レヴィアンに会いに行こう
アギとヤーに事情を聞いた私はレヴィアンに約束した通りにハイグストに向かうことにしたよ。
カミルちゃんに出発することを伝えておくと、学校の屋上で森で出会ったムカデのモンスターを大量に出して襲い掛かって来たんだ。
ハイグストからの刺客は彼女だった?
私はムカデのモンスターをバシッと倒してカミルちゃんを捕まえたよ。
お城で尋問されて色々なことを聞けたみたい。
私は約束通りにハイグストに行くためにプラナ先生のところにレヴィアンの居場所を聞きに行ったんだ。
丁度よく学校で作業していたプラナ先生。
私はレヴィアンの居場所を聞いてみたんだよ。
「レヴィアン君の居場所なら、お城に努めているアリア様に一任されておりますよ。モモさんなら直ぐに会いに行けるのでは?」
「えー、そうなのー!?」
(あー、もしかしたらそうなんじゃないかなーって思っていたけど、やっぱりそうだったんだね)
何だか驚いちゃったけど、御主人は納得しているみたい。
急いで研究所に向かってアリアに話しを聞いたんだ。
「あら、バレてしまいましたか。実は陛下と相談して城にレヴィアン様の住居を提供していたのです。他国の重要人物ですからね。国が関わらないことはありませんよ」
「言ってくれればいいのにー」
「そうも行きませんわ。レヴィアン様はモモさんを嫌っていますからね。仲良くなってもらわなければ話しが進みませんもの。本来ならちゃんと順を経てからハイグストへの対応を協議するつもりでしたが、こうなってしまっては仕方ありませんね。モモさん、ちゃんとハイグストを救って来てください」
「分かったー!」
私はピョンと飛び跳ねて返事をしたよ。
それからアリアに案内されて、お城のレヴィアンに会いに行ったの。
意外と私の部屋に近くてビックリしちゃった。
「本気で行く気か?」
「もちろん、約束通り救いに行くよ。でもレヴィアンも一緒に来て、私一人じゃ分かんないもん」
「いいだろう。どの道俺達には打つ手がない。この国の勇者であるならば命を懸けろよ。負ければ死だ。もし逃げ出すのならば、この俺が殺してやる!」
その目は本気の本気だよ。
「大丈夫だよ。私、逃げないもーん!」
私はレヴィアンに手を差し伸べた。
「……いい度胸だ!」
握り返される手にちょっとだけ嬉しくなっちゃった。
ちょっとだけ仲良く成れそうな気がしたよ。
「それでは旅立つ準備をしなければなりませんね。明日までには全ての準備を終えることを約束します。それまでにお友達に事情を打ち明けるなり自由にお過ごしください」
アリアはちょこんとスカートの裾を掴んで何処かに行っちゃったんだ。
「それじゃあ私も用意してくるから、明日の朝、起床の鐘が鳴ったら城門のところで待っていてね!」
「遅れるなよ!」
「遅れないよー!」
(バイバーイ!)
私は部屋に戻って行くよ。
明日の為にお弁当をいっぱい用意しなきゃだもん。
町にお出かけして、ご飯と果物とお野菜と干し肉とお水とか色々買って来たんだ。
これでほぼ準備は完了したって思っていたけれど、御主人に云われて服の替えとかも用意しなきゃって思い出したの。
パパっとリュックに詰め込んで私は明日の為にお休みしたよ。
★
次の日。
朝の鐘が鳴る前に、アリアと御主人に起こされて私達は用意した荷物を持って城門に向かったんだ。
ちょっとネムネムだけど、時間には間に合ったよ。
待ち合わせ場所にはレヴィアンとアギにヤーが揃っているの。
「お待たせー!」
と手を振ってみるけど、
「やっと来たか、遅いぞ飼い猫」
「遅い遅い、レヴィアン様を待たせるんじゃないぞ!」
「そーだそーだ!」
三人とも何時も通りの感じだね。
「飼い猫じゃないよ、モモだよー! それにまだ時間は来てないよー!」
「ふん、お前なんぞは飼い猫で充分だ。時間がどうとか関係ない。それで、どう向かう気だ。まさか徒歩で向かおうなんて云わないよな? 馬車も用意していないみただが?」
「大丈夫、ドラゴンを呼んじゃうから! ちょっと待っていて!」
「はぁ、ドラゴンだと? ふざけているんじゃないだろうな?」
「ふざけてないもーん!」
私は胸にある鈴をキュッと手に掴んで念じてみたよ。
空をぐるっと見渡すけれど、やっぱり直ぐには来ないよね?
「……飼い猫、やっぱりふざけているんだろう?」
「もうちょっと待って、その内来ると……あ、来た!」
見えたらもう一瞬だよ。
ブリザードドラゴンズのティアマトンがドーンと両足で着地してこの場に降り立ったの。
ものすごく大きな翼がバサバサしてちょっと風が激しい。
人の体でも飛んでいっちゃいそう。
だけど事前に言っといたから大丈夫。
普通に大人しくしているから、攻撃はされずに見守られているよ。
(久しぶりだな人の子よ、今日はなんの用件だ)
と、いきなり呼び出したのに文句も言ってこない。
むしろなんだか嬉しそうなのは暇だったからなのかも?
