作戦開始!
ウィーディアに戻った私はリーズとカリンを連れて二人の故郷へ向かったの。
青い森にあるエルフの里で私達は悪魔の事を知っているという長老に会ったんだ。
でもね、あんまりにも前のことで記憶があいまいなんだって。
だから家の中にあるっぽい本を探したんだよ。
見つかったのはいいけれど、古代言語で書かれていて私達は分かんなかったの。
それで長老に読んでもらおうとしたら古代言語も忘れてたんだよ。
私達は何とか思い出してもらおうって頑張ってようやく内容を聞けたんだ。
「それで結局なにをすればいいのー?」
「それはだな。七つの種族の魔力を纏め上げ一つの魔法として使用するのだ。その名を世界魔法ウリエリアという」
「ウリエリア?」
その名前は知っているよ。
私達をこの世界に連れて来てくれた女神様だもんね。
「うむ、この世界を創造したと云われる女神の名だ。昔は皆がこぞって信仰していたが、今ではほぼ忘れ去られてしまっているがな」
「そうなんだー?」
ウリエリアって忘れられていたんだ。
私達は絶対忘れないからね!
「長老様、集めるのはどんな種族でもよいのですか? 例えば我々エルフとロウエルフとか?」
「うむ、ロウエルフは同じエルフであっても別種族。問題はないな。ただ、ハイエルフ達は違うぞ。あ奴等はただ自分達でそう名乗っているだけだからな。ようは別種類の魔力であればよいという話だ。それとこれは魔法使いを集めろと言っているわけではない。発動者はあくまでも一人。他は補助的な役割でしかないからな」
「なら簡単よ。私達がその魔法を習っとくからモモは人を集めて来なさいな」
「ええ、エルフはカリンが担当します。あの国であるなら人は簡単に見つかるでしょう。ですから残りは四種族ですね」
「四? 五じゃなくってー?」
(モモ、自分も数に入れないと。モモはストレイキャットって種族でしょ)
「あ、そっかー!」
うんとうんと、悩んで考えるよ。
ウィーディアの近くのお友達はいっぱいいるけど、種族が違うってなるとー?
とにかく捜してみよー!
私は森を飛び出しウィーディアの町に戻って行くんだ。
★
先ず思いつくのがウィーディアの兵隊さん。
中でも私の所属しているブレードバード隊なんかは獣人さんが多く所属して居るんだよ。
「こんにちはー!」
(こんにちは!)
私はシャシャっと移動してベノム達に声をかけてみたの。
「お、モモじゃねぇか。何だ、遊びにでも来やがったのか?」
「違うよー。ちょっと手を貸してほしいんだー!」
「無茶な話じゃなければ乗ってやってもいいけどな。先ず事情を聞かせろや」
「うん、実はね――」
私は悪魔と戦うから七つの種族を集めているって伝えたよ。
「悪魔を倒すねぇ。俺達で力になれるってんならもちろん引き受けてやるぜ! なぁお前等、そうだろ!」
『おおおおお!』
皆超盛り上がっているよ。
その中でも必要な三人は。
巨熊族って熊さんみたいな獣人バルグ。
腕が翼になっている飛鳥族のアンティール。
リザードマンぽいけど違うって言い張る蛇目族のポルックス。
ベノムは元人間みたいだけれど、だったら人として参加してもらえばいいもんね。
それじゃあ残りはあと一人だね。
ブレードバード隊にはもう獣人が居ないからもう一人の知り合いに声をかけてみようかな。
「じゃあ先にザーザメンドに行っといてー。私もう一人を見つけて来るからー!」
「んじゃ用意しておくぜ。テメェ等、戦闘の用意をしろや!」
そんな感じで皆が用意を始めちゃう。
私は天狼ジャックスローの隊長さんに声をかけに隊舎に向かうことに。
前にちょっとだけ弟子を取った時に知り合った人だよ。
咆狼族って種族で隊の名前と同じジャック・スローっていうの。
早速会いに行ったらね、
「えー、居ないのー?」
「すみませんモモ様。隊長は現在野外討伐任務の最中でして、予定では帰還されるのは三日後になられるかと」
残って雑用をしていた人がそう教えてくれたんだ。
タイミングが悪くって出かけちゃったんだって。
出来れば戦える人が欲しかったんだけど、他の人にしようかなぁ?
(三日ぐらいの距離だったら案外近くに居るんじゃないの? どの辺りに居るのか聞いてみたらどうかな?)
