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デッドリィマンティス

 王宮で出会ったペンネ。

 私達は事情を聞いたの。

 私達の行動が全て裏目だったって知って愕然としちゃったけれど、それでも止まる訳には行かないの。

 王様はもうダメそうだからレヴィアンのお父さん、ガルダを助けに王宮の地下に向かったんだ。

 無事な姿を確認してペンネの居る場所に連れ帰ることにしたんだけれど、エントランスホールにはまたモンスターが溢れかえっていたの。

 頑張って倒し続けると、たった一つ、大きな気配が現れたんだ。

 きっと皆が受け止められる物じゃない。

 とっさの判断で三人を掴んで後方に退避。

 私達は無事だけど、壁が崩れて奥の部屋が見えているの。


 そして天井から大きな三角の顔が現れてぼとっと体も落ちて来る。

 緑の顔、緑の体、これは巨大なカマキリさん。

 ギチギチと口を鳴らして鎌をジャキジャキ振っている。

 私達を食べようと狙っている感じ。


「デッドリィマンティスだと!? 特級クラスのモンスターじゃねぇか!」


「だとしても倒すしかありませんぞ! 部屋まで進入されてはペンネ様に危険が及びます故!」


「これは逃げきれぬか。私が時間を稼ぐ。お前達は先に行け!」


「親父が残ったら意味ねぇんだよ!」


 って、ちょっとした親子愛が見えちゃうけど、折角助けたのに死なせたくないよ。


「それじゃあ倒しちゃえばいいんだよ!」


 私はキャットスレイヴを手に、瞬時に前に飛びだすの。

 床から壁を走り、天井を蹴って攻撃を仕掛けるよ。

 相手もそれなり、動きに合わせて鎌を振るってくるけれど、体をくるんと捻って隙間を抜けちゃうんだ。


 悪あがきの噛みつきなんて当たってはあげないから。

 背中に抜ける一瞬で首元をシュバっと一発。

 おっきな頭が落ちて行くよ。


「よーし、着地!」


 私は無事に着地したんだ。


「飼い猫のバカ野郎、まだ死んでねぇよ!」


「うおおおお!?」


「危険だ、逃げるぞ、二人共!」


 三人は背を向けて逃げ始めたの。

 何故なら、デッドリィマンティスは頭を落としても動き続けているから。

 もう頭がないからグチャグチャに鎌を振り回して前に前に移動しているんだ。

 だったら動けないようにしちゃえばいいよ。


 ここは攻撃の届かない背後。

 それじゃあやりたい放題だね。

 ブンブン煩い羽根を斬り、動き続ける足を斬り、振るい続ける鎌の根本を落としちゃう。


 でもこのままだと可哀想。

 ちゃんと止めを刺してあげる。

 最後は真っ二つ。

 これで死ななきゃ粉々にしちゃうよ。

 ちょっと見ていると、ようやく動かなくなったんだ。


「やっぱり化物じゃねぇか」


「味方であると心強いですな。また何か出て来る前に急いで部屋に戻りましょう」


「うむ、そうだな」


 ペンネが居る部屋。

 私達は無事に戻って来たよ。


「たっだいまー!」


(おかえりー!)


 ここの皆も大丈夫だね。


「皆さん、お帰りなさいませ。そしてお久しぶりですガルダ様。ご無事で何よりでございます」


「おお、ペンネ嬢か、久方ぶりだな。元気にしていたか?」


「見ての通り、元気とは程遠い状況が続いております。切り抜ける為にもガルダ様のお知恵を借りたいのです」


「親父も体験しての通り、この王宮はモンスターの巣窟だ。しかも無限に湧き出てきやがる。何とかしない限りは俺達が削られ続けちまうぜ」


「何か仕掛けがあるとは思いますが。それが何なのかという所ですな。ガルダ様は何かご存じないでしょうか?」


 レヴィアンとブラムスがガルダに知恵を求めているよ。


「ふむ、と云われてもずっと軟禁状態であったからな。……しかし、心当たりがない訳でもない。これ程の仕掛けを作るとなればそれなりの腕が必要だ。王宮に仕えている魔術師の中で行えるとするのなら。デゼン・アスラ・フォルス。奴ならば何か知っているやもしれん」


「親父、俺もその名前を聞いたことがあるぜ。確か宮廷魔導士筆頭の男だな。それ程の奴なら戦に駆り出されているんじゃないのか?」


「可能性はなくはないが、たぶんこの王宮の中に居るはずだ。そもそも奴こそがプリスターを招いた男だからな。奴もきっと手ごまの一人だ。自分の身が危険に及ぶことをしはしないだろう」


「つまり、そいつを倒せば終わりってことかよ?」


「そう上手くいけばいいが、さてどうだろうか」


 悩んでいるなら簡単だよ。


「そんなの行ってみれば分かるよ! その人は何処に居るのー?」


 行って倒してみればいいんもんね!


