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仲直り大作戦

 モンスターの背にヒントが書かれていたのを発見して大量に倒して行くの。

 三つのヒントを見つけ出して、向かったのは北西にある大樹。

 ちょっと上に入れそうな所を見つけて侵入してみたよ。

 吹き抜けのある大きなダンジョンだけど、私達には関係ないんだ。

 キャットスレイヴでピョーンと上がって一番上に着いちゃった。

 自分の名前が書かれた水晶玉、これが目的の物だよね?

 持ち帰ろうとしていたらレヴィアン達に邪魔されちゃった。

 私の水晶玉がバキバキに壊されちゃった。

 破片を全部持ち帰ったけれど、やっぱり認めては貰えないみたい。

 次頑張れば良いやって思っていたら、レヴィアン達が戻って来ないって。

 仲直りのチャンスとばかりに私は御主人を連れて捜しに行ったんだ。

「着いたー! けど見つからないみたい?」


 私と御主人は水晶玉があった大樹に到着したよ。

 でも気配もないし、この場所に到着するまでおかしなことはなかったから、もう別のところに行っちゃったのかな?


(だったらこのまま進んでみるしかないよね。この大樹を目印にして周りを捜してみようか)


「分かったー!」


 四人の行方を捜し続けていると、人の気配を感じたよ。

 一人みたいだけれど、レヴィアンじゃないかな。

 一緒に行動していた誰かのものなのかも。

 行ってみようって進んでみたら、クーデリカが木のうろに体育座りをしていたよ。

 ちょっと脅えている感じ。


「ねぇねぇ、レヴィアン達は?」


「あ、モモさん! そんなに目立ったら危ないです! 早く隠れて!」


 いきなり慌てて手を掴まれて、うろの中に引きずり込まれちゃった。

 何があったか事情を聞いてみなきゃだね。


「どうしたの?」


「実はあれからレヴィアン様がもっと奥を探索してみようと云われまして。皆とは逆方向に進んでしまったのです。今までと変わりないモンスター。全然余裕だと思っていたのですけど。……あれが現れて大変なことに。レヴィアン様は皆を逃がし、一人であれの相手をされて遠くへ走って行かれたのです。ああ、レヴィアン様、私の為に身を犠牲にしてくださるなんて、何て素敵なお方。私との将来の為にも無事に帰って来てもらいたいです」


 クーデリアはちょっと妄想がはかどっているみたい。

 でも相手のことは何一つ分からない。


(あれって何だろう?)


「ねぇ、相手はどんなのだったのー?」


「それは……ムカデが生えている恐ろしい怪物で。……ああ、考えただけでも虫唾むしずがはしってしまいます! うええええええ……」


 すごく気持ち悪いものを見たのかも。

 周りがちょっと酸っぱくなっちゃったから、私はクーデリカに方向だけ聞いて先を見に行ったよ。

 暫く進むとアギとヤーの気配があったの。


 ササッと向かうと二人が倒れていたんだ。

 近くには人間大ぐらいある大きなムカデの残骸があったよ。

 これが襲ってきたモンスター?

 まだ倒していないからレヴィアンが居ないのかな?


「大丈夫ー?」


 ちょっと声をかけても返事は返ってこない。

 二人とも気を失っているのかな?

 でもこんな所に置いてたら危ないし、まずクーデリカのところまで運んだよ。

 もう一度進んでレヴィアンの捜索開始。

 出て来るモンスターを倒しながら進んで行くと、


「見つけた!」


 ようやくレヴィアンの気配を見つけたよ。

 まだ移動を続けている感じで直ぐに遠くに行っちゃいそう。

 私は急いで追いかけて、姿を見つけたんだ。

 戦っているのは聞いていたムカデのモンスターだよ。


 まん丸なボール状の黒いものに大量のムカデがくっ付いている感じ。

 炎の魔法をぶつけて燃やしているけど、端から再生して効いていないみたい。

 もう魔力も尽きかけているのか大きな魔法も使っていないの。


「レヴィアン、助けに来たよー!」


「誰が貴様なんぞの手を借りるか。必要ねぇぜ!」


 それでも助けを拒否してくるの。

 すごく強情。

 魔法が使えないならって杖で殴りかかろうとしているけれど、それはちょっと無謀だよ。

 大きなムカデがドバっと飛び出しあらゆる方向から襲い掛かって来るんだ。


(これじゃあお友達作戦は無理かもね。どうするモモ)


「もちろん助けるよー!」


 私はキャットスレイヴをグッと握りレヴィアンの前に出たの。


「俺の邪魔をするな!」


 でも私を払って前に出ようとしてくるんだ。


「負けそうだったくせにー。他の三人もやられちゃったんでしょー?」


 だから私もグイっと後ろに下げてやったよ。


「クッ、だったらお前に倒せるというのか。出来るものならやってみろ! 偽勇者如きが出来るものならな!」


「うん、やっちゃうよー!」


 偽物だって決めつけて、私の本気を見てあげる。


「たあああああ!」


 気合を入れて踏み込むと、急激な加速でムカデのボールの横を通り過ぎた。

 既に無数の斬撃により傷塗れ。

 シュッと剣をふり払うと、もう再生もできなくなって真っ黒の炭になって消えちゃった。


「クソガッ! 俺が倒そうと思っていたのに!」


 レヴィアンが悔しがっているところに、


「私、本物の勇者なんだよー!」


 安全を確認して声をかけても、


「うるせぇ。何処の誰が認めようと俺の国を救わない貴様はただのカスだ! 英雄だ!? 勇者だぁ!? 浮かれてんじゃねぇよ! 悔しかったら俺の国でも救ってみやがれ!」


「むー!」


 それでも認めてくれないんだから、仲良くするのはもう無理かもー。

 頬がプーって膨らんじゃいそう。


(……まあ、レヴィアンにはこの国の事情なんて関係ないもんね。それに、何だか事情がありそうだよ?)


