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王宮解放

 玉座の間には狂った王様がモンスターに担がれていた。

 私達はモンスターを倒しながら玉座の裏にある仕掛けを解除したの。

 出て来たのは大きな赤いスライムだよ。

 モンスターを吸収しながらドンドン大きくなって入ってきた入り口さえ塞いじゃった。

 物理攻撃が効き辛いみたいだから剣に炎を宿してみたけど、スライムと同じ色の魔力は吸収しちゃうんだって。

 倒すどころかドーンとでっかくなっちゃった。

 それでもまだ諦めるには早いかな。

 効き辛いだけで効かない訳じゃないもんね。

 削って削ってドンドン削って、スライムの体を縮めるの。

 丁度いい感じでバッサリ止めを刺しちゃった。

 部屋に帰ると後は自分達でやるんだって。

 私はちょっと眠っちゃった。

「はわわわわ、お魚さんがお刺身に!?」


 飛び起きた私はお刺身が無い事にビックリしちゃった。


「おお、起きられましたか。こちらは順調に進んでおりますぞ」


 ブラムスは扉の近くに陣取って見張りを続けている。


「ブラムス、おはよー!」


「おはようございます。しかしもう少し静かにしてもらえますかな。子供達がまだ眠っているのですよ」


 私は自分の口を押さえて周りを見てみると、二人の子供達が御主人を抱っこしながら眠っているのを見つけたよ。

 ちょっと離れた場所には完全に拘束されたデゼンも居るの。

 他の皆はまだ戻って来ていないみたい?


「皆様は王宮内の掃除を終えられて町に向かわれました。まだまだ時間がかかるでしょうが国は元に戻り始めています。戦時から復興したウィーディアに倣い、我が国も何れきっと。……しかし、その為には数々の難題を突破せねばなりません。モモ様、それまでどうかお力添えを」


 よく分かんないけれど、助けられるのなら助けたいね。


「うん、いいよー」


「良い返事を聞かせてくださりありがたく思います。では早速、町のモンスターどもを一掃してきてください。私はこの場を命懸けて御守りします故」


「はーい!」


 返事をして立ち上がると王宮から外に飛び出したんだ。

 直ぐに感じる戦闘の気配。

 戦っているのはレヴィアン、ガルダ、ペンネ。

 力を合わせて確実に、一体一体倒しているね。


 あっちは問題なさそうだから、私は私でやろうかな。

 近場のモンスターを感じ取り、一気に駆けてその場所へ。

 見つけた。

 空中を飛び回る大きな鳥のモンスター。


 人も餌にしちゃう狂暴な奴だってアリアに聞いたことがあるんだよ。

 名前はズーラっていったかな。


 じゃあどうしよう。

 相手は空中を飛んでいるもんね。

 こっちも空で空中戦?

 鳥さん相手に無謀かな。

 それじゃあ待つしかないよね。

 私はズーラの居る近場の建物に移動したの。


「おーい、こっちだよー!」


 そこで尻尾をふりふりしながら挑発したよ。

 怒った?

 それとも餌を見つけて興奮している?

 私に向かって急降下。


 他にも色々釣れるけれど、それはむしろ好都合。

 丁度良いから倒しちゃおう!

 ほら、もうすぐそこだよ。

 三、二、一、今!


「てーい!」


 シュバンと剣を振り払い、来た敵全てを一掃しちゃうの。

 うーん、でもまだまだ多い感じだね。

 それじゃあもうちょっと頑張るよ!


 私は町の中を駆け巡り、モンスターを討伐していくの。

 地上にいるのも、空にいるのも、土の中に隠れていても、全部全部見つけちゃう。

 少しずつモンスターの姿がなくなって、町の中が平和になったよ。


 でもね、流石に生き残っていた人は居ないみたい。

 これからどうするんだろう。

 未来に希望は見えないけれど、それでも立ち上がって進まなきゃ。


 ほんのり灯る心の輝き。

 私は胸に感じ取ったよ。

 きっと今なら出来るはず。

 想いと願いを込めて手を胸に。

 輝く光が呪文になるの。


「猫猫召喚! 森を手に、フォレストキャット!」


 呼び出された長毛の猫ちゃんは地面に下り立つ。

 ニャーと叫び、血に塗れた大地に命を吹き込んだ。

 現われたのは無数に広がる植物の芽。

 ドンドンドンドン成長して、ほら、もう実が生ったよ。


 ツヤツヤのリンゴ、黄色のみかん、大粒のブドウ、お尻みたいな桃、他にもいっぱい。

 一口齧ると甘くて美味しい、そんな感じの物ばかり。

 でもね、果物ばっかりじゃないんだよ。

 地面からは野草やキノコ、食べられる物がいっぱいなの。


 この力が使えれば最初に行った村も助けられるかも。

 後でティアマトンに連れて行ってもらおうかな。


「うーん、でもまだ一週間経っていないし、呼び出したら怒られちゃうかなぁ?」


 今度は時間を守らなくっちゃ。

 モンスターも居なくなったし、次はどうしようかな?

