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姉妹の故郷

 アリアが怪我をして悪魔が何かをしたみたい。

 怪我は治ったのにすごく痛がっているの。

 魔力が集まらないって云っていたし、作戦は失敗したね。

 一度戻ろうとしたらもの凄い勢いで集まって来ちゃう。

 ガチンと防御しちゃってね、反撃しながら帰って行くよ。

 赤い月から山の麓に戻れたのはいいんだけれど、アリアの体調がすぐれないみたい。

 急いで町に帰ってね、調べて貰うと呪いがかけられたんだって。

 このままじゃ死んじゃうかもしれないから悪魔を倒すしか方法がないみたい。

 倒しに行こうかなって思ったけれど、あそこは魔力がないと開かないんだ。

 だからリーズとカリンにお願いしにウィーディアに行ったんだ。

 お城で見つけるとね、エルフの里に何かあるかもって話を聞いて直ぐに向かうことにしたんだよ。

「ここからもう少し西よ」


「あそこに見える森から数十㎞先です」


「はーい!」


 リーズとカリンの指示に従いながらエルフの森を目指すんだ。

 到着したそこは、前に行ったことのあるハイエルフやロウエルフが住んでいた森とは違う場所みたい。


「あおーい!」


(うん、すごく青いね)


 青々と茂る木々は本当に青くって、葉っぱの音が風でザワザワザワザワ。

 まるで地上の海みたいな感じ。

 猛獣がの気配はあんまりなくって甲高い鳥の鳴き声だけが響いているよ。


「懐かしい故郷の匂い。帰って来たって感じがするわ」


「お姉ちゃん、そんなことを云っている場合ではないですよ。急いで悪魔を倒す方法を見つけなくては」


「うん、アリアを助けなきゃだもん。それでここからどうするのー?」


「そうね、本当なら案内してあげたかったんだけど、時間がかかるもんね。じゃあやっぱり中央にある大きな木を目指しなさい。そこの根本に集落があるわ。でも気を付けて。侵入者だと思われたら攻撃されるかもしれないわよ」


「かもしれませんね。でもモモさんなら大丈夫でしょう」


「うん、気を付ける! じゃあ行ってみるねー!」


 私は森の木の上をピョンピョン跳んで中央を目指すんだ。

 穏やかな気温と風、花や草木の良い匂い。

 こんな時じゃなかったら本当に観光したいぐらいだね。


 大きな木はもう直ぐそこ。

 途中から視線を感じたんだけど、きっとここのエルフだね。

 でも襲ってきたりはしなかったよ。

 二人の姿が見えたからかな?


 ちょっと手前で着地してね、通せんぼしているガッチリした男のエルフさんに声をかけることにしたんだ。


「こんにちはー!」


(こんにちは!)


 私と御主人は元気に挨拶したんだ。


「ただいま。今戻ったわ。皆は元気かしら」


「こんにちはオリオさん。お久しぶりです」


「そちらはリーズ・ストライプとカリン・ストライプか。暫くどこかに遊びに出かけたと思ったらストレイキャットの客人を連れて来るとはな。皆は何時も通りだ。少し待て、長老に声をかけてくる」


「ええ、お願いするわ」


「分かりました。ここでお待ちしております」


 本当は早く調べたいけど、強行したら悪者になっちゃうもん。

 ここは大人しく待っているよ。


「二人は何時この里を出たのー?」


「たぶん、五年ぐらい前だったかしら? それでも遊びに行ったとか思われているんだからエルフの感覚ってのんびりしているでしょ」


「ですねぇ。気にした様子もないですからねぇ」


「ふーん、そうなんだねー?」


(エルフはすごく長生きだって聞くしね。五年ぐらいどうってことないのかも?)


「ほえー?」


 そんな軽い感じで待っていると、さっきのオリオって人が戻って来たよ。


「長老から許可を貰った。入って良いぞ」


「わーい、じゃあ行こー!」


「それじゃあ長老に挨拶してついでに悪魔のことを聞きに行きましょうか」


「お姉ちゃん、お父さんとお母さんに声をかけなくてもよいのですか?」


「いいのよ。もう里中に知られているんだから会いたきゃ向こうから来るでしょ」


 里の中はツリーハウスがいっぱいあるね。

 エルフの皆は私のことをあんまり気にしていない感じ。

 木の上でのんびり本を読んだり焚き火にあたったり、女の人は井戸の近くで洗濯とかしているね。

 あんまり多くなくって人数は百人も居ない感じ。


「ほらあそこよ。あそこが長老の家よ」


 リーズが指さした場所は一番大きな木にあるウロのようなところ。

 大きな扉がつけられちゃって家になっているね。


「こんにちはー! ちょっと聞きたいことがあるのー! 開けてくれると嬉しいなー!」


 元気にノックするとガチャッと扉が開いたよ。

 出て来たのはほっそりしたお爺さん。

 エルフだけどすっごいよぼよぼな感じ。

 百年二百年とかじゃなくて何千年も生きてそう。


「そっちの二人はリーズとカリンじゃな。してそちらは?」


「私モモだよー、よろしくねー!」


(僕はヒロだよ。よろしくね!)