 事情があっても意地悪なんかされたくないよ。


「救ってきたら認めてくれるの?」


「は、出来るものか、お前のような飼い猫がよ!」


「それじゃあ事情を教えてよー」


 レヴィアンはギロって睨んで来る。


「そんなに聞きたいのならアギとヤーの奴に聞いてみな。聞けるものならな」


 そして背中を向けて去って行くよ。


「道はわかるのー? 送って行ってあげるよー?」


「断る! そのぐらいのことは把握済みだ!」


 声をかけてもこんな感じ。

 広場の方に向かうみたいだから待っていればいいのかな?


「じゃあ他の三人は運んであげるねー! さっき見つけたんだー!」


 私はレヴィアンの横を通り抜け、倒れていた三人を回収して広場に戻ったの。

 もう先生も帰って来たみたい。

 レヴィアンが帰ってくる前に今までの事を説明しといたんだ。


「そんなモンスターが? おかしいですね、修練の森は学生達のために結界が張られています。あまり強いモンスターは入って来られないはずですが? 万が一侵入した場合でも警報が鳴る仕組みがあるはずなのに……」


 プラナ先生が不思議がっている感じ。


「ムカデがいっぱい出て来るまん丸なものがちゃんと居たよー」


(うん、皆が襲われていたもんね)


「結界が張られる以前よりずっと隠れていたということでしょうか? それとも……。その件については此方で調べておきます。モモさんはこれからも愉しい学園生活を満喫してくださいね」


「はーい!」


 もうちょっと待っていると疲れた顔をしたレヴィアンが帰って来たの。

 全員が揃って先生の転移魔法で学校に帰って行ったんだ。

 待っていたカミルちゃんと再会を喜び合って、運んで来た三人は保健室へ運んどいたよ。

 到着すると丁度目を覚ましたみたい。


(アギとヤーもレヴィアンが居る時は話し辛いだろうし、今の内に聞きに行くのもいいんじゃないかな?)


「そうだよね。じゃあ聞いてみるよー!」


 と、私は早速声をかけてみることに。


「ねぇねぇ、レヴィアンが国を救えって云っていたけど、何があったのか教えてよ」


「はぁ、俺達が簡単に口を割るなんて思っているんじゃないぞ! それに何でお前なんかに教えなきゃならないんだ!」


「そーだそーだ!」


 何か二人は文句を云っているけど、


「あら、あなた達二人を助けたのはモモさんなんですよ。ここで意地を張るのは違うのではないですか?」


 隣のベッドで寝かされていたクーデリカが助け船を出してくれたの。


「そうなのか?」


「ウソじゃないだろうな?」


「本当だよーだ。先生が居る広場まで連れ帰ってあげたんだよー」


「うぬぬぬ、誇り高きハイグストの民が恩を仇で返したなどと云われたくはない。ヤー、ここはちゃんと言うべきだよな?」


「うーむ、きっとレヴィアン様もお許しになるはずだ。良いだろう、教えてやるとも! その代わり、一度だけだ。ちゃーんと聞いとかないと後悔するからな!」


 これでようやく話しが聞けそうだよ。

 何があったのかなぁ?

家猫のモモ

異世界に転生して人間となる。


御主人ごしゅじん(ヒロ)

人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。


カミル・ストラデジィ(学校のお友達)

プラナ・イスリード(学校の先生)

レヴィアン・イング(真炎ハイグスト国、軍師ガルダの息子)

アギ(レヴィアンの付き人)

ヤー(レヴィアンの付き人)


エリオ・ジ・エイグストン(モモの従者)

レマ・トマトン(旅の同行者、料理人)

ナヴィア・ドライブズ(旅の同行者、馬車の運転手)

リシェーリア・パラノイア(プリスターの司祭今は味方?)


ゼノン・ハイム・ディラーム(ラヴィーナの従者)


王子シャーン

王女ルシフェリア

王女ラヴィーナ(格闘が得意)

王女イブレーテ(長女)

王子パーズ(恋焦がれる男の子)


シャーンのお母さんテルナ

ウィーディアの女王。


グリフ・リスマイヤー

シャーンやテルナの付き人。


フルール・フレーレ

ラヴィーナの師匠で格闘家。


青鎧のブルース・グライブス

教育係アリア・ファイリーズ

モモの教育係。


赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)

桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)

冒険者、エルフの姉妹。


ベノム(ブレードバード隊、隊長)


ルーカ(孤児)

プラム・オデッセイ(里帰り中)

ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)


クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)

シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)


剣と魔法の世界 ミドレイス

翼の生えた子供 ウリエリア

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