「あー、そうだねー!」
それで聞いてみると西の方に行っているって教えてくれたよ。
私はお礼を言ってその場所に向かったんだ。
草原を駆けて探し回っていると人の気配を感じちゃった。
こんなところに数十人も居るんだからたぶんそこだね。
ピョンピョンと向かうとね今丁度大型のトカゲと戦っているところだったんだ。
相手は突進したり尻尾を振り回したり変な液とか飛ばしているの。
ダメージは受けているみたいだけれど、まだまだ倒れそうにないね。
「正面、盾での防御を欠かすな。右陣、左陣、隙をついて攻撃開始! 一撃離脱を心がけよ! だが無理はするな。深追い厳禁。自らの考えで危険だと思ったら直ぐに退くのだ!」
で、指揮を執っていたのが白いハウリングウルフ。
この人がジャック・スローなんだ。
今は忙しそう。
私達はあんまり時間がないんだよ。
だから暇にしてあげようね。
「たああああああ!」
風のように吹き抜けて、大トカゲにザクっと一撃入れちゃうの。
完全な致命傷。
バッタリ倒れて動かなくなっちゃった。
「な、モモ殿、何故ここに!? いや先ずトカゲの生存確認だ。引き続き油断するな!」
と、部下に指示を出してようやく私の方に向かって来るよ。
「こんにちはー!」
「何の用かは知りませんが、折角の実践の機会を奪わないでいただきたい。あのような大型モンスターには滅多に出会えないのですから」
「うーん、それはごめんね。でも私達急いでいるの! 一緒について来て欲しいんだ!」
「理由も分からず同意は出来ませんな。何故なのかをお教え願いたい」
「えっとね――」
私は色々事情を伝えたよ。
「なるほど、悪魔との戦いとは……。想像以上に危険なことをなされようとしているのですね。いいでしょう。私達も御同行いたします」
「私達?」
「もちろんここに居る兵士達ですとも。強敵との戦いなら我々の訓練に丁度良いのです。大トカゲの代わりに退治して差し上げましょう!」
ジャック・スローの隊が来てくれるのならとっても心強いね。
でも流石に全員は連れて行けないみたい。
五人のベテランが選抜されて残りはテントとかをお片付けして町に帰るんだって。
まだ十人も居るから大丈夫そうだよね。
私はジャック・スロー達六人を背負いウィーディアの町に。
転移場の先だって伝えてね、エルフの里にリーズとカリンを迎えに行くの。
そろそろ習得出来たかな?
「見つけて来たよー!」
(ただいまー!)
リーズとカリンは外で魔法のお勉強中。
攻撃魔法とか支援魔法の強化習得をしていたよ。
長老が教えてくれていたみたい。
「お帰りモモ。こっちの準備はバッチリよ!」
「はい、世界魔法の習得も完了いたしました! 何時でも行けますよ!」
「わーい、じゃあ移動するよー! 長老さんありがとー!」
「うむ、気を付けて行ってくるのだぞ」
そんな感じでウィーディア。
転移場にはブレードバードとジャックスロー隊が集まって入念に武装や薬の確認をしていたよ。
「そろそろ行ってもいいかなー?」
「おう、こっちは問題無いぜ! だろ、お前等!」
『おおおおお!』
ベノムの隊はやる気たっぷり。
「こちらも準備は整っています。合図を下されば直ぐにでも行けます」
ジャック・スローの方は静かにその時を待っているよ。
「それじゃあ出発だよー!」
私達は呪文を唱えて転移の門を開くんだ。
ザーザメンドのお城跡。
牢屋っぽい地下室から地上に上がり違う国の風を感じるの。
「私ちょっとアリアの様子を見て来るよ。皆はここで待っていてねー!」
「おう、しっかり挨拶して来い。もしかしたら最後になるかもしれねぇからな」
「そんなことにはならないよーだ!」
ベーってベノムに舌を出してアリアの様子を見に行くの。
お屋敷の一室で眠っているみたい。
シロツキに聞いたらね、痛みに苦しむよりはって眠りの魔法をかけているんだって。
それでも唸って痛そうにしているよ。
「アリア、直ぐに倒して来るからね!」
(絶対倒して来るから待っていて!)
私達は必ず倒すって誓いを立てるんだ。
もうちょっとお話していたいけれど、アリアの時間もないもんね。
「それじゃあ行こう。悪魔退治に出発だよー!」
(おー!)
アリアの手を放して皆の下へ。
そのまま悪魔の居城に向かうんだ。
家猫のモモ
異世界に転生して人間となる。
御主人(ヒロ)
人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。
エリオ・ジ・エイグストン(モモの従者)
レマ・トマトン(旅の同行者、料理人)
ナヴィア・ドライブズ(旅の同行者、馬車の運転手)
リシェーリア・パラノイア(プリスターの司祭今は味方?)
ゼノン・ハイム・ディラーム(ラヴィーナの従者)
王子シャーン(元気少年)
王女ルシフェリア(元引きこもり)
王女ラヴィーナ(格闘が得意)
王女イブレーテ(妹弟ラブ)
王子パーズ(恋焦がれる男の子)
王女アンリマイン(泣き虫)
王女マーニャ(派遣王女)
シャーンのお母さんテルナ
ウィーディアの女王。
爺
シャーンやテルナの付き人。
フルール・フレーレ
ラヴィーナの師匠で格闘家。
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
モモの教育係。
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
冒険者、エルフの姉妹。
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




