森に潜む者
結構平和な日常が続く。
のんびりしている私のところにベノムからの呼び出しが。
ウィーディアの領地の一つでおかしなことが起きているんだって。
それはキャットスレイヴを落としたかもしれない近くのところ。
もしかしたらって何かあるのかもって新人のティルルって女の子とデュレイ・ダイン・ユーランズって伯爵の領地に向かうんだよ。
ちょっと挨拶して早速討伐に行ったんだけど、軍大将のディーチ・アンドロメギウスって人があんまりいい感じじゃなかったんだよね。
協力を拒否されちゃって見守っているだけになっちゃった。
結構時間が経ったけど、今のところは順調っぽいね。
ある程度の大型モンスターもちゃんと倒しているみたい。
怪我した人達の治療のお手伝いするって言ってもそれもしちゃダメって感じでね、私は本当に何にもすることがないんだよ。
「ちょっと暇だねー」
(モモ、それじゃあその剣を試してみたら? まだちゃんと使ったことないでしょ?)
「そうしてみようかなー?」
私はティターニアを構えてみたよ。
紫の刃がちょっとオシャレ。
邪魔にならないところでシュッと振ると紫の軌跡が空に残る。
数秒ぐらい留まってサッと消えて行っちゃった。
これはもしかして何かありそうだったり?
「モモ様、訓練でもするんっすか!? 私も付き合うっす! 英雄の剣、受けてみたいっすもん!」
「うん、ありがとー!」
だけどまだ入ったばかりの新人だもん。
手加減はしてあげないとね。
「それじゃあこちらから行くっすよ!」
走って来るティルルと打ち合いを始めるよ。
初めて使うこの剣はかなり軽くていい感じ。
ガチンと打ち合うと紫の軌跡が壁になりティルルの剣に張り付くの。
「……モモ様、何っすかこれ? 色が変わっちゃったっすけど」
「うーん、分かんない」
「それじゃあ気にせず続けるっす!」
ティルルは剣を振り上げ向かってくるよ。
あんまり速くも鋭くもなさそうだけど、とりあえず受け止める準備をしていたらね、紫になった部分がパキーンって弾け飛んじゃった。
「うわあ、私の剣が壊れたっす!?」
もしかしてこれが剣の効果だったりして?
「ごめんね、何か壊しちゃったよー」
「いや、まあしょうがないっす。モモ様も知らなかったんすもん。先ずは色々試してみるっすよ!」
「そうだねー!」
大きな石とかその辺の木とか色々試してみちゃうとね、色がついた所が数秒後に壊れちゃう感じ。
中々面白そうな機能だけど、これ、訓練には向かないよね。
もし頭とかに当たっちゃったらとんでもないことになりそうだもん。
やる前に気が付いてよかったよ。
「これは……ちょっと怖いっすね」
「そうだね、訓練はやめとこうか」
(まあそうした方がいいかな)
これで訓練はここでお終い。
また何かあるまで待機してようかなって思ったら、
「た、大変だああ! 大物が出現したぞおお! 至急応援を、応援を頼むううう!」
遠くの方から声が聞こえてきちゃったよ。
今回は切迫した雰囲気だよ。
「行ってみよー!」
(気になっちゃうもんね)
「そうっすね!」
ティルルに声をかけて行ってみようとしたら、
「手出し無用と言ったはず。大人しくしていてもらおう。ここは我が軍だけでけりをつける!」
こんな時でもディーチは私を止めて来るんだ。
そんなに助けられるのが嫌なのかなぁ?
「ついて行くだけならいいでしょー?」
「ふん、邪魔をせぬなら見逃してやる」
それだけ云って背中を向ける。
「手の相手いる者を集めよ! 要請のあった場所に急ぐぞ!」
そのまま兵士に指示を出してね、構わず進んで行っちゃうの。
仕方ないから私達も後に続くよ。
少し歩くと前の方から戦闘音が聞こえてくる。
誰かの悲鳴と爆音。
バンとかなりの高さに打ち上げられる数人の兵士達。
(モモ!)
「うん、ちょっと行ってくるね。御主人をお願い」
私は小さな声でティルルに伝えたよ。
手を出さないって言ったけど、助けられるのに助けない訳にはいかないもんね!
ディーチに気付かれないように森をササッと移動して落ち切る前にガッツリキャッチ。
内緒だよって伝えてね、皆を無事におろしてあげたよ。
相手は鎧を着たような大きな熊さん。
六メートルぐらいの超巨体。
キャットスレイヴは……持っている様には見えないね。
だけどかなり狂暴そうで剣も槍も魔法だってバシバシ弾いて突進してくるよ。
「相手はたった一体! 囲んで攻撃せよ!」
かなり苦戦中で、ディーチは怒ったように指示を出している。
大人数で防御を固めても鎧熊さんが簡単に吹き飛ばしちゃうし、大きな体のわりに相当な機動性で陣形があんまり機能していない感じ。
流石に近すぎるからもう助けには入れなさそう?
