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二人は何処に行ったかな?

 煙突のような道は狭く、一人しか通り抜けられそうにない。

 上は外に通じていたけど、敵の陣地の中だったよ。

 このままじゃ脱出も難しそう。

 洞窟の中に敵を引き込むことで陣地の人数を減らして一人ずつ外へ脱出したんだよ。

 次は洞窟から人を引き出し穴を塞げば終わりなの。

 全部終わってお城に戻った私。

 お母さんに報告して持って来た剣を渡してアリアにも会いに行ったんだ。

 剣を見たいっていうからビッツとシャリが持っていった物を見せてあげようかなって感じだよ。

 ジェイガストの町。

 ファランクスには指名手配がかけられて実質領主は不在な感じ。

 たけどね、屋敷では抵抗が続いているみたい。

 国を支持する者達と全面対決しているんだって。


 それも長くは続かないよ。

 だってお母さんの命令で討伐部隊がここに向かっているもん。

 ま、そっちはお任せしちゃおうか。

 戦場となっている町の中央を避けながら冒険者ギルドに立ち寄ったんだ。


「ビッツとシャリが居たら簡単なんだけどなー?」


(見つかりそう?)


「うーんとねー……。あ、見つけたー!」


 二人とも椅子に座ってだらけているね。


「こんにちはー!」


(こんにちは!)


 おっきな声で挨拶するとこっちに気が付いて手を振ってくれたよ。

 でもなんだかやる気がない感じ。


「何かあったのー?」


「色々あったさ。本当に色々とね」


「ギルドにじっくり話を聞かれましたよ。とてもじっくりと。本当に長くって。……ついさっき解放されたばかりなんです。ああ、疲れてしまいました」


「報酬も貰えるには貰えたんだけどね、結局銀貨三十枚程度さ。はぁ……」


 報酬っていえば兵士達から奪ったお金があったよね。

 今もまだ持っているよ。


「これ、あの時兵士達がもっていたやつだよ。とっといてー!」


 ジャラっとする革袋をテーブルの上にドンと置く。

 二人して袋を開けて確かめているよ。

 金貨なんて一枚も入っていなかったけど、銀貨五十枚ぐらいはあったんだ。

 それで二人は喜んで感謝してくれたの。


「それで、そちらは誰なんだい?」


「初めましてですよね?」


「アリアだよー。地下で見つけた武器を見たいんだってー!」


「アリア・ファイリーズと申します。どうぞお見知りおきを」


 紹介してあげると優雅に頭を下げて挨拶しているよ。


「返せというなら返しても良いけどね、あんたには色々世話になったし」


「ええ、とても感謝しています!」


「いえ、そういう訳ではないのです。わたくしは本に記された物語の続きを楽しみたいだけでして、見せていただけるならそれだけで充分なのです」


「そうかい、なら見て行きなよ」


「こちらもどうぞ」


 ビッツとシャリは武器をテーブルの上にトンと置いた。

 短剣と軽めの剣。

 邪魔にならなさそうなぐらいの小さな杖と、装飾が綺麗な木製の杖だね。


「アタシが貰ったのはこれだけさ」


「私はこの二つです」


 本の伝説が確かなら相当昔の物なのに錆びも傷もなくて綺麗な状態。


「それでは拝見させていただきます!」


 アリアは武器を一つずつ手に取ってまじまじ確認しているよ。

 じっくり刃を触ったり、柄の装飾をいじくり回したり、見ているだけでもとても楽しそうな感じ。

 だけど一分たっても二分経っても一本目でさえ終わらなそう。

 何だか時間がかかりそうだし私は二人と話をしていたの。


「一緒に脱出した他の人達はどうしたのー?」


 ここのギルドには見当たらないね。


「さあね、知り合いでもないし知らないよ。ただちょっとおかしな噂があるんだよね。ファランクスのことは知っているだろ? その反逆者共の中に恐ろしく強い武器を使う奴が居るって噂だぜ。一振りで文字通りに大軍を消失させた、なんてこともあったらしい。殺したんじゃない、消した、だぜ」


「だからこそ未だに反逆者を壊滅できないみたいなんですよ」


「それってもしかして他の皆は敵側に行っちゃったってことー?」


「そうとも限らない。元々あった物か隙をついて奪われただけかもしれないしね。ま、でもそいつをどうにかしない限りは増援が来たとしても勝てないかもしれないよ」


「じゃあ消えた人達は戻って来ていないのー?」


(うん、そこは気になるよね)


「何人かは戻って来たみたいだよ。かなり憔悴しきっていた様子だったみたいだけどね」


「確か目覚めたら海の中だったという話。もう少しで溺れ死にしそうだったと聞きました」


「別の奴は空中だったらしい。そこまで高くなかったから助かったみたいだよ」


 話しを続けていたらね、アリアが一つ目の剣を見終わったみたい。


「なら間違いなく転移魔法ですね。普通ならば相当の儀式か魔法力を必要とするはず。剣に封じ込めるだけでも現代の技術では不可能です。無限に使用できるとなれば持ち出された秘宝の一つに違いありません。もしかしたらモモさんにも声がかかるかもですね」


「ふーん?」


「国の大事なのはわかっていますが、今はそれよりも、この武器にもどんな力が秘められているのか気になってしかたがありませんとも!」


 アリアは中々悦に入った感じだね。


「それじゃあ試してみるかぃ? アタシ達もまだ真面に使ったことがないからね。知れるなら性能を知っておきたいんだよ」


「そうですね。冒険の役に立つ物であれば尚いいですね! どうぞ調べてください!」


「お言葉感謝します! それでは町の外に行ってみましょう! 何かあったら不味いですから!」


「はーい!」


(うん、行こう!)