「うんとね、ハイグストって国まで乗せて行ってほしいの」
(ふむ、聞いたことのない国だ。案内をしてくれるのなら連れて行けぬこともないぞ)
「大丈夫、案内役はそこに居るから!」
私はレヴィアンを指さしたの。
(ほう、お前が案内役か。ちゃんと案内をするのだぞ)
「うっ、分かっている!」
巨大なドラゴンを見てちょっとだけ怯んだ感じ。
それでも立ち直っちゃうのは流石だね。
ティアマトンに持ちきれない荷物を持ってもらって、私は御主人とレヴィアンを連れて大きな背中に乗りこんだよ。
落ちないようにキャットスレイヴで小さな空間を作って準備万端!
「アギ、ヤー、お前達はこの国に残れ。俺にもしものことがあれば後のことは頼んだぞ!」
「レヴィアン様、お達者で!」
「俺達何時までも待っています!」
アギとヤーはレヴィアンにお別れを云っている。
「モモさん、お気をつけて。モモさんなら必ず勝てると信じています! ちゃんと戻って来てくださいね!」
「うん、行ってくるねー!」
(行ってきまーす!)
私と御主人はアリアやお城の皆に手を振ったよ。
(準備がいいなら飛ぶぞ? 方角はどっちだ?)
「俺の国はあちらだ、風が向かうあちらに進め!」
(いいだろう。振り落とされぬようにしっかり掴まっているのだぞ。行くぞおおおおお!)
ティアマトンは一度グッと身を沈ませて跳躍と一緒に翼を羽ばたかせたの。
ゆっくりと上空へ、そして急激な加速がかかったよ。
突風に突っ込んでいる感じでゴウゴウいっている。
透けた場所から外を覗くとドンドン景色が遠ざかるの。
あっという間にウィーディアの町を越え、国境を越えて、一時間、二時間、三時間、四時間、途中でちょっと休憩したりしながらハイグストに向かっちゃうんだ。
そして長い時間をかけて、
「ここだ。ここからが俺の国、真炎ハイグストだ」
ハイグストが見えて来たんだ。
この国は高い丘や大きな風車がいっぱある風の強いところだよ。
今も風車の羽根がグルグルグルグル回っているの。
青ってぐらいの濃い空に映える真っ白な雲。
寒くもなく暑くもなく、丁度いい気候の国。
だけど酷いことになっているんだよね。
今のところはそう見えないけれど、きっと何かあるんだろうね。
「流石にドラゴンが下りたら驚かせちまうからな。人里よりは少し遠くに下りてくれ」
(いいだろう。ではあの岩場のあたりに下りるとしよう)
ティアマトンは人気のない大きな岩の陰に隠れるように降り立った。
私も二人を連れて地面に下りたよ。
(我はもう行く。また我を呼びだしたいのならば一週間後だ。分かったな?)
「はーい、ありがとうね!」
(まったねー!)
手を振るとティアマトンは飛んで行っちゃった。
「やっと着いたねー」
(うん、ずっと動けなかったからちょっと疲れちゃったよ。一度思いっきり動き回りたいね)
「うーん、でもその前にご飯だよー。お腹が空いちゃったんだもん」
私は荷物の中からお弁当を取り出すの。
「何をのんびりしてやがる、ここからは戦場だ。下手なことをするんじゃねーぞ!」
「でも途中でお腹が空いたら困っちゃうよ。食べられるときに食べといた方が良いよー。ほら、美味しそうだよー?」
「……勝手にしやがれ!」
ということでご飯をいっぱい食べてやる気は充分だよ!
家猫のモモ
異世界に転生して人間となる。
御主人(ヒロ)
人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。
カミル・ストラデジィ(学校のお友達)
プラナ・イスリード(学校の先生)
レヴィアン・イング(真炎ハイグスト国、軍師ガルダの息子)
アギ(レヴィアンの付き人)
ヤー(レヴィアンの付き人)
エリオ・ジ・エイグストン(モモの従者)
レマ・トマトン(旅の同行者、料理人)
ナヴィア・ドライブズ(旅の同行者、馬車の運転手)
リシェーリア・パラノイア(プリスターの司祭今は味方?)
ゼノン・ハイム・ディラーム(ラヴィーナの従者)
王子シャーン
王女ルシフェリア
王女ラヴィーナ(格闘が得意)
王女イブレーテ(長女)
王子パーズ(恋焦がれる男の子)
シャーンのお母さんテルナ
ウィーディアの女王。
爺
シャーンやテルナの付き人。
フルール・フレーレ
ラヴィーナの師匠で格闘家。
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
モモの教育係。
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
冒険者、エルフの姉妹。
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




