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結界

 ドルオンを探して屋敷に潜入した私。

 様々な困難を乗り越えて五階に辿り着いていたの。

 部屋の前で聞き耳を立てるとね、目的の男ともう一人の声が聞こえてくるんだ。

 それはストラッシュ・アイン・ライドラクスって屋敷の主だよ。

 何だか今後の話をしていたみたいだけれど、ドルオンの方は殺されてしまったみたい。

 ちょこっと離れてカリンと相談してここで倒しちゃえばいいかなって突撃したんだ。

 直ぐに倒しちゃえるかなって思ったら、何だか妙な力を使っている感じ。

 攻撃を当ててもダメージがなくて、その傷は誰か別の人に移っちゃうんだ。

「何あれ?」


 私は干からびちゃった人間を見たんだ。

 もう気配もなくなって完全に死んでいるんだよ。


「まあ知られたところでどうなる事でもないな。貴様に教えてやろう。実はこの町全体に結界が張ってあってな。あらゆる生き物はこの私に力を吸われているのだよ。当然お前もだ。それだけではないぞ」


 話す途中で私は剣をズバッと当てちゃった。

 普通なら致命傷だけどやっぱり全然平気そう。

 代りに庭の方から悲鳴が聞こえたの。


「さて、種明かしだ。私へのダメージは、この町の誰かへのものに変換される。つまりお前が私を攻撃をする度にどこぞに居る男や女、年齢性別問わず、誰かが死ぬ事になる。私を殺したくば町を全滅させる必要があるのだよ。もちろん、貴様もその中の一人に含まれている。どうやったって勝ち目がないのだが、まだ続けるのかね。次はお前が死ぬ番かもしれぬぞ」


 それって悪くもない人が死んじゃうってこと!?

 これじゃあ攻撃できないよ。

 ちょっとだけひるんでいるとライドラクスの体に刺さった剣が全部引き抜かれちゃった。

 やっぱり元通りに傷が塞がってまた何処かで悲鳴が上がっちゃう。


(モモさん、これは王の結界に違いありません。数十人規模の魔導士で行う魔法なのですが、町を一つ覆うとなると更に多くの人員を使ったのかもしれません。ここで戦うのは勝ち目がないです。一度出直した方がいいかと思います!)


 ちょっと悩んでいると、見ていてくれたカリンが声をかけてくれたんだ。


「何か方法はないのー?」


 ライドラクスの攻撃を躱しながらカリンに尋ねてみたよ。


(やれる事といえば、結界の核を破壊するかライドラクスを町から出すしか方法はないでしょう。しかし核を見つけるのは不可能です。結界の中なのは確かですけど、何処に置くかは個人の考え次第ですから)


 この部屋にないなら探しても無駄って事だよね?

 だったらもう攻撃は必要ないかも。

 外に連れ出せばいいんだもん!

 捕まえてやろうと無数に剣を伸ばしたの。


「ふん、私に同じ手が通じるとでも?」


 同時にライドラクスが壁にある剣に手をかける。

 それで私の攻撃を二本の剣で防御をしちゃった。

 どれだけ増やしても続けても反応速度が尋常じゃない。

 私と同等、それ以上。

 これは捕まえるのも大変そう。

 でもまだ諦めないから!


「たああああ!」


 手数を増やしながら相手の意識の外の外にこっそり罠を張っちゃうの。


「無駄だ無駄だ! 貴様の動きなど簡単に見切れるわ!」


 その発言は今やっている攻撃のことだよね?

