お頼み事
空間を裂きムサシに攻撃するとその穴から転移して来ちゃった。
最後の戦いとばかりに決戦に挑むんだ。
斬り合い、叩き合い、能力バトル。
全部まとめて頑張って私は勝利したんだよ。
本物のムサシは倒したんだけど一応調査が始まった。
万が一のことがあったら困るからね。
中庭で止まっていた偽物ムサシの消滅が確認されて回収した二本のアーティファクトも無事に本物だと鑑定されたよ。
それとアルマリクは手放さなきゃいけないんだって。
誰の手にも触れさせないように厳重封印されるみたい。
だけど私にはティターニアがあるから困ることはないんだよ。
後は皆でお城の修理。
えっちらおっちら働いて、全部綺麗に元通り!
終わったら何時も通り食べて寝てゴロゴロ過ごすんだ。
明日になったら皆と遊ぼうかなー!
そんな感じで日が暮れるような時間帯。
御主人とお喋りしたりワイワイしていたらね、
「失礼、モモ様にエルフの姉妹リーズとカリンが訪ねていらっしゃいました。お通ししてもよろしいでしょうか?」
人捜しにも協力してくれた二人が訪ねてくれたんだ。
「もちろん、いいよー! 入って来てー!」
直ぐにお返事をするとお部屋に招いたんだよ。
「モモ、こんばんは」
「こんばんはですモモさん」
「こんばんはー!」
(こんばんは!)
先ずは挨拶元気よく。
「遊びに来たのー?」
「そっちの事情も知りたかったからね。まだ何かあるなら手を貸すわよ」
「ええ、お友達ですもん。何でも言ってくださいね!」
「二人ともありがとー! でももう終わったよー! 後はアーティファクトを探すのぐらいかなー?」
「それは良かったわ。本当は日を置いて頼もうと思っていたんだけれど、空いているんなら私達に手を貸してくれないかしら?」
「実はギルド内でのトラブルでごたつきまして、流れ的にカリン達が依頼を受けざるを得なくなったんですよ。あまり得意ではない幽霊系のモンスターが出没するらしく、そういえばモモさんの剣がそっち系のモンスターにも効果があると伺ったのでお願いしたくて。どうでしょうか?」
「大丈夫だよー、お友達の頼みだもんね!」
(そうだね、何時も手伝ってもらっていたもんね。こっちが断ったら酷い奴だよ)
「それで何時行くのー?」
「本番は三日後だけど、今日、下見しに行こうかって話していたのよ。ま、本番前に終わらせるってのもありだわね。一緒にどうかしら?」
「うん、行けるよー!」
「ありがとう、攻略する目処がつきそうだわ」
「モモさん、協力感謝いたします」
そんな感じでお礼を云われてやる気が倍増しちゃうんだ。
「急いで準備しよー!」
(おー!)
お部屋に用意してあるお出かけグッズを確認すると、一応お城の人にも伝えておいたよ。
そして四人で向かうのは共同墓地の地下施設に出現したダンジョンなの。
ゾンビやグール、幽霊系のモンスターが続々と湧き出て来ちゃったんだって。
今は地下施設入口にガッツリ封印が施されているけれど、このままじゃ不便だからってギルドに依頼が来たらしいの。
だけどね、金額の安さや相手の強さ、そもそもクレリック自体が足りてないってことだったんで人が集まらなかったようなの。
そんな時にリーズとカリンが酔っ払いにからまれてほとんど仕事をしていないから行って来い的な話になったんだって。
喧嘩みたいに騒がしくなって、売り言葉に買い言葉で自分達が行くって言っちゃったみたい。
それで私を誘ってここに来た訳だね。
「さあ着いたわよ」
「モンスターは出て来ていませんね。封印がちゃんと効いているようです」
「出ていたら大騒ぎよ」
共同墓地は十字や石碑のお墓がいっぱい。
もう夜だし人の姿はほぼなさそうだね。
それともモンスターが出ちゃったから来ないのかも?
(夜中の墓地は雰囲気会って怖いなぁ……)
御主人がちょっと震えている。
「大丈夫だよ! 何が出て来ても私が倒してあげるから!」
(頼りにしているからね)
私はギュッと抱きしめて安心させてあげるんだ。
「それで何処に行くのー?」
「ほらあそこよ。あそこにある死体置き場の中に入り口があるわ」
「墓に入れない身元不明者達の死体が安置されている場所ですよ。あまり長居すると病に侵されるかもしれません。帰ったら一度教会でお清めしてもらうことをお勧めします」
(肺が病気になっちゃうかもだね)
「うん、気を付けるよー!」
「一応マスクをしといた方が良いわよ。病気対策、臭い対策もね。二人の分もちゃんとあるからこれ着けときなさい」
「はーい!」
(ありがとう!)
