悪魔退治
エルフの長老から世界魔法ウリエリアの事を教えてもらい、私は七つの種族を集めに行くことに。
ウィーディアに戻ってね、ベノム率いるブレードバード隊とジャック・スローの隊から全員見つけたんだ。
隊の皆と一緒にね、ザーザメンドに向かったよ。
山の麓に隠された魔界の入り口。
私達はその場に集まって魔法の準備を始めたよ。
私とカリン以外の五人が五方向に陣取って指示を待っているの。
それ以外の人は警護してくれているんだよ。
あとは悪魔を魔界から呼び出さなきゃダメなんだけれど、それが一番難しいよね。
「うーん、でもどうすればいいんだろうね?」
(やっぱり追って来させるようにしなきゃじゃないかな)
「そんなのは簡単よ! 向うで暴れてこっちに来たくしてやればいいのよ!」
「リーズ、良いことを云うじゃねぇか。そういうことなら俺達ブレードバード隊が役に立つぜ! 魔界ってところで暴れてやりゃあいいんだろ! 悪魔ってやつとも戦ってみたいって思っていたからな!」
「それなら簡単だねー!」
私はリーズとベノムの意見に頷いたよ。
「それならば、このジャック・スローの隊はこの場の警護をいたします。ここが潰れては元も子もないですからな」
「うん、お願いね!」
「よぉし、んじゃいっちょ行くか! ……で、どうやって行くんだ?」
「アリアは魔力が要るって云っていたよー?」
それはアリアがやっていたもんね。
私はあんまり知らないよー。
「案外簡単なものですからカリンが道を作りますね」
「カリン、お願いねー!」
「では準備が出来たら声をかけてください」
「私はもう大丈夫ー!」
「何時でも行けるわよ!」
「当然俺等もだぜ! そうだろお前等!」
『おおおおお!』
皆も行けそうな感じ。
(僕はここで待っているね。その方が戦いやすいでしょ?)
「別にそんなことはないけれど、それでもいいよー!」
(じゃあ待っているね)
「うん!」
「では門を起動させます。お姉ちゃんとベノムさんの代わりは居ますけど、モモさんの代わりは居ないのですから必ず戻って来てくださいね!」
「はーい!」
「あら、辛辣なお言葉を頂いてしまったわ。これは是非とも帰ってお仕置きしなければ!」
「俺等が負ける訳がねぇだろ! 目ぇかっぴらいて見とけよオラァ!」
「では皆さん頑張って来てください。直ぐに起動します!」
カリンが魔力を注ぎ込むと魔界への門がゴゴゴっと起動するんだ。
前と同じで光の柱が伸びている。
「それじゃあ行ってきまーす!」
「行くわよ!」
「行くぞお前等、俺に続けええええ!」
『おおおおお!』
術の為に獣人さんは残ったけれど、それ以外の人達は私達について来る。
到着したのは赤い月から少し遠いところ。
やっぱりちょっと暗いけど、アリアの残してくれた光の魔法がまだ残っていたよ。
でももう敵の真っただ中。
獲物を見つけた猛獣のように集まって来るモンスター達。
従えるのはアリアを呪った悪魔だよ。
万を超える軍勢に息つく間さえない感じ!
「来るからねー!」
「すごく多いわ! やり応えがありそうね!」
「おう、やり放題だ!」
ベノムは一人で飛び出して、空を滑空するモンスターをバシバシ斬っている。
ブレードバード隊の皆は地上で陣形を組むの。
リーズもそこに混じってね、得意な槍を構えているよ。
私はもちろん悪魔が狙い。
邪魔なモンスターをバシッと払い、足場にしたりしながら上空に。
「戻って来たよー!」
「もう一人はどうした? ちゃんとくたばったか?」
「たああああ!」
手に力が入りそうだけど、挑発なんかにはのらないよ。
ズバンと斬り裂き悪魔を液体に変えるんだ。
バシャッと散らばって地面に落ちてまた新しい体になって蘇って来る。
「それがどうしたああああ!」
痛みさえ感じていない?
だけど別にいいもんね!
これはただの嫌がらせだもん!
お返しはまた後で。
出て来た悪魔を集中的にザシュンバシュンって倒し続けるんだ。
もう百回は倒したかな?
