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ブレイズバトルに向けて(五章終了)

 本屋のお姉さん、シノブから貰った太陽の紋章を持ってお城に戻ったんだ。

 それでお母さんに見せつけるとラヴィーナのブレイズバトル出場は許してもらったの。

 でもね、国からは出るなって云われちゃって、それって出場できないのと一緒だよね。

 頼み込むと今度はベノムを倒せって。

 ラヴィーナは頷いて一対一の戦いが始まったんだ。

 武器はないし素手だから手加減してくれるみたい。

 その戦いは、ラヴィーナが優位に進めていたよ。

 でもちょっとずつ本気を出していくベノムに押されて来たんだけれど、戦いの内で成長していったの。

 最後はカウンターでベノムを殴りつけて勝利したんだよ。

「うぐぐ、まだまだモモ師匠には及ばないということですか……こうなったら修行あるのみですよ! 行くぞおおおお!」


 という感じでラヴィーナは庭に出て行っちゃった。


(優勝する気満々だね)


「だねー、じゃあ私達も行こうか! お母さん、またねー!」


 手を振って部屋を出ようとすると、


「モモさん、少し待ってください。ブレイズバトル出場にともない注意してほしいことがあるのです。少しお話しを聞いてください。お茶とお菓子も出しますよ」


 お母さんに声をかけられちゃった。

 条件が良いから絶対聞かなきゃダメだよね!


「うん、いいよー!」


 私はちょこんと椅子に座らされてお茶とお菓子を御馳走されたんだ。

 それからしばらくして話が始まったの。


「ブレイズバトル……近国ブルズトンにて、この大陸における真の英雄を決する大会が開催されます。しかし、その裏では黒い噂の絶えないのです」


「黒い噂って?」


(なんだか危ない大会なのかな?)


「大会はの勝敗には賭けがからみ、不正がされていることもあると聞きおよびます。全てが真剣勝負とはいかないのです。もしも、モモさんやラヴィーナが不正に乗らなかった場合は、ありとあらゆる手段を以て命すら奪うこともいとわないようです。控室に居ようと、町を歩いていようと、食べ物を食べようとしても大変危険な状態となることも覚悟しておいてください」


(それはかなり大変かもしれないね。本当に気をつけないと)


「本当に大変だよー! それじゃあご飯が食べられなくなっちゃうよー!」


「まあそのあたりについては食材に毒を中和する魔法を使ってしまえば問題はないでしょう。信用できる者もつけますからね」


「よかったー、ご飯が食べられなくなっちゃったら大変だったよ」


「まあとにかく、他にも様々な弊害があると思います。ラヴィーナとともに気を付けて行って来てくださいね。出発は明朝、準備が出来次第、部下が部屋に呼びに行きますので、指示に従ってくださいね」


「はーい!」


(じゃあ明日の準備もしなくちゃね)


「だね、お気に入りのお菓子も持って行かなくちゃ!」


 それで私はお母さんとの話しを終えて部屋を出て行ったんだ。

 それで向かったのは訓練しているラヴィーナのところだよ。

 私達はブレイズバトルに向けて特訓を始めたの。

 明日には出発だからそんなに時間はないけど、やれるだけ、やれる限りのことをして日を過ごし、そして朝。

 とても早くてぬくぬくな布団から起きたくない朝。


「モモ様、起きてくださいませ。モモ様! ブルズトンへ出発の時間でございます! 起きてくださいモモ様!」


 ドンドンって部屋の扉が叩かれたの。

 知らない男の人の声が聞こえたから、まぶたをパッチリ開こうと思ったんだけど、接着剤でピタっとされたように全然動かないんだ。

 まだまだ寝ちゃいたい気分。

 起きなきゃダメなんだけどなぁ。


(ふわぁ、モモ、呼びにきたみたいだよ)


「……もうちょっと」


 まるで金縛りにかかったみたい。


(ああもう、お母さんと約束したでしょ。ラヴィーナを護るんじゃなかったの?)


