発展しよー!
田んぼを耕し終えて次の日。
食堂でシロツキに会ったんだ。
ご飯を食べたけどやっぱり蒲焼さんが大活躍。
それでも皆は飽き気味なのかも?
これはちょっと重大だよ。
お野菜も取って来なくっちゃ!
そう思ってウィーディアのお母さんに頼みに行ったんだ。
でも出来ないって云われちゃって困っちゃったけれど、助言と道具をくれたんだよ。
各国に居る王様と話せる道具を使って支援をしてくれるようにお願いしたの。
皆いい返事をしてくれてね、色々な支援をくれることになったんだ。
ザーザメンドの田んぼには野菜の種が植えられて、獣対策にカカシとか罠をしかけたりしたんだ。
これで後は農家の人の仕事だね。
立派な野菜を育ててほしいよ。
あ、頼んでいたハイグストからの支援はもうザーザメンドに到着しているんだよ。
荷車百台に山盛りのお肉やお野菜が積み上がったものが届けられたんだ。
それだけじゃなくってね、今後も定期的に送ってくれるんだって。
だから食糧問題はほとんど解決しちゃったかも?
うーん、だからあとは建物とか直して行けばいいのかな?
でも作り方とか分からないもん。
ここは皆にお任せだよ。
「それじゃあ後は何をすればいいのかな?」
私はシロツキに声をかけてみたの。
「水、食料問題の解決。復興は軌道に乗ったようですね。ここで必要な物といえば、やはり娯楽ではないでしょうか。愉しみは人に活力を与え、悲しみを忘れさせてくれることでしょう」
(確かに、働いてばっかりだと大変だもんね。楽しいこともあった方が良いと思うよ)
「それじゃあそうしようか。シロツキ、手配出来るかなー?」
「もちろんでございます。他の町に居る詩人や奇術師、様々な者達を呼び寄せるといたしましょう」
「お願いねー!」
そんな感じで一週間。
町も正常に戻りつつある中で、ついにシロツキが呼んでくれた団体様がご到着。
プープーラッパを鳴らしたり、太鼓を叩いたりして町が騒がしくなっちゃった。
「モモ陛下、芸人達から是非とも陛下にお会いしたいとの声が。こちらから声をかけたのですから少しだけでもお会いになられてはどうでしょうか?」
それで挨拶したいって人がいっぱい来たんだよ。
「うん、いいよー!」
わざわざ来てくれたんだからやっぱり会ってあげないと。
私と御主人は玉座に座ってワクワクしながら待っていたよ。
そしたら直ぐに面会の時間が用意されてね、今から一組ずつ会って行くんだ。
「では一組目、入室しなさい」
『ハッ!』
シロツキが声をかけると一組目の女の人が玉座の間に入って来たよ。
私に挨拶をして、何曲か綺麗な歌声を披露してくれたんだ。
ちょっと気持ちよくなっちゃった。
それが終わるとまた別の人が呼ばれてね、今度は不思議なカードマジックを見せて貰えたよ。
一発芸とか魔法を使ったものとか、続々と続いて最後の一組が玉座の間にやってきた。
入って来たのは顔にペイントがしてあるピエロと可愛らしい恰好をした女の人、それとダイダロスに並ぶようなマッチョだね。
「陛下、お初にお目にかかります。我等は旅の見世物士。是非楽しんでくださいませ」
と、マッチョが挨拶をして他の二人も頭を下げたの。
「実は投げナイフの芸が得意なのですが、残念ながら武器の持参は玉座前では不可能とのこと。王の許可がただけるのであれば素晴らしい物をお見せできるのですが。許可して頂けませんでしょうか?」
それでそんな頼み事をしてきたんだよ。
「モモ陛下、投げナイフを披露したいと申しておりますがどういたしましょう? 危険物が持ち込まれるので中止してもよろしいのですが」
せっかく来てもらったのに見られないのはちょっと嫌。
「大丈夫だよー、やっちゃってー!」
私は許可を出したんだ。
「そうですか。一応ダイダロスが警備をしていますが注意をしてくださいね」
「うん、平気だよー!」
という感じでピエロにナイフが手渡されたよ。
これは元々三人が持っていた物で、安全の為に入り口で預けてあったんだって。
だから手慣れた扱いで、ポポンとジャグリングしたりしているの。
芸が始まると身動きしない女の人の頭に小さなリンゴが乗せられちゃった。
あれをナイフで貫くみたいだよ。
「さあお愉しみを!」
マッチョの声がかかるとピエロさんがナイフを飛ばしたの。
女の人の頭にあるリンゴをスパンと貫いたんだ。
私と御主人はパチパチ拍手をしたんだよ。
「お喜び感謝いたします。ではもっと難易度を上げましょう」
成功したからって今度は飴玉みたいに小さな的を用意して女の人の頭に乗せちゃったの。
ほとんど髪の毛に隠れているんだけれど、大丈夫なのかな?