 皆で移動し町の外。

 一迷惑をかけないようにちょっと離れて町を背にしてやるんだよ。


「それではどの武器から試しましょうか!」


 アリアは張りきってワクワクしているね。


「ま、どれが危険かも分からないんだ。どれでもいいんじゃないか?」


「それでは私が持っていたこの杖なんてどうでしょう? 小さいのでそこまで危険なこともないと思いますよ」


「それじゃあそうしよー!」


「ではモモさん、お願い致します! 伝説を見せてくださいませ!」


(モモ、何が起こるか分からないから気を付けてね)


「はーい!」


 シャリから手渡された杖を握ってビュンと振ってみた。

 二回三回試したけれど、何かが起きる気配はないよ。


「もしかしたら魔力が必要なのかもしれません。モモさん、わたくしがサポート致します。もう一度振ってみてください!」


「分かったー!」


 アリアが私の背中に手を当てる。

 暫くすると暖かい物が体の中に流れ込んで来たんだ。

 ちょっと猫ちゃん達を呼び出す感覚に近いね。


「もう充分なはずです。さあもう一度お願いします!」


「それじゃあ行くよー!」


 魔力の感じを掴み取って杖先に流すようにして振ってみたの。

 ブオンと閃光が飛び出して遠く彼方にまで伸びちゃって、とんでもない振動と音を巻き起こしながら地面に数キロ四方もありそうな奈落を作り出しちゃった。

 下を覗いても真っ暗で何にも見えないぐらい深いんだ。

 きっと町の中も大騒ぎ。


「……お、おおおおおおおおおい! 何にも安心出来ないじゃないのさ!」


(そ、そうだね、これはちょっと国が滅びちゃいそうな威力だよ)


「ちょ、ちょっとこれは持つのさえ躊躇ってしまいますね。町の中で発動させていたらと思うとゾッとします。あの、アリアさん、どうか国で管理してもらえるようにお願いできませんか?」


「ええもちろん、謹んでお預かりいたしますとも!」


 アリアは目を輝かせて私の持っていた杖を奪って行くよ。

 直ぐに封印術を施して使用が出来ない状態にしちゃったんだ。


「さて、次に行きましょう!」


「えー、こんなのになったのにまたやっちゃっていいのー?」


「もちろんです。何も知らずに使用して万が一何かあったらどうするのですか! むしろ続行です!」


(まあそれもそうなんだけどねぇ)


「そっかなー?」


 誰か来て怒られそうな雰囲気があるんだけど。

 うーん、まあいっか。

 その時はその時考えるよ。

 私はもう一本の杖を手に取ったんだ。

 これも同じように魔力を流し込んでブンと振ってみたの。

 何も起こらないかなって思ったけれど、


「おい、何か赤い物が地中から湧き出して……」


「ま、不味いですよ。このままでは町が大惨事です! 指名手配がかかっちゃいますよおおお!」


 さっき開けた奈落の底が赤くボコボコとしちゃってね、ドーンと弾けて大爆発。

 キューンと空から防ぎようがないぐらいの熱い溶岩弾が落ちてきちゃう。


「ご安心を。万が一のために備えて結界術を備えていました。すでに発動済みですので町への被害はありませんとも!」


 町の上空にまで張り巡らされた結界で町は無事。

 だけど大きい魔法を使っちゃったからアリアは結構疲れ気味。


「さあ次行きましょう!」


 それでも続けようとしたんだけれど、


『無理!』


 満場一致で中止が決定したんだよ。

家猫のモモ

異世界に転生して人間となる。


御主人ごしゅじん(ヒロ)

人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。


エリオ・ジ・エイグストン(モモの従者)

レマ・トマトン(旅の同行者、料理人)

ナヴィア・ドライブズ(旅の同行者、馬車の運転手)

リシェーリア・パラノイア(プリスターの司祭今は味方?)


ゼノン・ハイム・ディラーム(ラヴィーナの従者)


王子シャーン(元気少年)

王女ルシフェリア(元引きこもり)

王女ラヴィーナ(格闘が得意)

王女イブレーテ(妹弟ラブ)

王子パーズ(恋焦がれる男の子)

王女アンリマイン(泣き虫)

王女マーニャ(派遣王女)


シャーンのお母さんテルナ

ウィーディアの女王。


グリフ・リスマイヤー

シャーンやテルナの付き人。


フルール・フレーレ

ラヴィーナの師匠で格闘家。


青鎧のブルース・グライブス

教育係アリア・ファイリーズ

モモの教育係。


赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)

桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)

冒険者、エルフの姉妹。


ベノム(ブレードバード隊、隊長)


ルーカ(孤児)

プラム・オデッセイ(里帰り中)

ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)


クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)

シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)


剣と魔法の世界 ミドレイス

翼の生えた子供 ウリエリア

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