戦争前
ロウエルフ達とハイエルフのファルナをララバに連れ帰った私達。
ガルダに報告に行くと皆のために家を建ててもらえるみたいだよ。
見に行くと魔術師が建物を造っている最中だったの。
あっという間に大きな屋敷が完成してね、皆喜んで入って行っちゃった。
それでね、忍者みたいな人が私達を呼びに来たんだよ。
パラドライオに動きがあったみたい。
私達はガルダに国境に行ってくれってお願いされちゃった。
パラドライオとの国境の砦。
報せを受けているのか、石の弾を用意したり武器の点検をしたり、色々忙しそう。
中心で指示をしているのは最近見なくなっていたガルダの息子レヴィアンだね。
こんな所に居るなんてビックリだよ。
おーいって手を振ってみたけれど、ぷいって顔を逸らして無視されちゃった。
「何、嫌われているの?」
「モモさんはこの国の為にすごく働いてくれていると思うんですけれどねぇ」
「うーん、よく分かんないなー?」
色々一緒に冒険もしたんだけれど、こっちに来てからバタバタしていたもんね。
(実は照れているだけだったり?)
「そうなのかなぁ?」
「ま、ここでボーっと見ている訳にはいかないわね。一度声をかけてみたらいいんじゃない?」
「ええ、その方が良いと思いますよ。ガルダ様からの依頼もありますからね」
リーズとカリンに背中を押されちゃった。
じゃあちょっと声をかけてみようかな。
私は砦を駆け昇ってレヴィアンの下へ。
「レヴィアン、来たよー!」
「ふん、忙しい時に声をかけるな! こっちはやる事が多いんだよ!」
「でもガルダからこっちに行けって云われちゃったんだ。もう直ぐ敵が来るんでしょ?」
「そうだ、ここから先は生き残れるか分からねぇ地獄だぜ。死ぬ前にやりたいことをやっておくんだな。こういう風にな!」
何だか嫌な予感?
ヒュンって振られた手の先を私はヒョイって避けちゃった。
「……おい、避けんな! 別に攻撃しようって訳じゃねぇ!」
確かに手には何にも持っていないね。
恐る恐る近づいたらガシッと手を掴まれちゃった。
(え、なに、モモが告白されちゃうの?)
でも顔は怖いまんまだよ?
「飼い猫、テメェのお蔭でこの国は立て直ろうとしている。この戦争に勝ちさえすれば後はとんとん拍子に行くだろうぜ。折角ここまで来たんだ。生き残って最後まで見て行けよな!」
それだけ言うと背中を向けちゃった。
よく分からないけれど、応援してくれているのかな?
「大丈夫、私が全部やっつけちゃうもん! ついでにレヴィアンも守ってあげるね!」
「ふん、云ってやがれ!」
「それで私達は何をすればいいの?」
「そうだな。ここで待っていても奴等が到着するのを待つしかねぇ。とはいえわざわざ指をくわえて見ているのも芸がねぇよな。お前、パラドライオに行って敵を撹乱してこいよ。お前なら出来るだろ?」
「うん、いいよー!」
(モモ、結構大変な事を云われているけど大丈夫なの?)
「大丈夫、私強いもん! でもちょっと大変そうだよね。御主人はここで待っていてくれるかなぁ?」
(分かった。僕は邪魔になっちゃうからね、ここで待っているよ。行ってらっしゃい、モモ)
「うん、頑張って来るよ。レヴィアン、御主人のことをお願いね!」
私は御主人をレヴィアンに預けたよ。
「ふん、死なせたくないならこんな所に連れて来るなよ。まあ敵が来るまでは暇だからな。面倒ぐらい見てやるぜ。死ぬなよ、飼い猫」
「死なないもーん!」
そう言って砦からピョーンと飛びおりちゃった。
そのままリーズとカリンに事情を伝えると、国境を越えてパラドライオの国境に。
でもね、ここには誰も居ないんだ。
前の戦いで全部全部追い払っちゃったもん。
私達はタタって素通りしちゃったの。
「それでここからどっちに向かえばいいのかなー?」
初めて来た国だもんね。
行先なんて分かんないよ。
「カリン、あんた地図を持っていたでしょ。ちょっと調べてみてくれないかしら」
「はい。今、確認をしてみますね」
カリンは地図を広げると、今の場所と比べて行先を考えているよ。
「敵軍がやってくるなら、この先にあるルブレの町に立ち寄ると思います。先ずはその町に向かうべきかと」
「じゃあそこに行けばいいんだね!」
「ええ、行ってみましょうか」
それで私達はルブレに向かって走って行くの。
一生懸命三十分。
とても大きな町が見えて来たよ。
お城とはちょっと違う感じだけれど、何だかそれっぽい建物が幾つも建っているみたい。
「とうちゃーく!」
なんとなくそんなことを思いながら町の入り口前にキュっと止まったよ。
「何者だああああ!?」
「敵襲かあああ!?」
警備している数人の兵士が慌てている感じ。
チャキッと武器を抜いちゃったんだ。
まだ戦争にはなっていないし、出来ればあんまり戦いたくはないよね。
「見て分からないの。私達は旅人よ」
「遠くの国から旅をしてきたんですよ。そうですよね、モモさん」
「あ、うん! そうだよー!」
「こんな時世にか? まあ良い、入りたければ冒険者カードを提示しろ。旅人であるなら当然持っているだろう」
まだ信用されていない感じ。
剣や槍を私達に向けているの。
「ああ、それなら持っているよー!」
でも大丈夫!
