ヒントはどこ?
入学二日目。
テストとか体力測定とか色々やって目立っていると、アギとヤーというクラスメイトに連れていかれて親分レヴィアンの下に。
何だか戦わなきゃいけない感じ。
撃ちだされた魔法を打ち返すと先生達がやってくるの。
数日が経ったある日、鍛錬の森で何かを探す授業をするみたい。
私はカミルちゃんとパーティ―を組んで入って行くんだ。
レヴィアン達は逃げ出して私達は注意する様にって云われちゃった。
「あれー、この子の背中に何か書いてあるよー?」
私は兎のモンスターの背中に紙が貼り付けてあるのを見つけたよ。
えっと……大きく北西って書いてあるね。
もしかしてこれがヒントなのかな?
「モモちゃん、他の兎も見てみようよ」
「うん、そうだね」
襲ってきた兎を次々に捕まえるたけど、ヒントがあったのは一匹だけ。
やっぱり全部じゃなくって当たり外れがあるみたい。
それじゃあ片っ端から倒していっちゃえばいいんだよ。
そう思って出て来るモンスターをいっぱいいっぱい倒して行くの。
おかげでヒントが集まって来たんだ。
『北西』『大樹』『頂上』、とかぶっていない物はこんな感じ。
他にはないのかな?
とりあえずこれで考えてみるしかないよね。
(北西にある大樹の頂上に向かえってことかな? それとも大樹から北西に進んでとか? まあどっちかだろうね)
「うーん、かも?」
それはいいんだけれど、ちょっと問題もあるんだよ。
「あのモモちゃん、北西ってどっち?」
私も方向なんて分からない。
あ、でも大きな木なら分かるかも?
「ちょっと木に登ってみるね!」
私はピョ―ンってジャンプして木の頂上から見渡すと、ひときわ大きな木があるのを見つけたよ。
他の木より十倍は太くて長さも倍ぐらいはありそうな感じ。
たぶんあそこが目的の大樹なのかも。
直ぐにカミルちゃんに報せると、皆でそっちの方角に向かったんだ。
何度か確認しながら進んで行くと、大樹に到着できたみたい。
近くで見ると、まるで壁みたいな幹だね。
もう数人のクラスメイトは先に到着して調べ始めているよ。
あの意地悪なレヴィアン達は居ないみたいだね。
また変なことを云われる前にさっさと終わらせちゃいたいかな。
(うーん、この大きさだと他の学生が木登りするのはちょっと大変そうじゃない? それは難易度が高すぎだし、他に方法があるのかも?)
「行ってみたら分かるよね。私ちょっと見て来るね」
「モモちゃんいってらっしゃい」
私はガシガシと大木をよじ登り上に向かって行ったんだ。
虫のモンスターが出てきたり、鳥のモンスターがつついてきたり大変だったけれど、無事に頂上に到着したよ。
あるのは枝と葉っぱと綺麗な景色ぐらいだね。
とりあえず葉っぱを一枚千切りとって地上に戻って報告したの。
「何も無かったみたいですね。やっぱり他の方法が?」
「じゃあ周りを探してみようか」
「はい、そうしてみましょう」
大木をぐるっと回って見てみると、ちょっと上の方に大きな穴が開いていたよ。
ここから入れる感じかも?
うーん、他に進めるところはないし、もうここから行っちゃおう!
私は御主人とカミルちゃんを連れて大木の奥に入って行くの。
中は上の方まで吹き抜けになっていて、周りには幾つか部屋のような広い空間があるみたい。
ここを登って行くのかも。
色々な仕掛けがありそうだけど、私にはそんなに関係ないよ。
二人を抱えて地面からキャットスレイヴを伸ばすんだ。
一番上のにまで到着したのは直ぐだったけれど、ここはまだ頂上じゃないのかも。
近くの部屋から上に伸びる階段が見えているよ。
バッと横の部屋に飛び移りコツコツ階段を進んで行くと、一番奥にある部屋に大きな宝箱を見つけたんだ。
鍵も掛かっていないみたいだから開いてみたら私達の名前が張り付けてある水晶玉があったの。
うーん、ちょっと気配を感じるけれど、特に何にもないみたい?
じゃあこれを持ち帰ればいいんだよね?