リーズに貰ったのは鼻まで覆う分厚いマスク。
着けるとピッタリ隙間なく、それでも息苦しさは全くないよ。
もちろん御主人も大丈夫。
猫の顔にもピッタリ合うの。
そんな魔法がかけられているのかも?
「えっと確かこの辺りに……あった!」
と、リーズは死体置き場の封印された入り口近くをゴソゴソと探りお札のような物をペリッとはがした。
透明な壁がスーっと消えて入れるようになったみたい。
「それじゃあ入りましょうか」
「お姉ちゃん、入ったらもう一度お札を張って置かなきゃダメですよ?」
「云われなくても分かっているわ」
それで私達は死体置き場の中へ。
ほぼ隙間なくずらっと並ぶ誰かの死体。
包帯でグルグル巻きにされているから顔とかも見えないけれど、とっても凄い臭いが漂っているのかも。
だけどマスクをしているからそこまでは感じないよ。
それと……今のところモンスターは出て来ていないね。
私達はとりあえずダンジョンが現れたって場所に向かうんだ。
「ここかなぁ?」
奥の行き止まりにまで移動すると、壁がボロっと崩れて大きな穴が開いているの。
中からは、おどろおどろしい人のうめき声が聞こえてくる。
「ええ、ここみたいね。モモは幽霊が出てきたらお願いね!」
「うん、何が出て来ても倒しちゃうよー!」
だけどお化けのモンスターは初めてだもん。
油断せずに行かなくっちゃ。
「モモさんが居てくださって心強いです。それでは行きましょう!」
『おー!』
皆で穴の中を進んで行くよ。
ゾンビに、グール、スケルトン。
コウモリ、火の玉、ミイラ男。
バシンと撃退頑張ってダンジョン攻略しちゃうんだ。
「あー、出て来たー!」
聞かされた通り、やっぱり幽霊なんかも出てくるの。
「モモ、お願いね!」
「お任せしますモモさん!」
「じゃあやっちゃうねー!」
(頑張れー!)
普通の攻撃は効かないけれど、ティターニアでズバッと斬って物理化させちゃうの。
後は簡単ズッパリ斬ったら綺麗に消えてなくなるよ。
「この調子でいきましょう」
「ええ、これなら直ぐに終われますね!」
「うん、何匹出て来てもやっつけちゃうよ!」
そんな感じで順調に。
右も左も行ったり来たり。
ダンジョン制覇に勤しむの。
毒とかも薬があるから大丈夫。
ずっとずっと奥に奥に。
色々見て回ったけれどボスとかも居なかったみたい。
最後の一匹を倒して綺麗サッパリしたのは朝になった頃だったよ。
「ふぅ、ようやく終わったわね。助かったわよ。じゃあこれ報酬よ。貰っといて」
リーズはギュウギュウに詰まった革袋を渡してくれたんだ。
「こんなにいいのー?」
「もちろん、ちゃんと手伝ってくれたんだから当然よ!」
「むしろこんな時間までありがとうございます」
「ううん、このぐらい平気だよー!」
(皆無事で終えられたから良かったよ。でも念の為に教会に行ってみよう。病気にならないようにね!)
「うん、そうだねー! それじゃあ教会に行ってみよー!」
皆で朝早く教会に行ってお清めをしてもらったの。
これで大丈夫!
一旦解散しちゃってね、お部屋に戻ってお休みしたよ。
グーグー寝ちゃったんだけど、寝すぎて夜中に目が覚めちゃった。
ゴロゴロしていれば寝られるかなぁ?
コロンコロン寝返りをうっていると部屋の中に妙な気配を感じたよ。
もしかして何かがお墓からついて来ちゃった?
家猫のモモ
異世界に転生して人間となる。
御主人(ヒロ)
人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。
エリオ・ジ・エイグストン(モモの従者)
レマ・トマトン(旅の同行者、料理人)
ナヴィア・ドライブズ(旅の同行者、馬車の運転手)
リシェーリア・パラノイア(プリスターの司祭今は味方?)
ゼノン・ハイム・ディラーム(ラヴィーナの従者)
王子シャーン(元気少年)
王女ルシフェリア(元引きこもり)
王女ラヴィーナ(格闘が得意)
王女イブレーテ(妹弟ラブ)
王子パーズ(恋焦がれる男の子)
王女アンリマイン(泣き虫)
王女マーニャ(派遣王女)
シャーンのお母さんテルナ
ウィーディアの女王。
爺
シャーンやテルナの付き人。
フルール・フレーレ
ラヴィーナの師匠で格闘家。
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
モモの教育係。
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
冒険者、エルフの姉妹。
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