うーん、何とか助けられないかなぁ?
見つからないのは鎧熊の後ろぐらいだね。
一回素早く攻撃でもしてみよう。
全速力で鎧熊の背後に立ってズバッと一発。
そのままササっと離脱しちゃうよ。
切れ味もバッチリ、鎧を切り裂き大きな傷を与えたよ。
そして紫色に変わった部分がバーンと弾けて傷を広げるの。
倒すまでにはいかなかったけれど、鎧熊は痛みに呻いた。
「おお、効いているぞ! このまま攻撃続行! 正面、壁を作り直せ!」
皆集中しているから私には気が付いていない感じだね。
それじゃあもうちょっとやってみようかな。
続けてシュバっと移動して連撃を食らわせたよ。
遠くに退避しちゃうとまたバーンって背中が弾けてね、装甲がバリバリに壊れちゃった。
「もう少しだ、やってしまえええ!」
ディーチは大喜びで指示を出して一斉攻撃をさせたんだ。
鎧が無くなっちゃえば普通の熊さんと同じだよ。
それでも大きくて強いけど、剣や槍だって普通に食らわせられるの。
流石にもう負けはないね。
続けていると鎧熊は断末魔の悲鳴を上げたよ。
皆、勝利に喜んでいるけど、ディーチは直ぐに探索を再開させたんだ。
倒したいのは違う奴だもんね。
モンスターを倒しながらドンドン森の奥へ入って行くよ。
大物どころか小物まで出現しなくなった頃。
多量の木の株が辺りに増えてきたの。
何だかかなり近づいている気がするね。
もしかしたら、今感じているこの気配がそうなのかも。
その方向を見つめてね、剣の柄に手をかけるんだ。
向うも様子を窺っている感じ。
だけど穏便にはいかないよ。
兵士達がガッツリと踏み込んじゃうんだもん。
『ガアアアアアアア!』
怒ったモンスターは威嚇の声を上げて目の前に出現したんだ。
さっきの鎧熊より倍以上は大きな体。
八本の腕に鎌を持つ怖そうな甲虫だよ。
何となくダンゴムシに似ているけれど、ちょっと長くて芋虫みたい。
キャットスレイヴは……。
見た感じはなさそうだね。
とにかく倒しちゃわないと。
ティターニアを引き抜こうとするとね、
「手は出すなと言ったはずだ。そこで大人しくみているがいい」
やっぱり止められちゃったんだ。
それで戦闘が始まっちゃうの。
いきなりの突進と鎌の攻撃により盾までバッサリ切られちゃって怪我人が多数出ているよ。
ディーチの指示も飛ぶけれど、全く状況は改善されずにバタバタ人が倒れて行くんだ。
ちょっと見ていられない状況かも。
放って置いたら死んじゃいそうだもんね。
「猫猫召喚! 皆出て来て、癒しの猫ちゃん!」
呼び出した白猫ちゃん達は傷ついた人達の前に下り立って傷を舐めて癒していくよ。
「おい、手は出すなと……う、うおおおお!?」
また注意されそうになったけれど、その時ダンゴムシが突進を仕掛けてきたよ。
大鎌がディーチを狙っている感じ。
「たあああ!」
誰にも止められないのなら私が前に出るしかないよ。
たぶんこれで止められるってティターニアを振るうんだ。
シャシャンと四発鎌と打ち合い一瞬空中に壁が出現する。
直ぐに消えて鎌を染め上げちゃったんだけど、突進を止めるぐらいには硬かったみたい。
ほんの一瞬だけれども、私にとってはそれで充分。
二つ目の鎌も攻撃してね、バッキリベッキリ壊しちゃった。
だけど終わりじゃないんだよ。
ダンゴムシは体を持ち上げ下にあった二つの鎌を取り出すの。
それじゃあそれも壊してあげる!
「行くよー!」
ドンと踏み込んで敵の懐へ進むんだ。
家猫のモモ
異世界に転生して人間となる。
御主人(ヒロ)
人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。
エリオ・ジ・エイグストン(モモの従者)
レマ・トマトン(旅の同行者、料理人)
ナヴィア・ドライブズ(旅の同行者、馬車の運転手)
リシェーリア・パラノイア(プリスターの司祭今は味方?)
ゼノン・ハイム・ディラーム(ラヴィーナの従者)
王子シャーン(元気少年)
王女ルシフェリア(元引きこもり)
王女ラヴィーナ(格闘が得意)
王女イブレーテ(妹弟ラブ)
王子パーズ(恋焦がれる男の子)
王女アンリマイン(泣き虫)
王女マーニャ(派遣王女)
シャーンのお母さんテルナ
ウィーディアの女王。
爺
シャーンやテルナの付き人。
フルール・フレーレ
ラヴィーナの師匠で格闘家。
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
モモの教育係。
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
冒険者、エルフの姉妹。
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




