魔導超兵器グラディマイオス
ドンドコマウンテンに向かうことになった私達。
クロはフェンリルに、他の人は馬を使うみたい。
私は先行して山に向かい、動物、鳥、色々な気配を感知しながら人の気配を探す。
奥に見つけたのは大勢の人の気配。
探知範囲からは離れて行くし、仲間を待っていたら全部消えてしまいそう。
山の中を走りその場所へ向かうと、捕まっていた子供達が裸足で歩かされているのを発見した。
私は子供達を助け出すが、敵に囲まれてしまった。
でもそのぐらいは余裕で撃退したのだけれど、ストレイキャットでありながら子供を攫ったボスが現れた。
そいつも軽く倒そうとしたんだけれど、ダークネスステックにより強力なモンスターを呼び出されてしまう。
防戦一方になった時、クロとフェンリルが到着した。
クロに子供達を任せ、私はモンスターと対峙した。
分岐させたキャットスレイヴを全部いっぺんに叩きつけた。
それでも丸い体に小さなと傷が入るぐらいにはダメージがある……のかなぁ?
グラディマイオスの動きはまるっきり変わっていない。
生き物じゃないからこのぐらい平気なのかも。
じゃあやっぱり動かなくなるまでやるしかないかな。
「もういっかーい!」
ブンと伸びる相手の剣をグッと受け止めもう一回。
今度はその腕を狙ってみるけど、かたいのに柔らかくて全然切れない。
まだ胴体の方がやれそうな感じ。
だったらと連続でバチンバチンと体に叩きつけてやるものの、やっぱり表面が削れる程度だ。
これじゃあ何時までかかるか分からない。
もうちょっとガツンと当てなきゃダメなのかも?
じゃあ自分の手でバンってやってやろうかな!
「いっくよー!」
分岐していたキャットスレイヴを一旦元に戻し、私はドンと前に進む。
ビョーンと伸びる剣を身を低くして躱し、グラディマイオスの体の下へ。
通り過ぎる一瞬で、緑の光の中心を思いっきりぶっ叩いた。
「うわー、手が痛いよー!」
叩いた手がビリビリする。
でもそのお陰で大きなヒビが入ったみたい。
空中に浮かぶ機能が止まり、その体が地面に落ちていく。
地面にあった石にぶつかって動きを止めたみたい。
「勝ったのかなー?」
確認のためにキャットスレイヴでつんつんしていると、グラディマイオスが再び動き始めた。
さっきよりも激しく速い攻撃が飛んでくる。
これはもう一度叩かなきゃダメっぽい?
手が痛いのは嫌だけど、それでもやるしかないよね!
「てええい!」
縦横無尽の斬撃の中、私は隙間を縫って前へ、前へ。
今度は体の上からドーンと叩きつけた。
バチンとくる手の痺れ。
でもこっち側はあんまり効かないみたい。
じゃあやっぱり下側を狙うしかないかな。
「にゃあああああ!」
キャットスレイヴは地面擦れ擦れに、あの傷口を狙って下から上へ。
思ったほど手に衝撃はなかった。
この剣がグラディマイオスの体を切り裂いたからだ。
中に入っていた機械を飛ばしシュッパリと真っ二つ。
落ちて転がると動かなくなった。
「勝ったー!」
そして勝利に喜んだけど、まだフェンリルが戦っている。
あの男とは力もスピードもほぼ互角、中々勝負がつかないみたい。
じゃあ私が加勢しに行こうかな。
「フェンリル、お手伝いするよー!」
(む、ようやく勝ったか。しかし手出しは無用! このぐらい一人でも充分よ! うおおおおお!)
その場に到着すると、フェンリルと男がぶつかり合っていた。
「チィッ、グラディマイオスがやられただと!? こいつは不利か! だったら逃げさせてもらうぜ!」
不利と悟った男は懐から何かを取り出し、バチンと地面に叩きつけた。
バッと広がるおかしな臭いと視界を塞ぐ黒い靄。
鼻がツーンとしてあいつの臭いが分からなくなる。
(クッ、逃がすものか!)
男の姿が消えるとフェンリルが靄の中を追いかけて行く。
私はどうしよう?
うーん、皆が来る前に倒れた奴を縛っておこう。
一人一人ギュッと縛って動けなくしていると、
(すまぬ、逃げられた。奴の臭いを辿ろうにも鼻が利かなくてな。すまぬな)
男を追い掛けていたフェンリルが戻って来た。
でも成果はなかったみたい。
やっぱりあの男の気配も分からないし、追いかけるのはもう無理かも。
「じゃあ帰ろっか、子供達は助けたし」
(仕方あるまい、そうするとしよう)
私達は捕まえた奴等を連れて山を下りて行く。
若干抵抗はあったけれど、私達の力を恐れていうことを聞いてくれた。
麓に着く頃にはグリフ達もこの山に到着したみたい。
クロが連れて行った子供達も無事に保護されていた。
「モモ、お待たせ。ってもう終わっちゃったみたいだけどね」
「結構時間がかりましたからね」
私を見つけたリーズとカリンが走ってきた。
「モモ殿が早すぎるのだ、馬ではとても追いつけぬよ」
(モモ、大丈夫だった?)
