向かう先は
村の男達が捕らえられているアルダミンド鉱掘所に向かった私達。
ゴツゴツとした岩場が多いこの場所で男達はガキンガキンと地面を掘って採掘しているみたい。
屈強な男達を見張るのは武器を持った兵士達。
あの屋敷よりも断然多かったけど、いっぱい敵を倒したよ。
でもね、敵のボスが現れて村の子供達を人質に取られちゃった。
無抵抗を装いながら、キャットスレイヴの刃を地面の下に伸ばしたの。
奇襲は成功して後は簡単。
皆倒してやっつけたんだ!
「奴等が俺達の事を報せたにしろ報せてないにしろ、直ぐにこちらに向かってくることはない。その時間を利用して俺達は東にあるジンブルガンの町に向かうぜ。治めているのは俺の親父の知り合いだ。下手なことにはならないだろう。なんなら武器やらめぐんでくれるかもしれねぇぜ」
レヴィアンの意見を聞いて私達はジンブルガンの町に向かうの。
家を貸してくれたガディラも一緒だよ。
自分達の村の事だから直接頼みたいんだって。
馬で一日でも私が走れば三十分もかからない。
三人を担いでシュタタって走り出したの。
「便利な乗り物だぜ。急げやオラ!」
こんなことを云ってくる人はキャットスレイヴでバチっと頭を叩いちゃう。
「ぐあ!?」
「レヴィアン様!?」
ぐったりしてガディラがちょっと心配しているけれど、
「大丈夫だよ、死んでないもん!」
(まあ、自業自得だね)
ちょっと静かになったところで私は急いで走り続けたよ。
見えて来たのは大きな町。
あそこがジンブルガンだよね。
ウィーディアの町並みにも勝るとも劣らない感じ。
門番さんにはレヴィアンのことを心配されちゃったけれど、無事に入ってみると、楽しそうな音楽が響く綺麗なところだったけど、人々の顔は暗くってどんよりしているんだ。
私はレヴィアンを起こしてパースタ・デ・アル・デンテって領主の屋敷にお邪魔したの。
何だか美味しそうな名前だよね。
「おお、レヴィアン、よくぞ参られた。自分の家だと思って寛いでくれ」
それにかなり大きな声で笑う豪快そうな人だよ。
私達のことを嫌がらずに歓迎してくれたんだ。
客室に案内されてお菓子とか御馳走してくれたからすごく良い人だと思う!
食べている間にもレヴィアンが経緯を説明してくれて話しが進んでいくの。
ちなみに、何か言いたそうなガディラは緊張して言葉が出て来ていない感じ。
「むぅ、つまり国の変革を成したいと。確かに、王が指導されている政治は今までとはまるで違うものだ。これほどまでに民を苦しませていては何れ革命さえも起きかねん。それより先に手を打たねばならぬが、王を裏切る行為は私にはできない」
「それは王が正常ならの話しだろ。今の王は何者かの手により操られているんだぜ。ここで立ち上がらなきゃ忠誠が聞いて呆れるぜ?」
「そういわれればそうなのだが。ふむ、ならばこうしよう。お前達に国を変えるほどの実力があるのかどうか。この目で確かめさせてくれ。もし失敗するのであれば挑んだところで命を散らすだけだからな。諦めて立ち去るのだ」
「望む所だ。受けて立つぜ!」
「よい覚悟だ。では此方が用意した強者と戦い見事勝利してみせよ! ブラムス、相手をしてやれ!」
パースタがパチンと指を鳴らすとお菓子の乗っていたテーブルが片付けられて代わりに武装した男の人が入って来たよ。
まだ食べている最中なのに、
持っているのはカチカチのハンマーなの。
「ここでやる気か?」
「心配は要らぬ。このぐらいの広さがあればブラムスは何も壊したりはしない。どちらかといえばお前達の方が心配だが。まあその時はその時だ。気にせず存分に腕前を披露してもらおうか」
「よし、やっちまえ飼い猫!」
「えー、私がやるのー?」
「俺が相手にしたら屋敷ごと灰になっちまうぜ。それとも勝てないとでも云うつもりか?」
「そんなことないけどー」
もうちょっとお菓子を食べたかったなぁ。
(ま、いいんじゃないの。パースタに実力を見せないといけないしね)
「うーん、じゃあやってみるよー」
私は椅子から飛び上がり、ブラムスの前に着地したよ。
こうなったら早く終わらせてお菓子を食べ直すから。
「何時でもこーい!」
やる気充分でキャットスレイヴを構えたの。
「パースタ様の前だ。女子供とて容赦はしない。覚悟はいいな!? 行くぞおおおおお!」
重量武器とは思えないぐらいの早さでハンマーを振り回し、頭上辺りから落ちて来る。
私はパシッと受け止めて、かたい鎧に剣を打ち込んだよ。
「ぐはあああ!?」
超威力の攻撃でブラムスは壁にぶつかって埋まっちゃったみたい。
これは勝ちでいいんだよね?