 ちょっと悩んでいると、


「おい飼い猫! この惨状は貴様の仕業か!?」


 討伐を終えたレヴィアン達が近づいて来たよ。


「そーだよー!」


「余計なことをするな。この町の地形が変わっちまったじゃねぇか!」


「えー、折角やったのにー」


「残念がる必要はない。現状、建物よりなにより食料と水がいる。これならば一気に解決できるではないか。我々一同、モモ様には感謝しておりますとも」


「チィ!」


 自分の父親に否定されてレヴィアンはちょっと怒っちゃった。

 ベーって舌でも出してやろうかな。


「とにかく、町の清掃は完了したようですね。あとやれることはと云うと……」


 ペンネは考えを巡らせているよ。


「そりゃ当然、何万もの兵隊達の対処だぜ。あの進軍速度じゃまだ時間はあるとはいえ。どうやって説得するか、だ。行って伝えるだけじゃ信じては貰えねぇぜ」


「行って倒しちゃえばいいんだよー!」


「お前なら出来そうな気もしねぇでもねぇが、相手は命令されているだけの兵隊だ。下手なことはしたくねぇ。これからの大事な働き手になるかもしれないからな」


「ふむ、残念ながら俺は軟禁中だというのは皆に知られているはず。レヴィアンは学生の身で顔さえも知られていないだろう。と、するならば、この中で一番信用されそうな人物はペンネ殿しかあるまい。任せても宜しいかな?」


「お任せください。国の為に私に出来ることは何だってやらせていただくつもりです。民の為にも是非!」


「それは有難い。ならば足が必要だな。しかし、使えるものとなると……」


「問題はねぇ。飼い猫はドラゴンを飼いならしていやがるからな。そいつを使えばあっという間だぜ」


「また怒られちゃうよー?」


「は、奴ならどうせ呼べば来る。その時にもう一度交渉しちまえばいいだけだぜ。安心しろよ、お前には迷惑かけねぇ。交渉はこっちでやるぜ」


「分かったよー」


 他に方法がなさそうだし、私は胸にある鈴に手を伸ばすの。

 ググっと握って念じると、


(コラアアア、まだ時間は来ていないだろうがああ!)


 ティアマトンが直ぐに飛んで来ちゃうんだ。

 何時も通りだね。

 森の隙間を抜けてドスンと着地したんだよ。

 やっぱり怒られちゃった。


「おお、これほど立派なドラゴンを従えるとは、勇者と呼ばれるのも納得だな」


「ふん、俺は同意しねぇぜ」


 ペンネなんかはちょっと腰を抜かしちゃっている感じ。


(我は便利な道具ではないのだぞ。約束を守れぬならば鈴を返してもらおうか)


「ごめんね、でもレヴィアンが用事があるって云うから」


 ティアマトンに伝えてみると、フンとレヴィアンを見下ろしたよ。


(……また貴様か。我は貴様の願いを聞くためにこの場に来ている訳ではないのだ。頼み事がしたいというのなら、分かっているな?)


「おう、供物が欲しいって云うんだろ。モンスターなら無限にあるぜ。狩りたてほやほやだ。全部食っちまってかまわねぇぜ」


(……まあ良かろう。ただし、これ以上貴様の頼みを聞くつもりはない。次呼び出した場合は、貴様の命を奪ってやろう。心に刻め、分かったな!?)


「了解だ、これ以上は二度と呼ばねぇから安心しろ。頼みは簡単だ。この間見た軍隊その前にペンネ様を連れて行ってやってほしい。あんたにしか頼めないミッションだ。やってくれると助かるんだが」


(ほぉ、我にしか出来ない事か。確かに我ならば追いつくことも造作もないだろう。良いだろう、腹を満たし次第運んでやろう)


 そしてティアマトンはモンスターをバクバク食べちゃったんだ。

 直ぐに満足しちゃったから運んでくれることになったんだけど、


「あの……乗らなきゃダメなのでしょうか……?」


 ペンネは相変わらず怯えている感じ。

 うーん、このままじゃ話が進まないもんね。

 私はペンネを掴み上げ、ピョ―ンって背中に飛び乗ったんだ。

 ペンネがキャーってうるさかったけど、暫くしたら落ち着いたよ。

家猫のモモ

異世界に転生して人間となる。


御主人ごしゅじん(ヒロ)

人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。


カミル・ストラデジィ(学校のお友達)

プラナ・イスリード(学校の先生)

レヴィアン・イング(真炎ハイグスト国、軍師ガルダの息子)

アギ(レヴィアンの付き人)

ヤー(レヴィアンの付き人)


エリオ・ジ・エイグストン(モモの従者)

レマ・トマトン(旅の同行者、料理人)

ナヴィア・ドライブズ(旅の同行者、馬車の運転手)

リシェーリア・パラノイア(プリスターの司祭今は味方?)


ゼノン・ハイム・ディラーム(ラヴィーナの従者)


王子シャーン

王女ルシフェリア

王女ラヴィーナ(格闘が得意)

王女イブレーテ(長女)

王子パーズ(恋焦がれる男の子)


シャーンのお母さんテルナ

ウィーディアの女王。


グリフ・リスマイヤー

シャーンやテルナの付き人。


フルール・フレーレ

ラヴィーナの師匠で格闘家。


青鎧のブルース・グライブス

教育係アリア・ファイリーズ

モモの教育係。


赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)

桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)

冒険者、エルフの姉妹。


ベノム(ブレードバード隊、隊長)


ルーカ(孤児)

プラム・オデッセイ(里帰り中)

ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)


クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)

シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)


剣と魔法の世界 ミドレイス

翼の生えた子供 ウリエリア

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