表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
184/335

復興はまだ先の先

 私とペンネはティアマトンに乗って軍隊が居る場所に向かったの。

 ビックリさせないように途中で下りて後ろの方から近づいたよ。

 色々説明すると連絡をしてくれて偉い人がやってきたんだ。

 この人にも説明したけれど、証拠がないから信じてくれないみたい。

 このまま進むって云ってくるから私はその人とペンネを担いで走って逃げて行くんだ。

 そして戻った町を見て、偉い人、ユイエストがようやく信じてくれたみたい。

 一度皆に出会わせて、部下達を連れてくるって云うからもう一度軍隊の居るところに送って行ってあげたんだ。

 私はユイエスト達が戻ってくるまで町の復興をお手伝い。

 食料を集めたり、家を造ってみたり、たまに現れるモンスターの討伐とか、けっこう色々やっていたよ。

 そんな感じで数日後、ようやくユイエストが戻って来たの。

 かなり急いで戻って来たみたいで、皆疲れている感じ。

 でもね、それでも動かなきゃって必死に作業しているんだ。


 王様は相変わらず使い物にならないから、今はガルダが指揮を執っているんだ。

 補佐しているのはユイエスト。

 二人のお蔭で少しずつ町は復興して行くけれど、時間は待ってくれないみたい。


「大変ですガルダ様、国境付近より連絡。唯一国パラドライオの軍勢がこちらに向かって来ているとの情報が!」


 見張りの兵士からの連絡で、あんまり良くない事が起こりそうな予感がするの。


「むぅ、想定より早い進軍だ。黒幕であるというのも確かであるのだろうな。それで敵の規模は?」


「報せによれば我々全部隊の半数の数ほどとのことです。全軍で対処すれば勝利することもできるかと」


「その程度で落とせると判断したか。何にしろ戦いは避けられぬな。このままでは多大なる犠牲者が出てしまうだろう。国の復興も危ぶむぐらいにな。いや、元々それが目的なのかもしれぬ。立ち行かなくなった頃を狙えば落とすのも簡単だということか! どの道打てる手は一つしかない。直ちに兵を集めよ!」


 と、急いで支度をする感じ。

 殺し合いなんてしたくはないけれど、助けた人達が殺されちゃうなんて見ていられないもん。

 だからね、御主人とペンネ以外には内緒の内緒。


「モモ様、戦いに行かれると云われるのですか。我々の為にそこまで。あなたには感謝してもしきれません。どれほどの頼みであれど聞き入れましょう」


(分かったよ。またお留守番は辛いけど、僕待っているよ)


 御主人とは一緒に行きたいけれど、黙って連れて行っちゃったら子供達が可哀想。


「うん、絶対帰ってくるからね!」


 ここはグッと我慢だよ。


「それではこれをお持ちください」


 ペンネから封のされた手紙を預かったんだ。


「これなぁに?」


「国境に居らっしゃる皆さんにお渡しください。モモ様が味方だと分かってくださいますわ」


「そっか、ありがとうー! じゃあちょっと行ってくるー!」


 私はペンネに方向を教えてもらって一人で進むんだ。

 草原を駆け抜けて丘を飛び、川を渡って突っ切るの。

 ほら、国境が見えてきたよ。

 ここからでも分かるぐらいに兵隊達は緊張状態。

 慌ただしく動き回っているんだ。


 門の向こうは分かんない。

 とりあえず、ピョ―ンと跳ねて見張り台。


「うおおおおお、誰だああああ!?」


「敵襲か!?」


 やっぱりビックリさせちゃった。

 兵士達は腰を抜かしてわたわたしているよ。

 でも大丈夫、こんな時の為に貰ってきた物があるんだもん。


「これ見てー!」


 私は紋章付きの手紙を手渡して、ここからの遠くを見渡してみたんだよ。

 遠くからパラドライオの軍勢がじわりじわりと迫ってくるの。

 聞いていた通りにすっごく多い。

 後数時間でここまで到着しちゃう感じ。


 まだララバからの援軍は形もないし、ここの人達は百人もいないっぽい。

 あんな人数に攻められたら皆死んじゃうよ。

 ちょっと護ってあげなくちゃ。


「倒してくるね!」


 私は減りに足をかけて飛びだそうとしたんだけれど、


「お待ちください。あちらはまだ国境を越えてはおりません。手を出すにはまだ早いかと! 下手に手を出せば相手に口実を与えてしまいます! それに、もしかしたらただの演習であるのかも……」


 皆から引き止められちゃったよ。

 あんな大軍で来て止まるはずはないんだけれど、もしかしたらって期待があるのかな?

 うーん、皆を振り切って行っちゃうのも可哀想。

 仕方ないから少しだけ云うことを聞いておこうかな。


 私はご飯とかを分けてもらいながらジッと待ち続けたの。

 でも状況は変わらない。

 むしろ悪化して行くだけなんだ。

 大群はドンドン迫り、向う側の国境に到着しちゃったの。


 動きは直ぐに起こったよ。


『うおおおおおおおお!』


 あちら側の門が開き、大量の兵士達が雪崩れ込んできちゃった。

 手には剣、槍、斧、知らない武器、弓や魔法もガンガンドンドン。

 こちらの門は開いていないけれど、破壊して突破するつもりなの。

 おっきな丸太がドーンドーンって打ち付けられて、長い梯子はしごがいっぱいたてかけられたちゃうよ。


 もちろん皆も抵抗はしているんだ。

 梯子を外そうとしたり、上から矢を放ったり、それでも全然止まってくれない。

 何処も彼処も大慌て。


 それじゃあ行くよ。

 私の出番。


「たああああああ!」


 上からピョ―ンって飛びおりてキャットスレイヴをふり払うの。

 数百人が吹き飛んでついでに梯子もスッパリ両断。

 突然の静寂は一秒も続かない。

 ほらもう前から敵が迫ってくるよ。


 だけど大丈夫!

