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黒い夜の世界

 部屋で見つけた女の子。

 結構偉い人みたい?

 私はその子を連れて話しをしてみたんだ。

 ちょっと説得してみるとね、王様の居る場所を教えてもらえたの。

 到着した玉座の間は武装した兵士達も待ち構えていたよ。

 アンジュリッタさえも殺そうとする始末。

 兵士達は倒せたけれど、王様には逃げられちゃった。

 追い掛けるとね、仕掛けられていた転移装置が軌道しちゃった。

 ここは真っ黒な夜の世界。

 おっきな月が異世界間を物語るんだ。

 周りにはモンスター達、これは戦わなきゃいけない感じ。

「きゃああああ!?」


「大丈夫! 私に任せてー!」


 脅えるアンジュリッタに胸を叩いて答えるよ。

 そしてシュンと飛びだすと、ウネウネグニャグニャのモンスターをザックリと切り裂いた。

 黒い胞子みたいになって消えて行っちゃうけれど、その分地面から生まれてきちゃうんだ。


 しかもこのモンスター、中々に強い奴。

 両腕や尻尾を振り回し、伸び縮みしながら迫って来る。

 ピョンピョン避けて斬っちゃうけれど、やっぱり簡単に再生しちゃう。

 これは本体を倒すしか方法がないのかも。

 でも倒しても倒しても出てきちゃうし、こうなったら完全に出て来なくなるまでやっつけちゃおう!


「てええええい!」


 斬って斬って斬りまくって、私はモンスターを倒して行くよ。

 それでもポンポン湧き出て来るけど、その分早く倒しちゃう。

 スッパリバッサリドンドンドンドン、斬って投げて殴って蹴ってもう三千ぐらいは倒した気がする。

 ……うーん、ほんのり減ったかな?

 それじゃあもうちょっと頑張ろう!


 バッチンバッチンやり続け、ようやく残りは後十体。

 最後は全部を一閃しちゃった。

 もう出ては来ないみたいだけれど、それでも景色は夜のまま。


「これからどうすれば……?」


 アンジュリッタはすごく困っている感じ。

 戻らなきゃいけないのに出口がどこだか分からないね。

 考えたってどうにもならない。

 それならもうやっぱり怪しい方に行くしかない。


「あっちに行こう!」


 私は大きな大きなお月様を目指して進み始めたよ。


「本当に出られるのですか?」


「行ってみなきゃ分かんないよー」


「そんな適当な……」


「じゃあアンジュリッタはここに残っているのー?」


「それは……」


 アンジュリッタは困った表情になっちゃった。


「行こうよ。きっと出口は見つかるよ!」


「……それしかなさそうですね」


「それじゃあ決まりだね。じゃあ行くよー!」


 私はアンジュリッタを抱きかかえて真っ赤なお月様に向かって走り出すの。

 近づくにつれてもっと巨大になって行くよ。

 それに質感が何だか生々しくって、ただのお月様じゃないのかも。

 中央にまぶたの様な物が一つあって開いちゃうのかなって想像しちゃう。


「よーし、思いついたよー!」


 私はキャットスレイヴを引き抜くの。

 ギュギューンって一気に伸ばしてね、あそこにザクっと突き立てた。

 届かないかなーって思ったけれど、全然届く距離だったよ。


『ギャアアアアアアアアアアアア!?』


 響く悲鳴。

 ギャンと開いた大きな眼。

 やっぱりただのモンスター!

 ググっと押し込み貫くと黒い胞子となって消えていったんだ。


 それが切っ掛けだったんだよね?

 景色がまた変わり始めているよ。

 確定した場所は王様を追って入ったあの部屋だよ。


 何人もの兵士が待ち受けていたけれど、もう転移しないようにサッと脱出しちゃってね、バシッと全員倒しちゃった。

 でもまたゾンビみたいに起き上がって来るんだから少しおかしな感じがするね。

 何か変な魔法でも掛かっているのかな?

 気にせず撃退しながら王様の気配を探ったの。


「あっちだね!」


「またおじい様を狙おうとしているのですね! させませんわよ!」


 アンジュリッタがまた邪魔してきそうだけれど、置いて行ってゾンビみたいな人達に襲われたら困っちゃう。

 髪の毛をむしられそうになりながらお城の中を駆け回るの。

 出たのは噴水のある中庭だね。

 周りは兵士に囲まれているのに、王様は護衛さえつけずにたった一人で立っているよ。

 また罠でもあるのかな?

 それでも倒しに行かなくちゃ!


「たああああ!」


「おじい様、危ないですわ!」


 色々邪魔されながらも真っ直ぐ進んで行くよ。

 シュバっと剣を薙ぎ払うとガンって言う衝撃が帰って来たの。

 持っていた剣を合せられた。

 この人結構強いかも!


 二回目、三回目、四回目、五回目。

 どれ程速く動いても全て受け止められちゃった。

 まるで剣の方がくっついちゃう感じ。

 私は一回離れたよ。

 周りの兵士は手を出してこないね。

 でも油断は大敵だよ。


「おじい様、すごいです!」


「何を感心しているのだアンジュリッタよ、覚悟は出来たのであろうな。敵に攫われるような間抜けは要らぬ。地獄で反省しておけ」


「そんな……」


「そんなことにはならないよ!」


 今度は全力。

 普通なら受け止められないぐらいの力でビュンって剣を振ってみたんだよ。

 それでも何事もなかったみたいに剣を合せてきちゃうの。

 だったら別の手段を考えよう。

 剣先を分岐させた同時攻撃なら防ぎきれないよ。


「これなら!」


「無駄だ!」


 相手の剣が蜃気楼みたいに分裂しちゃう。

 私の攻撃は全部防がれちゃったんだ。


「諦めるのだな。秘宝ダモクレスに防げぬ攻撃などない」


 て云っているけれど、


「本当かなぁ!」


 今度は倍の倍の倍の倍!