「何度も何度も鬱陶しい! そろそろ死ねええええ!」
相手もイラついているようだし、そろそろ帰ってもいいかもね。
「皆、そろそろ戻ろうかー!」
「おう、もう充分暴れたからな。こっちは何時でも帰れるぜ!」
「それじゃあ帰ろー! 赤い月の方に行くんだよー!」
「撤退だ、撤退!」
ベノムの号令がかかると皆は移動を始めるよ。
でもこのままだとちょっと時間がかかっちゃう。
私は皆の体をキャットスレイヴで掴み上げてそのままの状態で赤い月に向かうんだ。
途中で傷を癒したりしながら走っているけれど、
「ここまでされて逃がすものかああああ!」
悪魔達は当然のように追って来るの。
待ち構えていたモンスターが道を塞ごうとしてくるけれど、それでも私は止まらない。
「たああああ!」
「たりゃああ!」
「うおるぅああああ!」
私達は全てを蹂躙しながら魔界を脱出したんだ。
全員無事だったけど、かなり疲れている人も居るみたい。
まあベノムみたいに元気な人もいるけどね。
「それじゃあ私、もう一回行ってくるよー!」
「私は休憩しとくわ。ちょっと体力が持たないもの」
「俺は付き合うぜ! こんな斬り放題なイベントは滅多にねぇからなぁ!」
「いいえ、ベノム殿は充分に愉しんだでしょう。これからは我々ジャックスロー隊の時間です。どうぞこの場で警護をしておいてください」
「分かった分かった。怖い顔で睨むんじゃねぇ。俺等は休憩タイムにしとくとするぜ。その代わり泣いて帰って来るんじゃねぇぜ? 相手は万以上の数だ」
「あり得ませんね」
そう吐き捨てたジャック・スローは魔界の入り口に目を向けたよ。
「モモ様、準備が出来次第突入いたしましょう」
「それじゃあ行こうかー! 二回目の悪魔退治だよー!」
私達は魔界の門を通り抜ける。
二度目の侵入は更に激しさを増して怪我人も多く出たけど死傷者は出さずに帰れたよ。
三回目はベノムとジャック・スローが共闘して四回目は私とリーズが、五回目なんかは一人で頑張ったんだ。
倒しまくって怒らせて、怪我しそうに鳴ったら帰っちゃう。
何度も何度も何度も何度も、
「いい加減にしろおおお!」
悪魔もカンカンに怒っちゃって追いかけてくるんだ。
赤い月を通り抜け、皆が待っている門の場所。
「来たよー!」
先に出て来た私は皆に声を描けたんだ。
直ぐに悪魔がやって来る。
その前に準備しなきゃ!
「モモさん、指定の場所に急いでください!」
「うん!」
私は作られた陣の一つに立つんだよ。
その直後、悪魔とモンスター達が門から飛び出すの。
「貴様等、もう許さん! 俺様の真の力を見せてやるわ!」
ビキビキと血管のような筋が膨れ上がり他のモンスター達を自分の体に取り込んでいく。
「今です! 澄み切る青。広大な大地。涼やかなる風。命の大樹。盛る赤。流れゆく時。星の煌きを以て一つにせよ。悪しき心を打ち払え。発動せよ、世界魔法ウリエリア!」
その隙にカリンがすごく早口で呪文を唱えたんだ。
悪魔の体が七つの力に包まれて魔界とのつながりのような糸が途切れて行くよ。
「な、なにィィィ、世界魔法ウリエリアだとおおおお!? 何故貴様達がその魔法を使えるのだ! 遥か昔に途絶した魔法なのだぞ!」
「例え悠久の彼方にある魔法であろうと我々エルフには知恵があるのです。遥か未来に起こるかも知れない危機の為に、今この時の為に、書に残していたのです!」
カリんはビシッと宣言したよ。
「長老は忘れていたけどねー!」
「モモさん、それは云わなくてもいいのですよ!」
補足をしたらちょっと怒られちゃった。
その間にも悪魔の変化は終わったみたい。
全身が大きくなりに黒光りする装甲を纏い、両手両足に鋭い鍵爪。手は人のようになり両手に剣が握られている。
「おい、もういいのか? やっちまってもいいのかよ!?」
「ええ、魔法は完成しました。存分にどうぞ!」
「それじゃあ行くよー!」
『うおおおおおおお!』
私達は全員で悪魔に攻撃を始めたよ。
家猫のモモ
異世界に転生して人間となる。
御主人(ヒロ)
人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。
エリオ・ジ・エイグストン(モモの従者)
レマ・トマトン(旅の同行者、料理人)
ナヴィア・ドライブズ(旅の同行者、馬車の運転手)
リシェーリア・パラノイア(プリスターの司祭今は味方?)
ゼノン・ハイム・ディラーム(ラヴィーナの従者)
王子シャーン(元気少年)
王女ルシフェリア(元引きこもり)
王女ラヴィーナ(格闘が得意)
王女イブレーテ(妹弟ラブ)
王子パーズ(恋焦がれる男の子)
王女アンリマイン(泣き虫)
王女マーニャ(派遣王女)
シャーンのお母さんテルナ
ウィーディアの女王。
爺
シャーンやテルナの付き人。
フルール・フレーレ
ラヴィーナの師匠で格闘家。
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
モモの教育係。
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
冒険者、エルフの姉妹。
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