 だったら何にも問題ないよ。

 ほら、キャットスレイヴは床下を通り抜けて色々な所に仕掛けるの。

 後はタイミング見計らって……。


「そろそろ反撃させていただこう。言い残す言葉はあるかな?」


「そんなのないよー! だって私は負けないもーん!」


「ふん、ならば無残に殺してやろう。行くぞ!」


 ライドラクスは私の攻撃をいなして躱して前に前に出た。

 防御よりも攻撃を。

 シュッと近づき私の下へ。

 振り払った剣は銀さえ見えない速度だけれど、鼻先寸前で空を切るんだ。


「バカな、間違いなく当たるタイミングだったのだぞ!? な、なぜ!?」


「そんなの簡単だよ。私が後ろに引き下げたんだもん」


 床の下から飛び出したキャットスレイヴで足首をそっと絡めとってね、攻撃が来る前に後ろに引っ張っちゃったんだ。

 完全ガッチリ確保済み。

 だからね、ここからは思い通りにやっちゃうよ。


「こんな物は……!?」


 どれだけ強くなったって、どれほど強く打ち付けたって、キャットスレイヴは外れないもん。

 他の人はポイっと捨てちゃって、近くの窓から飛び出しちゃうんだ。

 そのまま風のように進んでね、町の外までは一瞬で移動するんだよ。


「ぐぬうううう!?」


 ここら辺でいいかなって、見晴らしのいい草原の上にドスンと落としてあげたんだ。

 そんなに高くないから大怪我はしないと思う。


「もう勝ち目はないよ。諦めて降参しちゃったら!」


 私はお手々を突きだしてビシッと言ってやったの。


「なるほど、随分な化け物だな。王の結界まで攻略するとは」


「降参するかな? 参ったするなら許してあげるよ」


「誰がするものかよ。この程度の障害などあって無いものよ。それに結界の力が完全に途切れた訳ではないからな。猫如き軽くあしらってくれるわ!」


「そんな状態で云ってもかっこよくないよ? 全然動けないでしょ」


 まだ寝っ転がったまんまだもんね。


「確かに動けぬな。この人の身である限りは。まったく、こんな所で正体を明かす気はなかったのだが、こうなっては仕方あるまい貴様に絶望というものを教えてやろう」


 だけどね、ブルブルと振動しちゃってズルっと体を脱ぎ捨てたんだ。

 顔と腕は元のまんまだけど、モサモサの青い羽毛と背中にも翼があるの。


 しかも下半身はお魚みたいな感じ。

 全身濡れている感じで空に飛び立つ姿は完全な化物だったよ。

 これ、何度か見た事がある。

 魔法の力を使ったのか、それとも元から化物だったか。

 どちらにしろ倒しちゃえば問題ないね!


「王に逆らった者に死の制裁を!」


「かかってこーい!」


 ビュンって滑降してくるライドラクスに構えを取ったんだ。

 あまりにも速くてちょっと見逃しちゃうぐらい。

 だけど私は大丈夫!

 スッとガードを固めてね、攻撃をやり過ごしたんだ。


「ゴミめ、ずっとそうして這いつくばっておれ!」


 だけど一発じゃ止まりそうにない。

 背後から横から、正面からも、所選ばずガンガンガンガンぶつかってくるよ。


(モモさん、大丈夫ですか!? 勝てないのなら逃げてもいいのですよ!?)


「うん、このぐらい平気だよー! あんなの直ぐに倒しちゃうから!」


「云うではないか。出来る物ならやってみよ!」


 更に加速。

 ほとんど嵐のようで微かにしか見えないよ。

 だから私はキャットスレイヴを張り巡らせる。

 見えない程細く、地面に、空に、こっそりと。

 あんまりやるとバレちゃうからこの所々で大丈夫。

 さあ今度はどこから?

 教えてくれると嬉しいな。


「そろそろ……止めだああああ!」


 聞こえた声はあっちから。

 けど方向はどこでもいいの。

 合わせるのはタイミングだけ。

 たぶん……今!


「な、に……?」


 ライドラクスの全身がぶっつり切れて転がるの。

 あんなスピードで鉄線に突っ込んだらそうなるのも当たり前。

 どろりと水になって地面に吸収されちゃった。


「しょうりー!」


(すごいです、流石モモさんですね! 後は王宮に向かったお姉ちゃんが事情を伝えてくれれば解決するかもしれませんよ!)


「うん!」


 ここには居ないけど、リーズも必死で頑張ってくれているはずだよ。

 一応周りを確認してっと……。


「……あれ?」


 今一瞬何かを感じたような?


(どうかしましたか?)


 もう一度見回しても周りの景色は同じでライドラクスの気配もないよ。

 一度倒れた辺りの地面をザックリザックリ刺してみたけど、


「うーん、なんでもないかなー?」


 何も無さそうだからララバへの道を戻って行ったんだ。


 ずっと見守ってくれたカリンにお別れを言って無事に町に戻った私。


「たっだいまー!」


(モモ、お帰り)


 王宮の正面で待っていてくれた御主人に挨拶したよ。


「御主人、こっちは大丈夫だったかなー?」


(結構大変だったんだよ。リーズの報せが来てからは皆疑心暗鬼になっちゃってるし。まだ犯人も見つかってないからね)


「そーなんだー?」


 確かにちょっとピリピリしている気がするよ。

 裏切者が誰か分かんなきゃ困っちゃうもんね。


(うん、今ガルダの周りに居るのはペンネとかユイエストとか、昔から知っている信頼できる人だけなんだよ。もちろんアンリマインやレヴィアンも一緒だよ)


「会いに行ったら迷惑かなー?」


(モモなら会ってくれると思うよ。この国を救った英雄だもんね)


「そっかー、じゃあ行ってみるよー!」


 私は頷くと御主人を連れて王宮に入って行ったんだ。

家猫のモモ

異世界に転生して人間となる。


御主人ごしゅじん(ヒロ)

人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。


カミル・ストラデジィ(学校のお友達)

プラナ・イスリード(学校の先生)

レヴィアン・イング(真炎ハイグスト国、軍師ガルダの息子)

アギ(レヴィアンの付き人)

ヤー(レヴィアンの付き人)


エリオ・ジ・エイグストン(モモの従者)

レマ・トマトン(旅の同行者、料理人)

ナヴィア・ドライブズ(旅の同行者、馬車の運転手)

リシェーリア・パラノイア(プリスターの司祭今は味方?)


ゼノン・ハイム・ディラーム(ラヴィーナの従者)


王子シャーン

王女ルシフェリア

王女ラヴィーナ(格闘が得意)

王女イブレーテ(長女)

王子パーズ(恋焦がれる男の子)


シャーンのお母さんテルナ

ウィーディアの女王。


グリフ・リスマイヤー

シャーンやテルナの付き人。


フルール・フレーレ

ラヴィーナの師匠で格闘家。


青鎧のブルース・グライブス

教育係アリア・ファイリーズ

モモの教育係。


赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)

桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)

冒険者、エルフの姉妹。


ベノム(ブレードバード隊、隊長)


ルーカ(孤児)

プラム・オデッセイ(里帰り中)

ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)


クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)

シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)


剣と魔法の世界 ミドレイス

翼の生えた子供 ウリエリア

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