 分かってるんだけど、体がいうことを聞かないの。


「時間が……こうなったらもう入室させていただきます! って鍵がかかってますねこれ!? ちょっと、起きてください! モモ様、本当に間に合わなくなりますよ!?」


 扉を叩く音が大きくなってるよ。

 うーん、うるさいけど起きられない。

 困ったねぇ。


(仕方ないなぁ。鍵は僕が開けてくるよ)


 起きれない私が寝返りをうっていると、御主人がトコトコ歩いて行く気配がするよ。

 扉の前でピョンピョン跳んで鍵をガチャッと開けてくれたんだ。


「開いた!? モモ様、起きてくれたのです……起きてないじゃないですか! 起きてださい、モモ様!」


 男の人が私をゆさゆさしても、それでも目があかないの。


「こうなったら仕方ないですね。このまま運んでしまいますから! 後で文句を言わないでくださいね!」


(あ、僕も行くから、置いていかないで)


 それで私の体が持ち上がったんだ。

 運んでくれるのなら問題ないよね?

 それじゃあこのままってそう思った瞬間、私はくかーって寝ちゃったみたい。

 起きたら馬車の中で揺られていたんだ。

 もちろん御主人も一緒だよ。

 ラヴィーナはこの馬車には乗っていないみたいだけれど、もう一人……。


「ああ、やっと起きてくださいましたか。先に自己紹介をしておきますね。僕はモモ様の付き人として同行させてもらうことになりました、兵士見習いのエリオ・ジ・エイグストンと申します! モモ様の御命令とあらば、給仕洗濯、もし望まれるのであれば夜の相手でも、どうぞ何なりと思うしつけください!」


 顔を真っ赤にして大声で自己紹介してきたのは、さっき起こしてくれた声の男の子だね。

 サラサラの金髪が云い感じに整っているよ。

 剣や鎧もピカピカですごく立派な物を身に着けてるよ。

 十五か十六か、そのぐらいの年齢かな?

 ちょっと可愛らしい感じ。


「夜の相手ってー?」


 一緒にボール遊びでもしてくれるのかなぁ?

 でも騒がしくしてたらアリアに怒られちゃうよ。


「いや、それは、あの、出発の時間に遅れた罰ゲームといいますか。是非忘れてください!」


 馬車の周りからはクスクス声が聞こえてくる。

 窓から外を見てみるといっぱい兵士達が集まってるよ。

 皆ラヴィーナの護衛かな。

 聞き耳を立てていたのかな?

 からかわれているみたいだし、エリオはまだまだ新人って感じ。


 ここからすごく長い旅になりそうだからトランプの相手でもしてもらおうかな。

 でもその前に、


「朝ごはんを食べよー!」


(あ、やっぱり?)


「はい、すぐにご用意いたします!」


 エリオは自分の荷物から大きなお弁当箱を取り出したんだ。

 味もそこそこ、満足できそう。

 そんな感じで私の旅はまだまだ続くんだよ。

家猫のモモ

異世界に転生して人間となる。


御主人ごしゅじん(ヒロ)

人間だったけど異世界に転生して白い猫になる。


王子シャーン

王女ルシフェリア

王女ラヴィーナ(格闘が得意)

王女イブレーテ(長女)


シャーンのお母さんテルナ

ウィーディアの女王。


グリフ・リスマイヤー

シャーンやテルナの付き人。


フルール・フレーレ

ラヴィーナの師匠で格闘家。


青鎧のブルース・グライブス

教育係アリア・ファイリーズ

モモの教育係。


赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)

桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)

冒険者、エルフの姉妹。


ベノム(ブレードバード隊、隊長)


ルーカ(孤児)

プラム・オデッセイ(里帰り中)

ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)


クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)

シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)


剣と魔法の世界 ミドレイス

翼の生えた子供 ウリエリア

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