心配して見ていると、スパーンってナイフが女の頭に飛んで行く。
見事に命中したのを見て皆喜んで、ついでにこっちにナイフが飛んで来ちゃうんだ。
もしかして間違えちゃったのかな?
パシッと受け止めると、
「し、失敗だと!? やるぞお前達!」
『うおおおおお!』
三人が目を見開いて襲って来ちゃったの。
「お下がりくださいモモ陛下!」
「クッ、強い。バズ、ロウ、お前達でやるのだ!」
ダイダロスが一気に前に出るとマッチョがガシッと力比べ。
残ったピエロと女がナイフを片手に襲って来るよ。
もしかして悪い人?
だったらやっつけてあげないと。
『んぎゃああ!?』
私はキャットスレイヴを操ってパシッと数秒でやっつけちゃった。
「終わったよー!」
「クッ、無念……」
ダイダロスと争っていたマッチョも諦めたみたい。
皆に取り押さえられて連行されて行くの。
「モモ陛下、お怪我がありませんか!?」
私を庇ってくれたダイダロスが心配してくれているよ。
「大丈夫だよー」
(僕も平気だよ!)
「そうですか。護衛として御守りできずに申し訳ない想いです。どうぞ不甲斐ない自分を罰してくださいませ」
って、頭を下げちゃっているけれど、護ってくれたのに怒るなんておかしいよ。
「そんなことしないよー? また助けてくれると嬉しいなー!」
「有難きお言葉。これからも誠心誠意お仕えすることを誓わさせていただきます!」
「うん、お願いねー!」
こうして旅芸人達の顔見世も全部無事に終わったんだ。
それで三人の取り調べがされたの。
最初は強情に口を割らなかったけれど、厳しく問い詰めるとようやく薄情したみたってシロツキが知らせてくれたよ。
やっぱりウィーディアとの統合に反対している人に雇われたんだって。
ただ、相手は覆面をしていたから誰だかは知らないみたい。
「今まで大人しくしていたと思ったらこれですか。食料や飲み水が手に入るようになって相手も力を取り戻してしまたのでしょう」
「それじゃあ問題が増えちゃうねー」
「全くです。モモ陛下がお強いのは充分に分かっておりますが注意は怠らないでくださいませ」
「うん、気を付けるー!」
といった矢先に、大慌てで走って来る兵士が一人。
「た、大変です陛下! 反対派が城の周りに押し寄せてウィーディアの偽王を出せと騒ぎ立てております!」
「えー!?」
(ここまで計画していたのかな?)
まだまだ騒ぎは終わりそうにないよ。
「私ちょっと行ってくるよー!」
「王が自ら足を運ぶ必要はありません。御命令して頂ければ直ぐに鎮圧して御覧に入れます」
シロツキは怖い笑顔をしているよ。
任せたらちょっと心配だなぁ。
「大丈夫、ちょっと行ってくるよー!」
「それでは護衛をさせていただきます」
頼まなくってもついて来るダイダロス。
シロツキはここで待っているみたい。
そのまま外に出てみたら、百人近くの武装した人達がお城の周りを囲んで居たんだ。
ボロボロの鎧や武器には、お城に立てられた旗と同じマークがあるよ。
元は戦争で戦っていた兵士なのかなぁ?
結構暴言とか酷いけど、
「控えよ、王の御前なるぞ!」
「私が王様だよー! 何かあるなら云ってみてー!」
ダイダロスに紹介されて私は構わず前に出ちゃうんだ。
マーニャが王じゃないのかとかちょっとザワザワしちゃっているけれど、それで収まる感じじゃないみたい。
『勝手に王を変えるな』とか云われちゃってむしろ怒号が増す感じ。
「陛下、お下がりください! 刺激しては危険でございます!」
「大丈夫!」
それでも私は前に出るの。
そんな行動が強烈な怒りに火をつけちゃって武器を振るって来ちゃう。
だからね、キッチリたっぷり叩き合い。
最後は全員大人しくなってくれたんだ。
家猫のモモ
異世界に転生して人間となる。
御主人(ヒロ)
人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。
エリオ・ジ・エイグストン(モモの従者)
レマ・トマトン(旅の同行者、料理人)
ナヴィア・ドライブズ(旅の同行者、馬車の運転手)
リシェーリア・パラノイア(プリスターの司祭今は味方?)
ゼノン・ハイム・ディラーム(ラヴィーナの従者)
王子シャーン(元気少年)
王女ルシフェリア(元引きこもり)
王女ラヴィーナ(格闘が得意)
王女イブレーテ(妹弟ラブ)
王子パーズ(恋焦がれる男の子)
王女アンリマイン(泣き虫)
王女マーニャ(派遣王女)
シャーンのお母さんテルナ
ウィーディアの女王。
爺
シャーンやテルナの付き人。
フルール・フレーレ
ラヴィーナの師匠で格闘家。
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
モモの教育係。
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
冒険者、エルフの姉妹。
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