 進ませなきゃいいだけだもんね。

 キャットスレイヴを変化させ、高い壁を精製したんだ。

 ほらもう梯子を使っても国境は越えられないよ。


「おお、敵が止まったぞ。何という魔法だ!」


「あの方は我々の救世主様か!?」


 本当は魔法じゃないけれど、エッヘンって感じで戻ろうとしたら、敵が左右に展開していくの。

 今度は迂回しようとしているみたい。

 だけどまだまだ伸びちゃうよ。

 造った壁は大きく横に広がっていくんだ。


 でも幅も高さもあるから流石に伸縮の限界が近いかな。

 キャットスレイヴがもうそろそろ動かなくなっちゃいそう。

 出来る限り高さを押さえて横に横に伸びて行くよ。


「梯子を繋げて正面突破せよ!」


 今度は正面から?

 梯子がかかってもう防ぎきれない感じだね。

 だったらもう全部消しちゃうから。

 多くの人が昇り切りそうな所でパッと壁を消しちゃうの。

 バタバタ人が落ちちゃってちょっとした大惨事。


『うおおおおおお!』


 ほんのり減ったけど、まだまだ波は続くんだ。

 私を吞み込むように迫ってくる。

 ここから遠くでは砦を登ろうとしている人も出てきているし、このままじゃちょっと不味いよね。


 倒した人も回復されちゃうし、全力でやっつけるしか方法がないのかなぁ?

 普通に話せばいい人だって居るのかもしれないのに。

 ……それでも今はやるしかない。

 護りたい方を護るだけ。

 だから先に謝っておくよ。

 ごめんなさい!


「たああああああ!」


 振りかぶった剣先がとどき切る直前。

 ドオオオオって大きな音が鳴ったんだ。

 突然現れる大量の気配。

 それは私が護る砦の後ろから。


「ハイグストを護るためウィーディアより参上したぞ! 青鎧を見て恐怖するがいい! 門を開けよ、我々は味方ぞ!」


 他にも様々な声。

 中には知り合いの声も聞こえてくるんだ。

 数は相手よりも少ないけれど、皆すっごく強そうだよ。

 門が開くとドドドドって雪崩れ込んで来るの。

 誰が敵か味方なのか、もうちょっと判断がつかない感じ。


 何でここに居るのって色々聞きたいこともあるけれど、これなら後ろは大丈夫。

 私は前に進んじゃおう。


「行くよー!」


 剣を避け槍を避け、飛んで来る矢をパシッと受け止め、魔法はササっと躱しちゃう。

 敵の兜を踏み台に前に前に進んで行くよ。

 キョロキョロ探し回り、後ろの方に陣取っている奴を見つけたんだ。

 一番偉そうで真ん中にドッシリ座っているの。

 私の事には気が付いているけど逃げようとはしていない。

 無理だとでも思っているのかな?


「あ奴を止めろおおおお!」


 て、余裕ぶって命令しているけれど、今からが本番なんだ。

 ググっと足に力を込めて全力発射で突撃を。

 遠くに見えた敵の顔、もうほんの数十(せんち)

 ビックリ顔を見届けてシュバっと周りを吹き飛ばす。


「ひぃ!?」


 怖がる男をヒョイっと持ち上げ連れ去るの。

 敵は大慌て。


「わ、わしに当たるううう、攻撃するなあああ!?」


 命令に従うか悩んだりして手を止めちゃったんだ。

家猫のモモ

異世界に転生して人間となる。


御主人ごしゅじん(ヒロ)

人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。


カミル・ストラデジィ(学校のお友達)

プラナ・イスリード(学校の先生)

レヴィアン・イング(真炎ハイグスト国、軍師ガルダの息子)

アギ(レヴィアンの付き人)

ヤー(レヴィアンの付き人)


エリオ・ジ・エイグストン(モモの従者)

レマ・トマトン(旅の同行者、料理人)

ナヴィア・ドライブズ(旅の同行者、馬車の運転手)

リシェーリア・パラノイア(プリスターの司祭今は味方?)


ゼノン・ハイム・ディラーム(ラヴィーナの従者)


王子シャーン

王女ルシフェリア

王女ラヴィーナ(格闘が得意)

王女イブレーテ(長女)

王子パーズ(恋焦がれる男の子)


シャーンのお母さんテルナ

ウィーディアの女王。


グリフ・リスマイヤー

シャーンやテルナの付き人。


フルール・フレーレ

ラヴィーナの師匠で格闘家。


青鎧のブルース・グライブス

教育係アリア・ファイリーズ

モモの教育係。


赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)

桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)

冒険者、エルフの姉妹。


ベノム(ブレードバード隊、隊長)


ルーカ(孤児)

プラム・オデッセイ(里帰り中)

ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)


クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)

シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)


剣と魔法の世界 ミドレイス

翼の生えた子供 ウリエリア

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