ヴァンパイア
村から北方面にあるイブスタの町。
そこは今まで見た所よりもいっそう酷い所だよ。
人々は食料を与えられず全員奴隷のような状態。
倒れた人をまるで気にせず踏みつけて通り抜けていくプリスターの服を着た人達。
こんな酷い扱いをさせているコンブリットという領主を倒しに屋敷に向かうの。
庭で見た光景に怒りを覚え、私達は突撃を決行したよ。
出て来るのは兵士だけじゃないんだ。
多くのモンスターまで現れちゃう。
全部倒して突入するけど、屋敷の主はヴァンパイアみたい?
プチッと潰してあげたけど全然死なないんだよ。
「ククク、無駄だ。いくらやっても私は復活する」
と、潰したコンブリットはまた復活しようとしているよ。
「それじゃあもう一回!」
ドーンと潰してみたけれど、やっぱりまた元通りになっちゃうの。
「だから無駄だと言っている……」
じゃあもう一回ドーンとやっちゃった。
(モモ、さっき杭を打ち込めとか云っていたよ。そうじゃなきゃ倒せないんじゃないの?)
「御主人、私やっているよー。ハンマーにぶっとい杭をつけているもん。ドスンって落としたけれど効かないの」
(それじゃあ倒せないってこと?)
「ちょっと黒猫ちゃんを呼んでみるよー」
そう言いながらもう一回ドーン。
私は急いで黒猫ちゃんを呼び出したけど、どうもただの杭じゃダメなんだって。
銀製の呪術を用いた物をつかわなきゃって、そんなのないんだけれど。
(……困っちゃったね)
「太陽ならいけるみたいだけれど、朝までにはまだ時間があるもんね」
「そろそろ自分の辿る運命がどうなるのか理解したのではないか? そんな重そうな物を何度も何度も、体力が無くなるのも時間の問題……」
何だか喋りはじめたからもう一回ドーンってハンマーを叩き落としたの。
でもね、今度はちょっと違うみたい。
いきなり背後から気配がする。
血のような真赤な剣が振り払われたの。
ビュビューンって少しだけ伸びるけど、そんなの伸びた内に入らないよ。
サッと避けると反撃したけどやっぱり全然効いていない。
何か方法を考えなきゃだね。
「そこだああああ、ダークネス・ブラストオオオオ!」
「悪鬼退散、うおおおおおお!」
そうしている間にもレヴィアンとブラムスが駆け付けてくれたの。
うーん、でも状況はあんまり変わっていないかな。
だって何をしたって倒せないんだもん。
「今までは手加減してやったということも分からず無駄な抵抗を続けるか。貴様等の顔が絶望に歪む時がたのしみだ。ふはははははは!」
コンブリットがバカみたいに笑っているよ。
町の皆に酷いことしていたこんな奴に負けたくない。
だったらもう。
「こうしてあげる!」
どれだけ早くて頑丈だって私の動きにはついて来られないの。
「こ、これは!?」
グルグルに縛って隙間なく閉じ込めたよ。
中でバンバンドンドンやったって怖くないもん。
まだ絶対に出してあげないから。
「おお、やりましたな。後は日の光を浴びせるだけですな」
「クソ面倒なモンスターが。さっさと死んどけや!」
殆んど勝ったようなものだけど、朝までこんな奴と一緒は嫌なんだ。
ずっと待っていたら眠っちゃいそうだもん。
「私、ちょっと行ってくるねー!」
ピョーンって外に飛び出してキャットスレイヴを思いっきり空へ伸ばすの。
(モモ、どうするつもり?)
「朝が来ないのなら朝が来るところに行けばいいんだよ!」
(うわ、強引だね)
空で鈴を握りこむ。
そろそろ一週間。
もしかしたら来てくれるかも?
(こらああああ、まだ時間は経っていないぞおおおお!)
と云いながらやってくるブリザードドラゴンのティアマトン。
やっぱり結構暇なのかも?
「ごめんね。でもちょっと頼みがあるんだ。朝日が見えるところまで連れて行って。この中の物を捨てて来なきゃいけないの」
(むむむ、言いたいことはまだまだあるが、道中でたっぷりと説教してくれるわ!)
怒っている感じだけれど、連れて行ってくれるみたい。
ティアマトンのお説教を聞きながら、とんでもない速度で朝に向かって飛び立つの。
屋敷に居たらまだ何時間もかかるはずだけど、もう空の端から焼けるような色が見えてくるんだ。
……もうそろそろかな?