グリフと御主人も私の下へ。
「うん、大丈夫だよ!」
私とフェンリルは捕まえていた悪者を引き渡す。
「でもボスは逃がしちゃったんだよー。もうどこか消えちゃった」
(うむ、すまぬ)
フェンリルはちょっと申し訳なさそうだ。
「ふむ、山には兵を送らせましょう。まだ何か手掛かりがのこされているかもしれませんからな」
「うん、でも結構強かったから気を付けてね!」
「ほう、モモ殿が云うのなら相当なものなのでしょうな。ならば単独行動をせぬように気を付けさせましょう。さて、こちらは子供と悪党の運搬をせねばなりません。モモ殿、もうわし等と一緒にもう一度山に入ってもらってもよろしいですかな?」
「いいよー!」
私は元気に返事をした。
やっぱり解決するためにはあのボスを捕まえなきゃいけないよね。
「クロ殿はどうされますかな?」
グリフが子供達を相手していたクロに声をかけた。
「ニャーは先に戻らせていただくニャァ。王にも報告をせねばなりませんからニャァ。勇者様、引き続きフェンリルを使わせてもらってもいいですかニャァ?」
私はフェンリルを見る。
良いよっとと頷いていた。
「良いみたいだよ」
「それは良かったニャァ。では子供達のことを頼みますニャァ。ではまた後でですニャァ!」
クロとフェンリルに跨ると先行して町に帰って行くと、残った私達はもう一度山の中へ。
★
「ここで戦ったんだよー!」
私はさっき戦ったグラディマイオスの残骸のある場所へグリフ達を連れて来た。
やっぱりあの男の気配は感じない。
もう遠くに逃げちゃったのかも。
「ほう、これが魔導超兵器グラディマイオスですか、なるほど、確かに。間違いはないでしょう」
グリフはグラディマイオスの残骸を見て何かを考えている。
「魔導超兵器って確か……」
「ええ、魔導国家マグナストリスにしかないはずですね」
リーズとカリンも何かを知っているみたい。
「御主人、マグナストリスってなに?」
(いや僕に聞かれても分かんないんだけど。たぶん何処かの国じゃないかな?)
「モモ、マグナストリスはキャットパラダイスの隣の国よ。基本的にはこの国とも友好的なはずなんだけどね。一応ウィーディアとも同じ感じよ」
「ふーん、そうなんだー?」
事情を知らない私にリーズが教えてくれた。
「モモ殿、これは国外への持ち出しはおろか宮廷魔導士にしか扱いを許されておらぬ物なのですよ。これは相当な大問題になるやもしれませぬぞ」
「グリフ様、それってウィーディアが関わっていい問題なんですかね?」
「カリン殿、まだ国家ぐるみと決まった訳ではないだろう。宮廷魔導士の誰かが私服を肥やす為に動いていたにすぎぬかもしれんし、逃げた男が盗んだ物かもしれん。まあそれでもあまり関わり合いになりたくないのは確かだがな」
「グリフ、じゃあ捜索はやめておくのー?」
「モモ殿、それとこれとは話が別ですな。ここで捕まえてしまえばただの誘拐犯。マグナストリスもそんな男を庇いだてはせぬであろう」
「じゃあ捜索っていうことね。カリン、人捜しの魔法をかけてあげて」
「ええ、では皆さん、一度集まってください」
っと、カリンの魔法が皆にかけられた。
私の想い描く顔の男が皆に伝わって、その居場所を報せてくれるはずだけど、今までとは違う感覚だ。
相手の位置が特定されないみたい。
「カリン、全然見えないよー?」
「それはおかしいですね。人捜しの法はちゃんとかかっているはず。向うで魔法を阻害しているのでしょうか?」
「わー、そんなことできるんだ?」
「ええ、魔法に精通している者であればある程度は。その男も方法を知っているのかもしれませんね」
「つまり肉眼で発見せねばならんということか。中々に大変な作業のようだ。しかしモモ殿のお陰で顔だけは確認できたな。さあ者共、急いで山狩りを行うのだ!」
『応!』
山に入った五十人ちょっとで捜したけれど、空になった盗賊のアジトぐらいしか発見はできなかった。
手掛かりもやっぱりなかったし、結局町に戻って王様に会いに行くことに。
家猫のモモ
御主人(ヒロ)
王子シャーン
シャーンのお母さんテルナ
爺
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(ブルースに頼まれて特訓中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