「たぶん王宮の横にある魔術宮の中だ。あなたであれば問題無く辿り着けるだろう。問題は魔術的な結界の中にあるということ。ただの力では突破は難しいでしょう」


「なら簡単だ。魔術的なものならばこの俺が解除してやるぜ」


「ふーん、そうなんだー?」


「テメェ、信じてねぇな!? やれるって言ってんだろうが!」


「えー、何にも言ってないよー?」


 変に絡んでこなくてもいいのになぁ。


「まあとにかく進むしかありませんな。もう一度三人で行ってみるとしましょうぞ」


 やる気を出しているブラムスに、


「いや、待ちたまえブラムス殿。失礼だが、あなたの力では太刀打ちはできぬだろう。足手纏いにならぬようにここに残ることを勧めるよ」


 ガルダは戦力不足だと伝えたの。


「なんと、私の力では不足なのですか!?」


「あなたの力を否定している訳ではない。しかし今回に限ってはただの力押しでは切り抜けられぬのだよ」


「むぅ、ガルダ殿の御意見痛み入ります。本当はまだ暴れ足りないのですが、足手纏いになるようならば行かぬ方がましですな。はぁぁ」


 ブラムスはすごく残念がっているよ。

 ちょっと可哀想?


「ブラムスはここに居る皆と御主人を護ってあげて。そうしてくれたら私、嬉しいなー!」


「……確かにそうですな。うむ、少しやる気が出ましたぞ。お二人が戻られるまで、ここに居らっしゃる皆様を命を懸けて御守りいたしましょう!」


 皆の事をお願いしたら機嫌が直ったみたい。

 また何かあったら一緒に戦おうね!


「おい、何時までもくっちゃべってるんじゃねぇ。さっさとこい、飼い猫!」


「うん、今行くよー! 御主人、またねー!」


(うん、行ってらっしゃい)


 私は手を振って部屋を出て行った。

 向かうのは魔術宮。

 わざわざ宮殿の中を通って行くのは面倒くさい。

 一旦屋上に出ることにしたんだよ。


 目視で場所を確認し、私達はピョ―ンと跳んで移動したんだ。

 地上に下りて入ろうとしたらバチって静電気みたいに弾けちゃう。

 手が痛くてビックリしちゃった。


「親父から聞いていただろう。結界があるってよ」


「レヴィアンはこれを解除出来ちゃうの?」


「やってみなけりゃ分かんねぇ。だが、やるぜ!」


 レヴィアンは集中して手をかざしているよ。

 何とかしてくれると思うから、それまで私はやって来るモンスターの相手をするの。

 城壁を乗り越えたり時には空から、たまに地面の下からなんてこともあるけれど、全部全部倒しちゃった。

 そうしている間にレヴィアンの作業は進み、


「ここだああああ!」


 魔術宮の結界の一部がパリーンと割れたんだ。

 これでようやく入れそう。


「それじゃあ部屋に送って行ってあげるね」


「舐めんな、俺も行くに決まってんだろうが!」


「ふーん、じゃあ行こうか。ピンチになったら助けてあげるね」


「ほざいてろ!」


 と云いながら魔術宮に入っていくの。

 私も続いて歩いていくよ。

 赤や青の光源が浮かんで不思議な感じの礼拝堂をみたいなところ。


 その中心に男が一人佇んでいる。

 長い白髪はくはつで足元まで届くぐらいのコートを着ているんだ。

 他に気配はないからそれっぽい人物だけれど、会った事がないから分かんないな。


「ねぇ、あなたがデゼンって人なの?」


「人に名を訪ねるなら自分から、そんな常識も知らないのか? これだからハイグストの田舎者は嫌なのだ。さっさと滅んでしまえば良いと思わないか?」


「そうかそうか、テメェが誰であれその思考は賛同できねぇぜ。つまり、お前が敵で良いんだよなぁ!? それじゃあ、ダークネス・デッドエンドオオオオオ!」


 レヴィアンからの突然の攻撃。

 男は黒い炎の波にも怯まず佇むままなの。

 全て対応済みって感じで当たる前に魔法が霧散していくよ。


「ふぅむ、相手が名乗らぬからといってこちらも名乗らぬのではエレガントに欠けるかね? では自己紹介をしようか。貴様達が捜していたデゼン・アスラ・フォルスとは私のことだよ。以後、お見知りおきを。まあ君達に以後はないのだがね」


 そして、自らの名前を明かしたんだ。

家猫のモモ

異世界に転生して人間となる。


御主人ごしゅじん(ヒロ)

人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。


カミル・ストラデジィ(学校のお友達)

プラナ・イスリード(学校の先生)

レヴィアン・イング(真炎ハイグスト国、軍師ガルダの息子)

アギ(レヴィアンの付き人)

ヤー(レヴィアンの付き人)


エリオ・ジ・エイグストン(モモの従者)

レマ・トマトン(旅の同行者、料理人)

ナヴィア・ドライブズ(旅の同行者、馬車の運転手)

リシェーリア・パラノイア(プリスターの司祭今は味方?)


ゼノン・ハイム・ディラーム(ラヴィーナの従者)


王子シャーン

王女ルシフェリア

王女ラヴィーナ(格闘が得意)

王女イブレーテ(長女)

王子パーズ(恋焦がれる男の子)


シャーンのお母さんテルナ

ウィーディアの女王。


グリフ・リスマイヤー

シャーンやテルナの付き人。


フルール・フレーレ

ラヴィーナの師匠で格闘家。


青鎧のブルース・グライブス

教育係アリア・ファイリーズ

モモの教育係。


赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)

桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)

冒険者、エルフの姉妹。


ベノム(ブレードバード隊、隊長)


ルーカ(孤児)

プラム・オデッセイ(里帰り中)

ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)


クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)

シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)


剣と魔法の世界 ミドレイス

翼の生えた子供 ウリエリア

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