冒険者カードならすごく前に貰っていたよ。
あんまり使って無かったけれど、ちゃんと肌身離さず持っているんだ。
「もちろん、冒険者ギルドには登録してあるからね。ほら、この通りよ」
「ええ、カリンのもここに」
私達は自分の冒険者カードを見せつけたんだ。
「確かに。いや待て、何だこの猫という職業は? まさか偽造ではあるまいな!? 冒険者カードの偽造は重罪だぞ!」
「えー、違うよー。ちゃんと冒険者ギルドで貰ったものだよー」
「嘘じゃあるまいな。こちらで確認させてもらうぞ」
「全然いいよー!」
「よし、ではそこで待っていろ。今確認させに行く」
それで冒険者ギルドまで人を走らせるみたい。
私達は小枝で地面に絵を描いたりして待っていると、暫くして戻って来たよ。
「……何、遠国にて二名が確認されているだと? つまり偽物ではないということか。しかし不思議だ。一体何をする職業なのだ?」
兵士の人は首を傾げている感じ。
私もよく分かんないけれど、猫がすることは決まっているよ。
「のんびりしたりする職業だよー!」
「のんびり……。癒し系か? まあ害はないのだろうな。町へ入ってもかまわんぞ」
「わーい!」
それで町の中に通してくれたんだ。
ここはハイグストのように倒れていたり死んでいる人間なんていないよ。
でもその顔にはあんまり生気を感じないよ。
だぼっとした同じ服を着た人が多くて私達はすごく目立っている感じ。
「これは目立ち過ぎよね」
「対策をした方がよさそうですね」
「それじゃあ服を買いに行っちゃおう!」
『おー!』
まずは売っているところを見つけなきゃね。
私達は町を探索しながら服屋を探したの。
やっぱりここは人に聞いた方が早いよね。
近くの人に聞いてみたら結構簡単に見つけられたよ。
布が丈夫なのとか刺繍が綺麗なのとか色々あるけれど、デザインは町で見た物と変らないの。
ファルナにお金を支払っちゃって金欠の私は一番安い物を購入したんだ。
これで大丈夫だよね?
「それじゃあどこに行こうか?」
私は二人に聞いてみたよ。
「そうね、軍関係者に話を聞くのが早いとは思うけれど、いきなり訪ねても教えちゃくれないでしょ。やっぱりここは……」
『冒険者ギルドよ(ですね)』
さっき門番の人が聞きにいっていたからあるのは分かっているの。
「冒険者ギルドが教えてくれるのー?」
「あそこは国が介入しない組織だからね。色々と情報が集まるのよ」
「もしかしたらいい話が聞けるかもしれませんよ」
「そっか、それじゃあギルドに行っちゃおうか」
それで私達ギルドを探して入ってみたんだ。
ここはどこの国でも同じ、って思っていたけれど、ちょっと違うみたい。
ほとんどガラガラで受付の人達は本を読んだり化粧をしていたり暇そうにしているよ。
何かあったのかな?
情報を得る為にも話しかけてみることにしたんだ。
家猫のモモ
異世界に転生して人間となる。
御主人(ヒロ)
人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。
カミル・ストラデジィ(学校のお友達)
プラナ・イスリード(学校の先生)
レヴィアン・イング(真炎ハイグスト国、軍師ガルダの息子)
アギ(レヴィアンの付き人)
ヤー(レヴィアンの付き人)
エリオ・ジ・エイグストン(モモの従者)
レマ・トマトン(旅の同行者、料理人)
ナヴィア・ドライブズ(旅の同行者、馬車の運転手)
リシェーリア・パラノイア(プリスターの司祭今は味方?)
ゼノン・ハイム・ディラーム(ラヴィーナの従者)
王子シャーン
王女ルシフェリア
王女ラヴィーナ(格闘が得意)
王女イブレーテ(長女)
王子パーズ(恋焦がれる男の子)
シャーンのお母さんテルナ
ウィーディアの女王。
爺
シャーンやテルナの付き人。
フルール・フレーレ
ラヴィーナの師匠で格闘家。
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
モモの教育係。
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
冒険者、エルフの姉妹。
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




