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お出かけ嬉しいな

 リーズとカリンに絡んで来たのはクイラとジョッテというチンピラ冒険者だったんだ。

 自分達が正しいみたいなことを云っていたけれど、何だかちょっと怪しいよね。

 それに、パラドライオから来たって聞いちゃうと今は話しを聞くしかないんだよ。

 お城に連れて行ってゆるーく話を聞いてみたら、知っていることを色々教えてくれたんだ。

 あとは皆に任せてご飯を食べに行くとベノム達ブレードバードの皆がご飯を食べていたよ。

 そして次の日はもう一度シャーンと一緒におでかけするの。

 今度こそのんびり回りたいよね。

「シャーン、今日はどこに行くつもりなのー?」


 私達はお城を出発しようとしているよ。

 お忍びだからシャーンも町の人達と同じような服を着ているんだ。

 これなら誰にもバレないよね?


「うーんとねぇ、ちょっとお買い物でもしたいなって思っているんだけれど、ダメかなぁ?」


「そんなことないよ。全然いいよー!」


(お買い物は見ているだけでも楽しいもんね)


「ありがとう、モモお姉ちゃん」


「グリフさん、ということは、私達は荷物持ちになるのかしら?」


「いやいや、女性に荷物持ちをさせる訳にはいきますまい。それはもちろん、わしが承りますとも。お三人とも、護衛は頼みましたぞ」


 グリフはググっと力こぶを見せている。

 ここに居るのは私達だけだけれど、周りには一緒について来るような気配があるんだ。

 でも大丈夫。

 全部護衛の人達だから滅多なことは起きないよ。


「大丈夫だよ、シャーンは私達が護ってあげるもん!」


(うん、これだけ人数が居たら安心だよね)


「高い依頼料もらっているもんね。手なんて抜かないわ」


「周囲の警戒とシャーン様には防御結界を張らせていただいています。滅多なことでは傷一つつかないですからご安心を」


「ははは、信頼していますぞ。それでは出発しましょうか」


『はーい!』


 私とシャーンは元気に返事をして町に出発したんだよ。

 向かったのは大通り。

 人通りが多くて露店商が多く並ぶ道。

 食べ物や衣服なんか色々な道具だって、買いたい物は大体ここで揃っちゃう。

 私は食べ物に目を引かれちゃうけれど、シャーンは木や金属のアクセサリーを見ているよ。


「モモお姉ちゃん、これなんか良いんじゃない? ちょっと似合いそうだよ」


「えー、なにー?」


 のぞき込むとお魚さんのイヤリングを手に持っていたの。

 何だか嚙り付きたくなっちゃうデザインだね。


「何時も助けてくれているお礼に、モモお姉ちゃんに買ってあげるよ」


「わーい、シャーンありがとう!」


 シャーンは代金を払って私にプレゼントしてくれたんだ。

 とっても嬉しかったからギューって抱きしめると、


「モモ姉ちゃん、恥ずかしいよ……」


 ちょっと照れて黙っちゃった。


「こらこら、相手を考えなさいよ。変な事をしていると後で怖いお仕置きされちゃうわよ?」


「えー、大丈夫だよー。シャーンはお友達だもん」


「ははは、これぐらい何時ものことですからな。気にしなくても大丈夫ですぞ。そもそもモモ殿の為に買い物に来たのですから。喜んでもらわないとシャーン様もガッカリされてしまいますぞ」


「もう、爺ったら、ばらさなくってもいいでしょ」


 グリフの言葉でシャーンの頬がプーってふくれちゃったよ。


「モモ殿が喜んでいらっしゃるのですから良いではありませんか。シャーン様も嬉しいのではないのですかな?」


「もう、爺の意地悪!」


 そう云いながら私をギュってしてくるの。

 やっぱりシャーンは可愛いね。


「ときに店主よ、随分と変った形をした物もあるようだが、全て自分で作られたのか?」


「へい、大半は自作でさぁ。国から持って来たものもありますがね」


「ほう、国は何処だね?」


「ザダルドーチでさぁ」


「ほう、ザダルドーチといえばパラドライオの直ぐ近くの国であったか。ずいぶん遠くから来られたのだな。少し話を聞かせてくれないか?」


 グリフは懐からお金を取り出して店主に渡しているよ。

 でも中身を見てちょっと引いている感じ。


「お客さん、これは多過ぎなんじゃありませんかね……? 面倒事なら勘弁してほしいんですが……」


「いやいや、ただ話しを聞きたいというだけなのだ。勘違いするでない」


「はぁ、それならいいんですがね……」


「では続けよう。聞きたいことというのはパラドライオについてなのだよ。旅の商人であるならかの国が戦争を始めようとしているのは聞いたことがあるかね?」


「へぇへぇ、あの国は元々周辺国から危険視されていたんですよ。なので動き出した今は直ぐに分かりましたよ。どこかに攻め入ろうとしているってね。それがまさか今回の騒動でしょ。ハイグストとパラドライオは友好的にやっていると思ったんですがねぇ」


「ほう、この国からはかなり遠くの話しなのにもうご存知とは耳が早いものだな」


「商人を舐めてもらっちゃ困りますよ。情報が命ですからねぇ。まあ後は、周辺国がガッチガッチに防御を固めたってことぐらいでしょうかね」


「ふむ、中々良い情報であった。是非ウィーディアを愉しんで行ってくれ」


 と、ちょっとした話を終えたんだ。

 いい事でも聞けたのかな。


「さて、シャーン様、次はどういたしましょうか」


「うーん、このままお散歩でもしようかな」


「畏まりました。三人とも、それでよいな?」


「大丈夫だよー!」


「私達は雇われの身だからね。好きにしたらいいんじゃない?」


「カリンもお付き合いいたします」


 私達は町をプラプラ見回って食べ歩きとかしたの。

 すっごく楽しかったけれど、時間はあっという間に過ぎちゃった。

 そして次の日。

 私はお母さんからハイグストに戻ってねって云われたよ。

 パラドライオの動きはまだ無いらしいけれど、力を貸してほしいんだって。


「それじゃあ行ってくるねー!」


(行ってきまーす!)