 見えないところだっていっちゃうからね。

 防げるものならやってみて!

 キャットスレイヴは一つ一つが移動する。

 上も下も右も左も、前も後ろも斜めも全部、避けれる場所なんて全然ないよ。

 ギィンという衝撃音。

 どれか一つぐらいは……。


「無駄だと云っている!」


 うーん、ダメだったよ。

 でも相手は防いでいるだけで攻撃はしてこないね。

 もしかしてそれはできないんだったり?


「もしや諦めたのか? それでは此方から行かせてもらうぞ!」


 試しに何もしないで待っていると王様は剣を振り上げて向かってくるの。

 王様の攻撃はそれなりに洗練されているけれど、その剣はやっぱり普通じゃないみたい。

 剣先が蜃気楼のように分裂してどれもが実体を持っているんだ。

 舞散る木の葉がスパッと斬れちゃうもん。


 だけどそれだけじゃ私の相手にはならないよ。

 避けて躱して反撃しちゃう。

 今度はもっと素早くて、今度はもっと膨大に。

 次は景色さえも見せてあげないから。


「行くよー!」


 チュインチュインって全方位からの攻撃が全て防がれちゃうけれど、それでももう止まらないから!

 止められちゃったらもう二発。

 倍に倍に、その上から攻撃を叩き込むんだ。


「何度言えば分かるのだ。無駄だと云って……!?」


 金属が当たる音がね、ちょっとずつ鈍いものに変わっていくよ。

 何か次は行けそうな感じ。

 私はググっと力を込めて強烈な一撃を叩き込んだんだ。


「ぐあああああああああ!?」


 ダモクレスって剣がバッキリ折れて大きな傷を与えたよ。

 王様は痛がって身を縮めているんだ。


「死んじゃう前に降参してね。そしたら治してあげるから」


「おのれ、おのれえええええ! 家畜の分際で余に傷をつけるとは、絶対に許さんぞおおおお!」


 そして声が少しブレ始める。

 今までとはまるで別人。


「お、おじい様……?」


 それに、体もビキビキと変化が起こったの。

 体は倍化しちゃって衣服が破れ体毛がファサっと、大きな羽根まで背中から生えちゃった。

 顔はより邪悪に、まるで悪魔(デーモン)そのものなんだ。


 だけど周りの人達は騒ぎもしない。

 もしかして知っていた?

 そういう種族だったりして?


「まさか、あの化物がおじい様に成り代わっていたのですか!?」


 アンジュリッタが驚いているからそれはないのかなぁ?

 色々な疑問はあるけれど、結局倒さなきゃいけないのは一緒だよ。


「もう一回行っちゃうから!」


「ほざけ、下等生物が!」


 さっきの折れたダモクレスの剣と体術、それと鋭い爪を振るってくる。

 相変わらずの防御力と倍化した力とスピード。

 一撃で大地が割れて衝撃波で兵士達が傷ついているの。

 でも表情さえ変えていないところを見ると、ここの人達も操られているっぽいね。


「本物のおじい様は何処へやったのですか!?」


「本物? 本物ならここに居るではないか。この腹の中になぁ! あはははははは!」


 デーモンは大笑いしながらバシバシバシバシ攻撃をして来るんだ。

 結局王様がデーモンに変わっただけ。

 私がやる事に変わりはないよ。

 こいつを倒して全部解決しちゃうんだから!

家猫のモモ

異世界に転生して人間となる。


御主人ごしゅじん(ヒロ)

人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。


カミル・ストラデジィ(学校のお友達)

プラナ・イスリード(学校の先生)

レヴィアン・イング(真炎ハイグスト国、軍師ガルダの息子)

アギ(レヴィアンの付き人)

ヤー(レヴィアンの付き人)


エリオ・ジ・エイグストン(モモの従者)

レマ・トマトン(旅の同行者、料理人)

ナヴィア・ドライブズ(旅の同行者、馬車の運転手)

リシェーリア・パラノイア(プリスターの司祭今は味方?)


ゼノン・ハイム・ディラーム(ラヴィーナの従者)


王子シャーン

王女ルシフェリア

王女ラヴィーナ(格闘が得意)

王女イブレーテ(長女)

王子パーズ(恋焦がれる男の子)


シャーンのお母さんテルナ

ウィーディアの女王。


グリフ・リスマイヤー

シャーンやテルナの付き人。


フルール・フレーレ

ラヴィーナの師匠で格闘家。


青鎧のブルース・グライブス

教育係アリア・ファイリーズ

モモの教育係。


赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)

桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)

冒険者、エルフの姉妹。


ベノム(ブレードバード隊、隊長)


ルーカ(孤児)

プラム・オデッセイ(里帰り中)

ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)


クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)

シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)


剣と魔法の世界 ミドレイス

翼の生えた子供 ウリエリア

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