クックホロの森
疑い深いハンバルグスを説得する為にご飯を御馳走してあげたよ。
それでも強情に否定してくるけれど、一緒にご飯を食べていたハンバルグスの部下達が説得してくれたんだ。
ようやく何とかなったから町中に森を作って食料を出してあげたの。
これで大丈夫。
ということでララバに戻ると、今度はクックホロのエルフ達を説得して恋って云われちゃった。
私達は急いで向かうと森に入って行くんだよ。
「うーん、何処に居るのかなー?」
(深い森だからもっと奥に居るのかもね)
モンスターや動物の息吹は感じるけれど、エルフ達の気配はないね。
「実はもうカリン達の事を見張っているのかもしれませんよ」
「そうそう、意外と隙がないのよね」
「でも人の気配は感じないよー?」
「ハイエルフは魔法が得意ですからね。感知魔法を使っているのかもしれません」
「ふーん、じゃあ呼んだら来てくれるかなぁ?」
「さあ、どうかしらね。ま、やってみてもいいんじゃない?」
「うん、じゃあやっちゃうよ!」
私は大きく息を吸い込んで、
「おーい、ハイエルフさん、ロウエルフさん、私達会いに来たよー! 出て来てくれると嬉しいなー!」
森の奥にまで届きそうな声で叫んでみたんだ。
うーん、何か反応してくれたらいいんだけれど……。
まだ無理そうかな?
逆に私の声を聞いてモンスターの気配が強くなっていくよ。
そろそろ襲って来そうな感じ。
力を教えてあげるためにもここは撃退しなくっちゃね。
私がキャットスレイヴを取り出すと、リーズとカリンも戦闘の準備を整えたんだ。
ガサガサって草を掻き分けるような分かりやすい音はないけれど、着実に迫って来ているよ。
ほらもうそこ、直ぐそこに息を潜ませて……。
そろそろ準備完了したかな?
タイミングはたぶんここ!
「にゃああああん!」
相手が動き出す前に先制攻撃!
ぶっとい木々ごと隠れていたモンスターを斬り飛ばすの。
出て来たのはギラギラの目をした狼さん。
横から上から背後から、一斉に飛び掛かって来ちゃうんだ。
「イーティング・ウルフ! 生き物ならなんだって食い殺す奴よ! 気を付けなさい!」
「大丈夫です。もう完成していますから! アース・ソード!」
だけど私もカリンも把握済み。
地面から飛び出す鋭いトゲトゲ。
迫ってくるイーティング・ウルフを貫くの。
私だって黙っていない。
それ以外は剣を伸ばしてスッパリバッサリもう残っているのは数匹だね。
これ以上倒されたくないのなら逃げることをお勧めするよ。
グッと力強く睨みつけると、イーティング・ウルフはやる気を無くして逃げてっちゃった。
(ふぅ、何とかなったね。ありがとうモモ)
「うん!」
私は御主人をなでなでしてあげたの。
「……あれ、私の出番は?」
ほとんど何にもしていないリーズが首を傾げているね。
「ありませんでしたねぇ。お姉ちゃん、次回に期待していますよ」
「分かっているわよ」
フンと鼻息を吹いてやる気たっぷりな感じ。
次回は頑張ってもらおうかな。
剣を収めて奥に進もうとしていると、今度は人に近い気配を感じちゃった。
こっちに向かって来ているみたい。
チャっと枝の上に着地すると私達を見下ろしている。
「森を破壊したのは貴様等か!」
そう云ったのは金髪のエルフさん。
整った顔立ちと白い肌。
耳もシュッと尖っている。
見た感じは女の人かな?
その手には矢をつがえた弓があって何時でも放てるようにしているよ。
狙いはやっぱり私達だよね?
「壊したのは謝るけど、さっきモンスターに襲われたのよ。ほぼ不可抗力だわ」
「同じエルフなのですから許してくださいませんか?」
「同じ……? 愚かなことを。我等ハイエルフがお前達普通のエルフと同じ訳がない! 我等の森で禁忌を犯したことを悔いて死ぬがいい!」
リーズとカリンの説得にも応じずに矢が飛んで来ちゃったから私はパシッと受け止めたよ。
「は? 渾身の力で放った私の矢が素手で掴まれるだと!? ……いや、ただの偶然に違いない、もう一発だ!」
諦めきれないエルフさんがもう一発矢を放つけれど、二回目も苦もなく受け止めちゃった。
「当たったら危ないよー。謝るから許してー」
「こんな事は有り得ん。私は最強の弓使いなのだぞ!? こうなったら本気でやってやる。やってやるぞ!」
エルフさんがつがえた矢の先に魔法のような光が灯る。
「光栄に思うがいい。最強の一撃を見られることをな! あらゆるものを貫く超高速の一射で貴様の心臓を貫き殺す! ゆくぞ、ソニック・アロー!」
シュパンと放たれた矢は確かに速かった。
あっという間に私の胸に届きそうだもん。
でもね、私はパシッと受け止めたよ。
矢に擦れてちょっとだけ手が痛かったかなぁ。
「それじゃあお話しをしてくれるかなぁ?」
私は掴んだ矢をポイっと捨てたの。
「この程度が私の実力だと思ったら大違いだ! 本気用の弓と矢を持って来てやるからそこで待っていろ!」
そんな事を云ってエルフさんの気配が遠ざかって行く。
「待っていれば来るのかなぁ?」
(いや追い駆けた方が速くない?)
