
「うん、大丈夫!」
ギャリギャリゴリゴリ作業が続く。
一時間も経つと皆ばてて来たっぽい。
本当に全力でやっていたもんね。
だけど私はまだ元気。
「皆休憩しといてー。私もうちょっとやっておくよー!」
「な、舐めるでないぞ小娘よ。武器職人の意地をみせてやろうではないか」
「さ、流石です親方。僕はもう腕が上がらなくて」
「モモ殿、兵士の体力を甘く見ては困りますぞ。まだまだ終わるには早すぎる時間です! むしろ私が一人でやって見せましょう!」
と、ルン坊以外はやる気がありそうな感じだけど、両腕がブルブルで震えているんだ。
「大丈夫、私ちょっと一人でやってみたいんだもーん!」
「仕方あるまい。ならばわしが直々に指導してやろう。この調子ならば問題はないとは思うが、下手な傷は取り返しがつかなくなる場合があるのでな」
「うん、お願いねー!」
「よし、ならばなるべく均等に砥石をかけるのだ」
「はーい!」
私はスタルズに言われるままをなるべく再現してティターニアを削り込む。
最初は上手くやれていたんだけれど、ビシッと音がして更にビシビシって音が鳴る。
これは剣が悲鳴を上げているんじゃない。
砥石の方が壊れそう。
ちょっと力を入れ過ぎたかも?
「待て待て、これは不味い。砥石が壊れては仕事にならなくなってしまうわ。長年耐えてくれたからのう。このタイミングで限界が来たようだな」
(モモがやり過ぎただけだったり?)
「うーん、ごめんなさい!」
私は素直に謝っておいたよ。
「謝る必要はない。長年使った物だからな。寿命が来たのだろう。しかしこう成ってしまったものは仕方がない。次の手を考えるとしよう。こいつも修理に出さねばならんしな」
スタルズは大きな砥石を労っているよ。
そこでなんかハッとした表情を見せて、
「おお、そうだ。大工であるのならば木材の扱いに長けているのではないか? 一度意見を聞いてみても良いかも知れないな。ルン坊、そろそろ動けるだろう。ヴァルカンのやつに連絡を入れて来てくれ」
いいアイディアが思いついたのかも。
「はい、親方!」
ルン坊は指示に従いヴァルカンって人の下へ走って行く。
とりあえずちょっとだけ休憩して二人の疲れも癒されたんだ。
私ものんびりしていると、ルン坊が作務衣を着た筋肉質で髭のおじさんを連れて来たよ。
この人がヴァルカンって人だよね?
「よく来てくれたな。早速依頼をしたいのだが」
「云わなくても分かっている。そいつを見れば一目瞭然ってなもんよ」
砥石の方を見ているけれど、
「もちろんそれも直してもらいたい。しかし本題は別にある。あの剣を見てもらいたいのだ」
スタルズが訂正してティターニアを指さしている。
「はぁ、大工の俺に剣なんて見せてどうしようってんだい? 飾りでも直して欲しいのかぃ?」
「実はその剣は全て木材で作られているらしいのだ。武器職人として金属は扱えるのだが木材となれば話は別だ。お前さんならば加工する手立てが見つかるのではと思って呼んだという訳よ」
「あれが木材。お嬢ちゃん、ちょいと見せてもらおうか」
「うん、いいよー!」
私はティターニアを手渡した。
ヴァルカンはじっくりたっぷり眺めたの。
「これが木だとはにわかには信じられんな。しかし木材だというのならば挑戦したくはある。その依頼引き受けよう」
それでね、今までのことを伝えて、あーだこーだと話し合ったんだ。
この硬さだと削りも出来ないってことで、植物ならではの方法を思いついたの。
水につけて水分を吸収させれば多少柔らかくなるかもしれないんだって。
とりあえず今日一日はつけておこうってことになって工房に泊まらせて貰えたんだ。
豪快でシンプルながら美味しい手料理を御馳走してもらえて私は満足しちゃったよ。
そして次の日。
皆でティターニアの状態を見に行ったんだ。
昨日の通り水につかったまんまで特に変わっていない感じ。
「ヴァルカン、剣はどうだ?」
「どれ、少し待て」
ヴァルカンは手に持って感触を確かめている。
「ふむ、昨日とは多少重さが違うようだ。ちゃんと水分を吸収して重くなっているぞ。硬さは……変わったようには見えないが、スタルズ、一度叩きをやってみてくれ」
「よし、ならば準備にかかろう。ルン坊、用意を頼むぞ」
「はい、親方!」
「私も手を貸しますぞ。存分に使ってください」
「私もー!」
それでお手伝いしてね、用意が終わるとスタルズがティターニアをハンマーで打ち付けるの。
鐘が響くような低い音がビーンとして剣がほんの少し凹んだ気がするよ。
「ふむ、これならばわしの力でもいける気がするぞ。まあそれなりに時間はかかると思うが完成には至るだろう。後はこちらに任せておけ」
「そうですな。素人の我々が口を出せることでもありませんので帰ると致しましょうか」
「そうだねー!」
(修理お願いしま~す!)
私達はお城に戻って出来上がるのを待つんだ。
お母さんにもお知らせしてね、完成したと報せが来たのは一週間が経ってから。
ついに今日、持って来てくれるんだって。
楽しみにして待っていると、兵士さんが部屋にやって来て荷物を届けてくれたんだ。
長い包みに入っているのは待ちわびていたティターニアだよ。
開けてみると傷の部分が削り取られてピカピカの剣が出て来たの。
ずいぶん細くなってレイピア……よりは小さいのかな?
たぶんスモールソードと呼ばれるタイプの物だね。
装飾も変わって指を護るガードがつけられているんだ。
だけど硬さも切れ味もそのままなら威力も充分なんじゃないかな?
家猫のモモ
異世界に転生して人間となる。
御主人(ヒロ)
人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。
エリオ・ジ・エイグストン(モモの従者)
レマ・トマトン(旅の同行者、料理人)
ナヴィア・ドライブズ(旅の同行者、馬車の運転手)
リシェーリア・パラノイア(プリスターの司祭今は味方?)
ゼノン・ハイム・ディラーム(ラヴィーナの従者)
王子シャーン(元気少年)
王女ルシフェリア(元引きこもり)
王女ラヴィーナ(格闘が得意)
王女イブレーテ(妹弟ラブ)
王子パーズ(恋焦がれる男の子)
王女アンリマイン(泣き虫)
王女マーニャ(派遣王女)
シャーンのお母さんテルナ
ウィーディアの女王。
爺
シャーンやテルナの付き人。
フルール・フレーレ
ラヴィーナの師匠で格闘家。
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
モモの教育係。
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
冒険者、エルフの姉妹。
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




