キラキラの大聖堂
英雄の生まれる国ブルズトン。
そのコロッセス町で私達はブレイズバトルに参加するんだよ。
一緒に来ていた私とラヴィーナの受付をエリオにやってもらって大きな控室を貰ったんだ。
それで観光しようってことだったんだけど、ラヴィーナは思いっきり止められて私と御主人、それとエリオで回ってみることになったの。
近くの屋台でお肉を味わい、そこで聞いたプリスターの大聖堂に向かったの。
人通りの多い道をギュウギュウになりながら通り抜けて辿り着いた大聖堂。
ここもやっぱり人が多くてすごく賑わっているんだ。
おじさんに聞いた通り、周りには出店もいっぱいあって色々な物が売られているよ。
「うーん、美味しそうな匂いが沢山するー!」
そう、この食欲がそそるような香ばしい匂いもきっとその中のどれかから漂ってくるものだよね。
「ええ、確かに。しかし先ほど沢山食べたのでは?」
「えー、まだまだ入るよー。朝からちょっとしか食べてないもん」
(一体そのお腹にどれだけ入るんだろうね。謎過ぎるよ)
「うーん、いっぱい?」
もちろんそれも食べてみたいけど、今は大聖堂の方が気になっちゃう。
ステンドグラスがキラキラで、お庭も花でいっぱいなの。
ちょっと飛び跳ねて遊びたい気分。
でも今の体じゃお花さんを潰しちゃいそうだよね?
今は一旦やめとこうかな。
「ご飯は後で食べるけど、まずは見学しよー!」
(おー!)
「モモ様、僕を置いて、行かないでくださいねええええ!?」
「わーい!」
と、気にせずに大聖堂に入って行ったんだよ。
中は人が多いのにとても静かで、大きな声を出したら怒られそうな雰囲気がひしひしと伝わってくるの。
こんな時は場に合わせろってアリアも云っていたし、そうするのが良いんだよね?
出来る限り静かに御主人達と話ながら受付のところに並んだんだよ。
ゆっくり進んで私の番。
キラキラした教会のローブを着た男の人だったんだ。
「よくぞおいで下さいました。この教会の司祭をしておりますグレゴリー・サンと申します。本日はどのようなご用件でしょうか。祈祷であるならそちらに。選手の方でしたら勝利をお祈りいたしましょう。まずはどうぞ、この箱にご寄付をお願いいたします」
いうことを云ってドンと募金箱を前に置いたんだよ。
「えーっとね私達選手だからお祈りしてほしいな」
私はそう伝えたんだけど、グレゴリーさんはニッコリしているだけなんだ。
「モモ様、先に寄付をしなければなりませんよ。それが当然なのです」
「そうなんだ?」
(まあ教会でも資金は必要だからねぇ。小銭でも入れてあげなよ)
「はーい!」
小銭入れを取り出して三人分ポポンって投げ入れると、グレゴリーさんが聞き取れないぐらいの小さな言葉でモゾモゾ何かを呟いて。
「あなた方に勝利の光が降り注ぎますように」
それだけ云うと手を横に向けているよ。
そっちに進めってことみたい?
歩いてみたんだけれど、特に何にも起こらなかったよ。
他にやることもないし、
「うーん、外で何か買って帰ろう」
私はここから出ることに決めたんだ。
中はただ綺麗なだけだったの。
「ええ、構いませんよ」
(ラヴィーナへのお土産も買わないとね)
「そーだね!」
庭にあるお花の香を吸い込んで、柵の向こうにある出店の場所へ。
やっぱりご飯、ご飯を食べないと!
何所にしようか迷うけど、お肉は食べたし別の物がいいよね。
ここはやっぱり、お腹に溜まりそうな、あのホットドッグの店なんだよ!
「あそこに行こー!」
「本当にまだ食べるのですか!?」
人込みを掻き分けて到着すると、順番を待って注文をしたんだ。
「へいお待ち!」
「わーい、ありがとー」
そして品物を受け取る時に、何かがドーンとぶつかって肩に乗っていた御主人が地面に落ちちゃったの。
「御主人大丈夫? ……あれ、御主人、御主人!?」
下を見てももう居ない。
ギュウギュウな人の波に流されて行くように気配がドンドン遠ざかって行っちゃうよ。
「モモ様、僕が行って参ります! 周りに注意してここでお待ちください!」
エリオが追いかけてくれるみたいだけど、たぶん普通に移動したら追いつけないよ。
そのぐらい人がいっぱい居るんだもん。
「私が行くよー! エリオは先に戻っていてー!」
「一人で行動しては――!」
私は止められる寸前にピョ―ンってその場を飛びだしたの。
流石に人の上には行けないから槍みたいな物がある柵の上に飛び乗ったんだ。
乗り辛いけど大丈夫。
ほんの少しの足場を進み、遠くに消えていく御主人の下へ。
「あのへんだね」
気配の近くには追いつけたんだけど、人が多過ぎて姿は見えないんだ。
御主人が自分で移動しているの?