『行ってらっしゃい!』


 お城の皆に見送られて転移のゲートに向かったの。

 今日は御主人と二人じゃないんだよ。


「あら、早かったわね」


「モモさん、お早うございます!」


「おはよー!」


(おはようリーズ、カリン! 今日もよろしくね!)


 リーズとカリンも一緒に行くんだよ。

 グリフに向こうでのお仕事を頼まれたんだって。

 まだ家しか建ってないからやる事はいっぱいあるもんね。


「それじゃあ行くね。ハイグストへの門を開け、人為転送!」


 と、アリアに教えてもらった呪文を唱えると景色が歪んでいくよ。

 ゆらゆら揺れて段々ハイグストの景色になって行くの。

 ほんの数日離れていただけなのに、道や町並みもほとんど完成しているみたい。


 見たことのない鎧を着ている人達は応援に来てくれた何処かの人かな?

 それと、商人なんかも見かけるんだよ。

 服や食料なんかを売り出しているみたい。

 商売の臭いでも感じちゃたのかも?


 嗅いだことのない不思議な臭い。

 ちょっと興味を引かれちゃうね。

 王宮に向かうついでに朝ご飯を食べちゃおう。

 私達は買い食いしながら歩いて行くんだ。


「へー、殆ど破戒されたって聞いていたけれど、そんな風には見えないわね」


「きっとここに居らっしゃる皆さんで造り上げたんですよ」


 リーズとカリンは町を見回している。


「うん、皆頑張っていたよー!」


(モモが軍隊を追い払ってくれたお蔭だね)


「ううん、私だけじゃないよ。ウィーディアの皆も頑張っていたもん」


(そうだね、それじゃあガルダに挨拶しに行こうか)


「はーい!」


 それでね、私達はガルダが居る場所を探して町を回ったの。

 仕事をしている皆に聞いてみると、王宮の中で忙しく走り回っているみたい。

 結構のんびり向かってみると、門番の人が手を振って迎え入れてくれたよ。


 えーっと今は何処に居るのかな?

 気配を見つけて王宮内をパタパタ移動。

 会議室って手書きで書かれた部屋の前。

 扉をコンコンコンって叩いて入って行くの。

 

「おはようございまーす!」


 私の声で集まっていた皆が手を止めて振り向いたよ。

 十人ぐらいの兵士をお付きにして友人のユイエストを隣に置いているね。


「初めまして、ウィーディアから手伝いに来たリーズよ。こっちはカリンよろしくね」


「お姉ちゃん、聞いた話だとガルダ様は王になられたみたいだから失礼なことを言ったら首が飛んじゃうよ」


「え、そうなの!? 今後は気を付けますのでどうぞお許しください!」


 リーズは冷や汗をかいて謝っているよ。


「いやいや、畏まらなくっても良い。俺はまだまだ王と呼べる器ではないからな。とにかく来てくださって嬉しく思う。ゆっくりしてとは言えないが、出来る限りの持て成しをしよう。さて、休憩がてら菓子でも用意させようか」


「わーい!」


 そして朝ごはんを終えた私はデザートまで食べられたんだ。

家猫のモモ

異世界に転生して人間となる。


御主人ごしゅじん(ヒロ)

人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。


カミル・ストラデジィ(学校のお友達)

プラナ・イスリード(学校の先生)

レヴィアン・イング(真炎ハイグスト国、軍師ガルダの息子)

アギ(レヴィアンの付き人)

ヤー(レヴィアンの付き人)


エリオ・ジ・エイグストン(モモの従者)

レマ・トマトン(旅の同行者、料理人)

ナヴィア・ドライブズ(旅の同行者、馬車の運転手)

リシェーリア・パラノイア(プリスターの司祭今は味方?)


ゼノン・ハイム・ディラーム(ラヴィーナの従者)


王子シャーン

王女ルシフェリア

王女ラヴィーナ(格闘が得意)

王女イブレーテ(長女)

王子パーズ(恋焦がれる男の子)


シャーンのお母さんテルナ

ウィーディアの女王。


グリフ・リスマイヤー

シャーンやテルナの付き人。


フルール・フレーレ

ラヴィーナの師匠で格闘家。


青鎧のブルース・グライブス

教育係アリア・ファイリーズ

モモの教育係。


赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)

桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)

冒険者、エルフの姉妹。


ベノム(ブレードバード隊、隊長)


ルーカ(孤児)

プラム・オデッセイ(里帰り中)

ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)


クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)

シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)


剣と魔法の世界 ミドレイス

翼の生えた子供 ウリエリア

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