 私と御主人は元気に挨拶したんだよ。


「お久しぶりトデン爺。ちょっと頼み事があって帰って来たわ」


「実はこちらにいらっしゃるモモさんからお頼み事があるのです。聞いていただけませんか?」


「元気がいいお客人じゃなぁ。してなにようかな?」


「えっとね、私、悪魔を倒しに行きたいの! ここになら方法があるかもって聞いてやって来たんだー!」


「悪魔を……のう? それは悪魔のようなモンスターではないのかね?」


「うううん、魔界に居る本物の奴だよ。お友達が呪いをかけられちゃって倒さなきゃ治らないんだ。封印とかじゃない方法が知りたいの!」


「ふむぅ、方法は……あったとは思うんじゃがなぁ。いかんせん大昔のことじゃから記憶がちょっとあやふやなんじゃが……」


「何とか思い出しなさいよ。そこ大事なところよ!」


「長老様、本を残していると云っていたではないですか」


「おお、そういえばそうだったな。確かあの本は……何処にしまったかなぁ?」


「えー、それも忘れているのー?」


(僕達が想像つかないぐらい昔のことなんだろうね)


「仕方ないわね。こうなったら私達も探すわよ!」


「うん、そうだねー!」


「では邪魔いたします!」


「お邪魔しまーす!」


 皆でお家にお邪魔してその本を探し回ったんだよ。

 結構広くて本も沢山あったけど、一つ一つ部屋を確かめて見つけ出したんだ。

 

「御主人が見つけてくれたよー! 今度こそ合っているかもー!」


(えっへん!)


 御主人は鼻高々。

 二人を呼ぶと走って来てくれるよ。


「まさか箱の中に入っているとは思わなかったわ」


「ちゃんとしまっておかないと劣化しちゃいますからね。箱には保存魔法がかけられているからまだ綺麗なままですよ」


 本が一冊入るぐらいの箱。

 そこにはびっしり文字が書かれているけど私が知らないものだね。

 中の本は結構新しめ。

 でも私は全然読めないよ。


「それでなんて書いてあるのー?」


 全く分からなかったから二人に声をかけたよ。

 先ずリーズが手に持って、


「えっとね、これは……。読めないわ」


 全然分からないんだって。


「お姉ちゃん、勉強不足ですよ。貸してください」


 今度はカリンが本を手に持つけれど、


「……あら、読めませんねぇ」


 やっぱり読めないみたい。


「でしょ」


「これは古代言語でしょうか?」


「トデン爺なら分かるんじゃないの?」


「それじゃあ聞いてみようよー!」


 私達は長老のところに戻ってね、本のことを聞いてみたよ。


「ふむぅ、確かにこれは悪魔について書き記した物だな。どれ、ワシが読んでやろう」


 長老は本を手に持ってペラペラページをめくっているよ。


「うーむ、全然読めん」


「何でよ!」


「いやぁ、最近古代語を使っていなかったからなぁ。何となくなら分かるような気もするが、ちょっと思い出すから数年ぐらい待っていてくれんかな?」


「待てるかああ!」


「仕方ありません。これもアリアさんの為です。ショック療法といきましょう! 死なない限りは回復できますので!」


 カリンが杖をブンブン振って暴力的な行為に出ようとしているよ。


「ま、待たんか。思い出すからちょっと待てえええい!」


 長老はうんうん唸りながら考え込んでちょっとずつ解読してくれたんだ。

 数ページを読み終えた頃には文字を思い出したみたいだよ。


 それは太古に悪魔が出現した時の話。

 エルフはもちろん、人、様々な獣人族、様々な亜人族、他にも知識あるものが一緒に戦ったんだって。


 でもね、どれだけ頑張っても直ぐに蘇っちゃって困っちゃったみたい。

 だから皆で相談して方法を考えたらしいよ。

 私達が考えた封印する方法や、相手の力を限りなく奪い去るとか、色々案が出たんだって。


 でも私達が必要なのは倒す方法なの。

 その方法は一つだけ書いてあったんだよ。

 それは魔界と完全に切り離して二度と蘇らせなくさせることだったんだ。

家猫のモモ

異世界に転生して人間となる。


御主人ごしゅじん(ヒロ)

人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。


エリオ・ジ・エイグストン(モモの従者)

レマ・トマトン(旅の同行者、料理人)

ナヴィア・ドライブズ(旅の同行者、馬車の運転手)

リシェーリア・パラノイア(プリスターの司祭今は味方?)


ゼノン・ハイム・ディラーム(ラヴィーナの従者)


王子シャーン(元気少年)

王女ルシフェリア(元引きこもり)

王女ラヴィーナ(格闘が得意)

王女イブレーテ(妹弟ラブ)

王子パーズ(恋焦がれる男の子)

王女アンリマイン(泣き虫)

王女マーニャ(派遣王女)


シャーンのお母さんテルナ

ウィーディアの女王。


グリフ・リスマイヤー

シャーンやテルナの付き人。


フルール・フレーレ

ラヴィーナの師匠で格闘家。


青鎧のブルース・グライブス

教育係アリア・ファイリーズ

モモの教育係。


赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)

桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)

冒険者、エルフの姉妹。


ベノム(ブレードバード隊、隊長)


ルーカ(孤児)

プラム・オデッセイ(里帰り中)

ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)


クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)

シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)


剣と魔法の世界 ミドレイス

翼の生えた子供 ウリエリア

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