私とカミルちゃんは自分の名前が書かれた水晶玉を手に取ったんだ。
(これで野外授業はクリアだね)
「直ぐに終わっちゃうなんて、これもモモちゃんのお蔭だね」
カミルちゃんにも誉められて楽しく帰ろうとしていると、
「待ちな、その球はそこに置いて行ってもらおうか」
「置いて行け置いて行け!」
「そーだそーだ!」
レヴィアン達が私達の前に立ちはだかったんだ。
二人組のはずなのに何故か三人一緒なの。
「いやだよーだ!」
ベーって舌を出してやると、
「なら実力行使で奪ってやるよ! やっちまえ、クーデリカ!」
「はいいいい!」
声は宝箱の中から聞こえてきたの。
クラスメイトの女子、クーデリカが水晶玉をバラバラと飛び散らせながら飛びだしてカミルちゃんを背後から羽交い絞めにしちゃったんだ。
「何をするんですか!?」
「ごめんなさい、レヴィアン様には逆らえないの。今回だけ、今回だけだからごめんね!」
何か入っている感じはあったけれど、まさか人が入っているとは思わなかったよ。
「動くなよ。仲間を助けてほしければその水晶玉を寄越すんだ」
レヴィアンはカミルちゃんに杖を向けている。
断ったら前に使っていた炎を当てる気だよね?
(ここは云うことを聞いておいた方がいいんじゃないかな。カミルちゃんが怪我をしたら不味いしね)
「むー、分かったよー! 渡すよー!」
私は持っている水晶玉をポイっと放り投げた。
レヴィアンが掴み上げて、
「確かにお前の名前が書いてある。それじゃあこいつはこうしてやるぜ! ダーラスブラスト!」
「あー!?」
炎の魔法で粉々にしちゃったんだ。
もう元に戻すことは無理なぐらいだよ。
「はん、いい顔だぜ。その顔が見たくてわざわざ待ってやっていたんだ。感謝しとけよ。ハハハハ!」
レヴィアン達はカミルちゃんを解放して去って行くの。
「壊されちゃったね」
「でもカミルちゃんが無事でよかったよ。これは授業だし、次頑張ればいいだけだもん。私は気にしないよー」
「そうだね、でもまた次も邪魔して来たら何時までもクリア出来なくなっちゃうよ」
「そっか、それも嫌だね」
(何とか仲良くなれる方法を考えないとね)
あんまりしたくないけれど、このまま続けるのも面倒くさいもんね。
でも向こうが嫌いだと思っていたら無理だよね。
何をすればいいんだろう?
私はどうにか出来ないかなーって、粉々になった水晶玉を拾い集めたの。
結構時間がかかったけれど、ちゃんと全部拾えたよ。
だけど最初の広場に戻ったら。
「流石に、これでは証明が出来ませんからね。今回は失格ということで我慢してくださいね」
プラナ先生もダメだって云われちゃった。
それじゃあもう私にできることはないよ。
のんびり待っていると、クラスメイトは続々と戻って来たんだ。
だけど真っ先に終わったはずのレヴィアン達はまだみたい。
何処かで道草食べているのかな?
「これだけ待っていても帰って来ないなんて、まさか本当に遭難してしまったのでしょうか!? こんな時はまず落ち着いて……。まずは捜索隊を、ダメダメ、二重遭難してしまう可能性が……」
プラナ先生もちょっと焦っている感じ。
(モモ、チャンスかも。ここで恩を売っておいたら仲良くなれるかもしれないよ)
「そっか、じゃあチャンスだね。プラナ先生、私が助けに行ってみるよ!」
「生徒であるあなたに頼むのは気が引けますが、勇者と言われるあなたの実力であるならきっと……。もしものことがあるかもしれません。私は先に他の生徒を避難させてきます。戻り次第合流しますのでそれまでお願いします!」
「うん!」
私は頷くと、皆の帰りを見ることなく再び森の中に突っ込んだんだ。
(モモ、あの四人の気配は感じる?)
「ううん、分かんないよ。かなり遠くに行っているのかも?」
(とりあえず水晶玉があった大樹に戻ろうか。あの四人が何かあったのならその途中が怪しいよ)
「うん、そうだね! ちょっと行ってみるよー!」
一度行ったところだもん。
直ぐに到着して捜しちゃうから、助けてあげてお友達にしてあげる。
断ってもダメだからね!
家猫のモモ
異世界に転生して人間となる。
御主人(ヒロ)
人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。
カミル・ストラデジィ(学校のお友達)
プラナ・イスリード(学校の先生)
レヴィアン・イング(真炎ハイグスト国、軍師ガルダの息子)
アギ(レヴィアンの付き人)
ヤー(レヴィアンの付き人)
エリオ・ジ・エイグストン(モモの従者)
レマ・トマトン(旅の同行者、料理人)
ナヴィア・ドライブズ(旅の同行者、馬車の運転手)
リシェーリア・パラノイア(プリスターの司祭今は味方?)
ゼノン・ハイム・ディラーム(ラヴィーナの従者)
王子シャーン
王女ルシフェリア
王女ラヴィーナ(格闘が得意)
王女イブレーテ(長女)
王子パーズ(恋焦がれる男の子)
シャーンのお母さんテルナ
ウィーディアの女王。
爺
シャーンやテルナの付き人。
フルール・フレーレ
ラヴィーナの師匠で格闘家。
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
モモの教育係。
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
冒険者、エルフの姉妹。
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