「あのブラムスを一撃で……」
「それだけじゃねぇぜ。こいつは百人以上に囲まれたって負けやしねぇ。本物の化け物だ。つまり少人数であれ問題はねぇってことだ」
「だから化物じゃないよー」
そう言いながらブラムスを壁から引っぺがし白猫ちゃんで回復してあげたよ。
もう怪我もないから大丈夫。
「ブラムス、大事ないか?」
「は、はい。まさか渾身の一撃があんなにあっさりと受け止められるとは思いませんでした。レヴィアン様のいう通り、この方であればどれ程の強敵が来たとしても問題はないでしょう」
「ふむ、勝機は十二分にあるということか。いいだろう。私はお前達を支援することに決めたぞ。必要な物があれば手配しよう」
「あ、ありがとうございます! 是非お願いします!」
元気よく返事をしたのは今まで黙っていたガディラだよ。
溜めていた分が爆発して村の食糧問題とか多くのことを注文したりしているの。
パースタが大体のことを受け入れてくれてガディラは飛び跳ねて喜んでいるんだ。
ある程度の問題は解決したのかな?
私は御主人とお菓子を一つまみして見守っていると、
「まあとにかくだ。ここで戦力の補充が出来たのは幸いだぜ。ここからなら王宮の動きも監視できるんだろ?」
レヴィアンとの話がまた始まるみたいだよ。
「うむ、我々が表立って行動しなければこちらにも連絡が来るだろう。だが二度三度と行動を読むようなことをしていては直ぐに疑われかねないぞ」
「その辺りの事は任せてくれ。軍事については親父から叩き込まれているからな。一刺しで決めてやるぜ」
「それでこれからどうするのかね? まさかこの戦力で王宮に乗りこむ訳ではないのだよな?」
「それでも勝ち目は充分にあるとは思うが……。俺達は一度村に帰って北にあるイブダスの町を落とそうと思っている。あそこはあんたの治める地方じゃないからな。俺達が行動している間に親父と連絡を取ってくれないか?」
「残念だがそれはできない。ガルダは罠にはめられて軟禁されていると聞いている。手を借りるのは難しいだろう」
「なら他に信用できそうな奴は?」
「騎士として城勤めしている私の娘ペンネならこちらに手を貸してくれるはずだ」
「んじゃそっちは任せるぜ。出来る限り城の内情を探って俺達に伝えてくれ。それと黒幕の野郎が俺達を犯人にして終わらせる可能性もあるからな。王の暗殺にも気を付けろといっといてくれ」
「む、心得た。注意するように伝えておく。では、ブラムス、お前はこの者達と同行し力を貸してやってくれ」
「このブラムス・ヴァイン、国の一大事とあらば力の限り働かせていただきます!」
それで終わった頃に仲間が増えたみたいだね。
物資を貰った私達はいっぱいの荷物を積み込んだとても大きな馬車で村に帰って行くの。
途中でお腹が空いちゃったけど、これは大事な物だから手を付けちゃいけないって御主人に云われちゃった。
でも私は平気だよ。
ブラムスに馬車をお任せして途中途中で町に引き返してご飯を食べたりしたんだもん。
村に帰ってもお祭り騒ぎ。
大量の食糧で村の皆はパーティ―をするみたい。
私は喜んで始まるのを待っていたけれど、
「よし、腹も満たした。直ぐにイブダスの町に向かうぞ。こうしている間にも敵の動きがあるかもしれないからな」
まだお休みしちゃダメみたい。
「えー、これからパーティ―が始まるんだよー? ご飯食べて行かないのー?」
「飯なんぞ、町についてからでも食えるだろうが。行くぞ飼い猫!」
「わーん。ちょっとだけーでも食べたいよー」
ちょっと泣きそうになっちゃったけど、私は負けたりしないから。
テーブルにしがみ付いて何とかお肉を確保したんだ。
家猫のモモ
異世界に転生して人間となる。
御主人(ヒロ)
人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。
カミル・ストラデジィ(学校のお友達)
プラナ・イスリード(学校の先生)
レヴィアン・イング(真炎ハイグスト国、軍師ガルダの息子)
アギ(レヴィアンの付き人)
ヤー(レヴィアンの付き人)
エリオ・ジ・エイグストン(モモの従者)
レマ・トマトン(旅の同行者、料理人)
ナヴィア・ドライブズ(旅の同行者、馬車の運転手)
リシェーリア・パラノイア(プリスターの司祭今は味方?)
ゼノン・ハイム・ディラーム(ラヴィーナの従者)
王子シャーン
王女ルシフェリア
王女ラヴィーナ(格闘が得意)
王女イブレーテ(長女)
王子パーズ(恋焦がれる男の子)
シャーンのお母さんテルナ
ウィーディアの女王。
爺
シャーンやテルナの付き人。
フルール・フレーレ
ラヴィーナの師匠で格闘家。
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
モモの教育係。
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
冒険者、エルフの姉妹。
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