空が青く青く変ってそろそろお別れの時間だよ。
私はキャットスレイヴに捕まえていたコンブリットを空に投げ捨てた。
拘束が解かれると、青空の下に飛びだすの。
「ば、バカな。まだ朝が来る時間じゃないはずりゃあああああああ……!?」
いきなりの事に驚き、数秒で真っ黒に焦げちゃって粉々になって消えて行ったよ。
「わーい、勝てたー! ありがとうティアマトン。それじゃあさっきの場所に戻ってね!」
(なんだか怒るのがバカらしくなってきたわ。今後は出来る限り一週間ぐらいは開けてくれ。まあしかし緊急時出会ったのなら仕方ない。そういう時は我の力にすがるがいい)
と、何だかちょっと満足気。
(結構いいドラゴンさんだよね。今後も頑張ってもらいたいよ)
「うん、そうだねー!」
私達は満足して屋敷に戻って行くよ。
到着するとレヴィアンとブラムスが外で待っていてくれたんだ。
「たっだいまー!」
(ただいまー!)
私と御主人はティアマトンから下りて挨拶をしたよ。
「おお、戻られましたか。これ程のドラゴンを従えるとは、やはり勇者と呼ばれるだけありますな。それで奴は?」
「もちろん倒してきたよー!」
「ま、飼い猫しか居ない時点で聞くまでもねぇな。しかしこっちはちょっと不味いことになった。お前が居ない間に屋敷を調べていたんだが、王宮からの通信が来ていた。軍をこちらに向かわせているそうだぜ。逃げるなり戦うなり決めなくちゃねぇ」
「戦うと言いたいところですが、流石にこれ以上の領地を奪われるようなことはしたくないはず。かなり本気の数、きっと数万を要する兵隊がやってくるでしょう。そうなれば流石に三人では勝ち目がありませんぞ。いざとなれば我々など無視して先に進んでいきますからな」
「うーん、それは困ったねぇ?」
(僕達が勝っても領地を奪い返されたら意味ないもんねぇ)
「……まあしかしだ。それだけの数が来るとなれば王宮の護りはかなり手薄になるはずだぜ。これは好機、一気に攻め入る時だ。幸い、移動手段はそこにあるからな。奴等が来る前に落としちまえば問題はねぇぜ」
と、レヴィアンはティアマトンを見ているよ。
(むぅ、この人間、我を使うつもりなのか。ふん、我もそこまで暇ではないのだがな。どうしてもというのなら、我が満足する供物を渡すがいい。そうすればやってやらないこともない)
「これがドラゴンの声か? 供物って何だ。具体的に云いやがれ」
(我が求める物は食事よ。最近満足した食事をしていないからな。腹いっぱい山盛りの肉を用意してもらおうか)
「チィ、この御時世に食料だと? そんなもんどこにも……」
「それじゃあウィーディアのお母さんに頼んであげるよ。きっと引き受けてくれると思うよー!」
私は自分の意見を言ってみたよ。
「確かにいい方法かもしれねぇが、ウィーディアに借りを作りっぱなしは面倒になる。却下だ却下。……しかし方法は……。待て。あんたモンスターを食ったりもするのか?」
(我は好き嫌いをするような思考はない。あまりに不味い物以外なら食えれば何だろうと構わぬ)
「なら決まりだ。流石に人を食えとは言えねぇが、ここに居るモンスターなら食ってもいいぜ。こんな物を放置していても害にしかならねぇからな」
レヴィアンは知らないかもしれないけれど、本当はこのモンスター達も人間かもしれないんだよねぇ。
でも今は言わない方が良いのかな?
(残飯処理にしか思えぬが、腹を満たせるのならばそれでいい。では終わり次第好きな場所に運んでやろう)
何だか上手くいきそうな感じだね。
「村の方はどうするの? このまま何にもしないのー?」
「そっちについては問題ねぇ。パースタ様が護りを固めてくれているはずだぜ」
「うむ、そちらについては問題あるまい。戦わずとも遅延させる方法なら幾らでもあるからな」
「そっか、じゃあ安心だね!」
ある程度のことを話し合っている間にもティアマトンが食事をし始めたよ。
ちょっとだけ休憩して、直ぐに出発の準備をしたんだ。
向かうのはここから西にある首都ララバ。
王城がある場所だよ。
家猫のモモ
異世界に転生して人間となる。
御主人(ヒロ)
人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。
カミル・ストラデジィ(学校のお友達)
プラナ・イスリード(学校の先生)
レヴィアン・イング(真炎ハイグスト国、軍師ガルダの息子)
アギ(レヴィアンの付き人)
ヤー(レヴィアンの付き人)
エリオ・ジ・エイグストン(モモの従者)
レマ・トマトン(旅の同行者、料理人)
ナヴィア・ドライブズ(旅の同行者、馬車の運転手)
リシェーリア・パラノイア(プリスターの司祭今は味方?)
ゼノン・ハイム・ディラーム(ラヴィーナの従者)
王子シャーン
王女ルシフェリア
王女ラヴィーナ(格闘が得意)
王女イブレーテ(長女)
王子パーズ(恋焦がれる男の子)
シャーンのお母さんテルナ
ウィーディアの女王。
爺
シャーンやテルナの付き人。
フルール・フレーレ
ラヴィーナの師匠で格闘家。
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
モモの教育係。
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
冒険者、エルフの姉妹。
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