うーん、ちがうと思うんだけど……。
あ、丁度いい感じに脇道に入って行くよ。
細い道で人通りも少ないから見つけられそうかも!
シュバって移動してみると、人込みの中に男の子を見つけたんだ。
手には御主人が入っているカゴがあるの。
何をする気かは知らないけれど、今はとにかく捕まえなきゃ!
「捕まえたよー!」
私はその子の後ろからガッチリ抱きしめたんだ。
「うわ、まさか追いつかれた!? は、放せええええ!」
男の子は暴れているけれど、ギューっとしているから絶対動けないんだよ。
(あ、モモ、助けて!)
「うん、助けるよ」
私は御主人の入ったカゴにある入り口をパカッと開いたの。
その瞬間、御主人がピョ―ンと出て来たよ。
うん、怪我もなくて大丈夫だね。
(はぁ、どうなるかと思ったよ)
「助かってよかったね。それで、この子どうしよう?」
「放せこらあああ!」
腕の中の男の子はまだ暴れ続けているよ。
(放してあげてもいいんじゃない? 僕達は警察じゃないしね)
「うん、そうするよー!」
パッと手を放すと男の子は距離を取ってジリジリ後ろに下がって行くの。
「バーカ、バーカ! これだけは貰っていくぜ!」
パッと取り出した袋、それは私の大事な、
「あー、それ私の保存食の袋だよー!」
とても大切なご飯が入った袋だったんだ。
「保存食ぅ? ……まあいいや、貰って行くぜ!」
男の子が逃げていくけど、これはもう逃がすわけにはいかないよ!
私は御主人を取り返すよりも必死に追い掛けたんだ。
でもね、男の子はそれを見越したように、
「こうなったら、こいつはこうだ!」
自分の口の中にザーッと流し込んだんだよ。
カチカチのお肉とカチカチのパン、乾燥したフルーツなんかもリス見たいに詰め込まれてもぐもぐもぐもぐしているの。
袋はもう空っぽ、私の食べる分がなくなっちゃったよ!
「もう許さない、キャットスレイヴ!」
超全力モード、キャットスレイヴを伸ばして男の子をガッチガチに捕まえたんだ。
空中に浮かばせているから足をバタバタしてももうダメなんだよ。
(モモ、僕が攫われた時より怒ってない?)
「そんなことないよ、御主人が攫われた時と同じぐらい怒っているだけだよ!」
(えー、僕ってご飯と一緒なんだ?)
ちょっとだけ目をそらしたいけど、今はそれどころじゃないよ。
「放せ、放せええええ!」
「反省しないと放してあげないもーん」
この男の子をどう料理してやろうかと見つめていると、
「ナッシュを放せ!」
「たああああ!」
建物の影に潜んでいた数人の子供達。
男の子、女の子、まだ五歳にも満たない子まで、手に持った小石を投げつけてくるの。
もうこうなったら……。
「全員捕まえちゃうよー!」
私はシュババってキャットスレイヴを伸ばしたよ。
「はわわわ!?」
「きゃあああああ!?」
何所に隠れていようと逃げられないの。
子供達は全員確保。
でもここで問い詰めるのはちょっと無理かな?
周りはザワザワしているしね。
私は全員を連れてかなり静かな場所に移ったんだ。
ここは人通りも全くない裏路地の中の行き止まり。
ここなら誰も邪魔できない!
「私がくすぐりつくしてあげるー!」
キランと光る眼が最初に捕らえたリュートを捉えたの。
うにうにする私の両手がその脇腹に。
「や、やめろ、やめろおおおおお!?」
参ったするまで、ずっとずーっと続けたんだ!
家猫のモモ
異世界に転生して人間となる。
御主人(ヒロ)
人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。
エリオ・ジ・エイグストン(旅の従者)
王子シャーン
王女ルシフェリア
王女ラヴィーナ(格闘が得意)
王女イブレーテ(長女)
シャーンのお母さんテルナ
ウィーディアの女王。
爺
シャーンやテルナの付き人。
フルール・フレーレ
ラヴィーナの師匠で格闘家。
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
モモの教育係。
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
冒険者、エルフの姉妹。
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