「モモなら追いつけるでしょ」
「モモさん、お願いします!」
「そっかー、じゃあそうしてみる―!」
私は二人をおんぶして木の枝をピョンピョン移動してエルフさんを追い掛けたんだ。
直ぐに追い付けちゃうけれど、案内してもらった方がいいんだよね?
気配を感じるギリギリの位置を保ちつつそのままずっと進んで行くの。
結構奥まで来ちゃったかな?
ようやくエルフさんの動きが止まった感じだよ。
その先には多くの人の気配もあるみたい。
「あ、止まったよ! 近くにハイエルフの里があるのかも!」
(これで話しが出来ればいいんだけれど)
「行ってみれば分かるわよ。入れてくれると話しが早いわね」
「相手はハイエルフですからねぇ。どうなるか分かりませんね」
もうちょっと進んでみると、さっきのエルフさんが困ったように立ち竦んでいるよ。
その先にはわらぶきの建物がいっぱいあるけれど、入り口に結界みたいな物が張られていて入ることができないみたい。
「追いついたよー!」
「うわ、貴様達。やはり追い駆けて来ていたのか!? くそぅ、貴様等の所為で里から追い出されてしまったじゃないか。どうしてくれるんだ!」
「えー、そんなの知らないんだけれど」
「言いがかりも甚だしいわね」
「何故私達が原因になるのですか?」
(だよねだよね)
「それは貴様等が私を追って来ている事が知られたからだ! 里の位置は重大な秘密。つまりお前達の所為! 責任を取ってここで死ね!」
と、エルフさんはまた矢を向けて連射してきちゃった。
「えー、やだー!」
私は全部受け止めてポイって投げ捨てちゃったの。
そんな事をしている間にも周りに気配が集まって来ているよ。
見られている感じだね。
「私はハイエルフだぞ。ストレイキャットの一人や二人に負けるはずなどない! 負けてはいけないのだあああ!」
今まで以上の何かが矢の先に宿っている感じ。
だけどそんなの平気だよ。
「食らええええええええ! 全力全霊、渾身の、ソニック・アロオオオオオオ!」
一本の矢がぶっとい光線みたいになって向かってくる。
今度は手で受け止めるのは無理そうかも?
私はキャットスレイヴでカーンと遠くに飛ばしてあげたの。
「バカな、こんなバカなことが起こるはずが……」
エルフさんは何だかガックリ項垂れちゃった。
諦めてくれたかな?
「あのね、私達は争いに来た訳じゃないんだからね。ハイグストの使者としてやって来たのよ。里の者に話しを通して欲しいんだけれど、誰か聞いているなら出て来てくれないかしら」
「書状ならここにあります。お読みくださいませんか?」
リーズとカリンが声を上げたら里の中から二十代ぐらいの男の人が近づいて来た。
うーん、でもエルフだからそんなに若くはないのかも?
百歳だって不思議じゃないよ。
その人はちょっと怒っている感じ。
「話しは聞かせていただいた。ハイグストからの使者だそうだな。何用で里へ参った?」
「えーっとねー。戦争になるかも知れないから力を貸してほしいんだって」
私は気にせずにちゃんと伝えてあげたんだ。
家猫のモモ
異世界に転生して人間となる。
御主人(ヒロ)
人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。
カミル・ストラデジィ(学校のお友達)
プラナ・イスリード(学校の先生)
レヴィアン・イング(真炎ハイグスト国、軍師ガルダの息子)
アギ(レヴィアンの付き人)
ヤー(レヴィアンの付き人)
エリオ・ジ・エイグストン(モモの従者)
レマ・トマトン(旅の同行者、料理人)
ナヴィア・ドライブズ(旅の同行者、馬車の運転手)
リシェーリア・パラノイア(プリスターの司祭今は味方?)
ゼノン・ハイム・ディラーム(ラヴィーナの従者)
王子シャーン
王女ルシフェリア
王女ラヴィーナ(格闘が得意)
王女イブレーテ(長女)
王子パーズ(恋焦がれる男の子)
シャーンのお母さんテルナ
ウィーディアの女王。
爺
シャーンやテルナの付き人。
フルール・フレーレ
ラヴィーナの師匠で格闘家。
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
モモの教育係。
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
冒険者、エルフの姉妹。
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




